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週刊タイ経済
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マプタプット港第3期開発
PTT/ガルフ連合と契約署名
EECの官民連携事業で初

 タイ工業団地公団(IEAT)は1日、ガルフMTP・LNGターミナル社とマプタプット港第3期開発事業の契約に署名した。約1000ライを開発する事業で、総工費は約554億バーツ。官民連携(PPP)のネット・コスト方式で開発される。ネット・コスト方式は受注を決めた民間企業が港湾サービスの収入を原資として事業を運営する方式で、民間事業者が建設・調達・運営費用を負担する。開発する1000ライの土地のうち民間事業者は200ライを運営することが認められる。
 ガルフMTP・LNGターミナル社はガルフ・エナジー・デベロップメント社とPTTタンクターミナルの合弁会社で、登録資本金は35億バーツ。ガルフが70%、PTTが30%を保有する。契約署名式にはPPP委員会の委員長を務めるソムキット・チャトゥシーピタック副首相、スリヤ・ジュンルンルアンキット工業相も立ち会った。
 プロジェクトの最初のフェーズの工費は479億バーツ。港の土地埋め立てと造成、防波堤の建設に加え、年間1000万㌧の処理能力を持つLNG(液化天然ガス)用の港湾施設が開発される。IEATは最初のフェーズが2025年にも運用を開始すると期待している。第2フェーズは港の上部構造の開発段階で、工費は75億バーツ。年間400万㌧のLNGを出荷する。ソムキット副首相はマプタプット港拡張について、石油・石油化学産業の東南アジアにおけるハブを目指す上で最重要のプロジェクトだと述べている。
 契約署名を受けIEATは開発予定地を民間事業者に引き渡す。IEATは環境健康影響評価(EHIA)に基づき、天然資源、環境、住民の健康への影響を緩和するための基金を設置する。土地引き渡し後のプロジェクト監督については、東部経済回廊(EEC)政策委員会事務局が中心組織となって監督パネルを設けることになる。
 ガルフ社のサラット・ラタナーワディCEOによれば、最初のフェーズの総工費のうち民間の負担は約350億バーツで、IEATが残り129億バーツを拠出する。着工当初に銀行から120~130億バーツの融資を受けることになると説明している。
 同プロジェクトは東部経済回廊(EEC)政策における5大重要インフラの1つ。いずれもPPPの手法で開発される。民間事業者との契約に至ったのはこの事業が初めて。ソムキット副首相は、EECプロジェクトの1つが契約署名にこぎつけたことで投資家の信頼を高め、民間投資を刺激すると期待している。

タイ中銀の月例経済金融報告
9月30日の発表より

 8月のタイ経済は前月から減速した。民間消費の指標は、ほぼすべてのカテゴリーで