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週刊タイ経済
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2日の日タイ首脳会談
両国の関係強化を再確認

 プラユット首相は2日午後、タイを公式訪問した岸田文雄首相と首相官邸で会談した。会談後、両首脳は署名式と共同記者発表に臨み、その後、プラユット首相主催の歓迎夕食会が行なわれた。
 日本の外務省発表によれば、岸田首相は首脳会談で「自由で開かれたインド太平洋」の実現や、ロシアによるウクライナ侵略、南シナ海情勢、ミャンマー情勢などの地域・国際情勢への対応において、タイとの連携を強化したいと述べた。また今年が日タイ修好135周年であることから、戦略的パートナーであるタイとの友好関係をさらに発展させたいと伝えた。これに対し、プラユット首相は両国の関係をさらに強化し、地域・国際情勢への対応について緊密に協力していきたいと応じた。
 岸田首相は1日発行のタイ語日刊紙「マティチョン」への寄稿文でも、日本の大切なパートナーであるタイとの間で、ウクライナ、ミャンマーをはじめとする地域・国際情勢における連携を強化したいと訴えた。またロシアによるウクライナ侵略は明確な国際法違反で、断じて認めることはできないとし、歴史上これまで一貫して独立を維持してきたタイとの間では、この考えを共有しているとした。
 両首脳は「日タイ防衛装備品・技術移転協定」への署名を歓迎、今後、具体的な移転案件の協議を進めていくことで一致した。また「日タイ刑事共助条約」の締結に向け正式交渉を開始すべく調整を急ぐことで合意した。岸田首相は、日タイの未来に向けた経済関係強化として、サプライチェーン強靭化を含む経済安全保障分野での協力の推進、「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ」を通じた脱炭素化や、5Gを初めとするデジタル、スマートシティ、ヘルスケアの分野で協力していきたいと述べた。「アジア・ゼロエミッション共同体構想」も紹介した。
 プラユット首相は、これらの分野での関係強化に取り組んでいくとし、日本企業のさらなる投資への期待を表明した。両首脳はまた、こうした分野における協力についても、策定中の「日タイ戦略的経済連携5か年計画」に反映させていくことで一致した。
 なお岸田首相はタイ滞在中、日本の円借款により設立されたタイの高等専門学校(高専)の一つである、キングモンクット工科大学ラーカバン校高等専門学校(KOSEN―KMITL)を訪問、視察し、教員や学生と意見交換した。2日午前には、サハ・グループのブンヤシット・チョークタワナー会長、チョーガンチャン社のプリウ・トリウィサワウェート会長、アマタ・コーポレーションのウィクロム・クロマディット会長、バンコク銀行のチャートシリ・ソーポンパニット頭取、CPグループのスパキット・ヂアラワノン会長、タイ・ビバレッジ社のタパナ・シリワタナパクディCEOとも意見交換した。

アルチェリク日立家電
タイに本社機能

 トルコのアルチェリクと日立グローバル・ライフソリューションズの合弁会社、アルチェリク日立ホームアプリアンスは、タイに本社を置いて、成長著しいアジア市場での拡大を図る。
 本社・工場での従業員数は5200人。タイの消費者の購買力の伸びと需要の高度化、インフラの進展などからタイに拠点を置くのが妥当と判断した。
 ザファー・ウスナーCEOによれば、タイで生産された製品は世界65か国に輸出されており、日立の白物家電の5割をタイで生産している。大型のマルチドア冷蔵庫、ドラム式洗濯機、コードレス掃除機、コーヒーメーカーなどの最新機種は人工知能(AI)やIoTなどの先端技術を導入、特に若年世代の消費者の関心を集めている。
 一方、環境負荷の軽減にも力を入れており、カビンブリ工場で使用する電力の2割は浮体式太陽光発電プラントで発電している。試算では6000トンの二酸化炭素排出削減につながっているという。

1~2月の鉄鋼消費
前年比14%減

 今年1~2月の国内の鉄鋼消費量が、前年同時期の297万㌧から14・3%減の254万㌧にとどまったことがタタ・スチール・タイランド(TSTH)の調べで明らかになった。コロナ禍や建設現場での人手不足、景気冷え込みなどにウクライナ戦争が加わったことが原因と分析している。
 国内の鉄鋼価格は5月も引き続き上昇する見込みだが、同CEOはどの程度上がるかは予測が難しいと述べている。通年での消費量は1800万~1860万㌧で、工業省の予測である1950万㌧(前年比3~4%増)を下回ると予測した。
 同社の21年度(21年4月~22年3月)の販売量は前年度の130万㌧を上回る133万㌧、1~3月期の収入は前年度同期の220億1000万バーツを上回る325億9000万バーツだった。輸出拡大に成功したことが主要因。

300バーツの入国税
8月か9月に開始

 チョート・トラチュー観光・スポーツ省次官は3日、外国人から1人300バーツを徴収する入国税について、労働許可書を持っている外国人は免除されることを明らかにした。外交官や政府関係者、2歳未満の子供も免除される。陸路で日中のみタイ領内に滞在する行商人など国境通過パスを持つ外国人もまた支払う必要がない。
 労働省は労働許可書保有者のデータベースを観光・スポーツ省とリンクする必要があり、タイ民間航空事務局と航空会社の調整も必要なため入国税の導入時期は未定だが、観光省は8月または9月からを想定している。
 入国税は航空運賃に上乗せする形で徴収する計画だが、航空各社はコロナ禍の影響がまだ残っていることや入国税処理のためのシステム導入と人員確保の費用が生じることから難色を示している。300バーツのうち50バーツは30日有効の旅行保険の経費とし、残りは観光振興基金に納付する。保険の死亡時補償は100万バーツ。事故、暴動、テロ、自然災害、その他の事件に遭遇した観光客の補償は最高で50万バーツ。精神的苦痛による損害の補償は最高で2万バーツを予定している。

一般インフレ率
4月は4・65%に低下

 商業省が5日に発表した4月の一般消費者物価指数上昇率(一般インフレ率)は4・65%となり、前月の5・73%から低下した。
 前年にコロナ第2波で実施された電力料金の特別割引が3月末で満了し、4月から通常料金に戻っており、今年4月のインフレ率の低下は、比較ベースとなる前年同月の物価水準が上昇していたハイベース効果による。また4月には燃油小売価格の上昇ペースも鈍化した。米、生鮮果物、衣料・靴などの物価も下がっている。一方で調理用ガス(LPガス)は補助金削減の結果、上昇した。豚肉、鶏肉、鶏卵、植物油、総菜などの物価も上昇した。
 インフレ率は3か月ぶりに4%台に下げたものの、商業省は今後数か月にわたって5%を超える可能性が高いと見ている。ロナロン・プーンピパット商業政策戦略事務局長は、一般的に石油価格が上昇すれば商品価格も上昇するが、インフレ率が昂進することを意味するわけではないと指摘。エネルギーと商品市況、ロシアに対する西側の制裁、コロナ感染状況、気候変動はすべてインフレ率に影響を与える要因であり、注意深く監視する必要があると述べている。また生活必需品の価格統制や補助金などの政府の措置は、インフレ率の上昇を遅らせることができるとしている。
 一般消費者物価からエネルギーと生鮮食品を除いた基本消費者物価指数上昇率(コアインフレ率)は2・00%。1~4月の一般インフレ率は4・71%、コアインフレ率は1・58%だった。
 商業省による今年通年の一般インフレ率予測は4~5%増。これはタイ中央銀行が金融政策の誘導目標とする1~3%増を超える。ただし中銀は経済成長に配慮し、インフレ抑制のための金利引き上げには否定的だ。タイの政策金利は年0・5%。米国が政策金利を年0・75~1・0%に引き上げた結果、内外金利差は逆転現象が生じている。金利の低いタイから金利の高い米国へと資本の流出が続けば、バーツ安を助長し、これが輸入コスト増による物価のさらなる上昇をもたらすリスクがある。

最近の更新 2022年05月17日
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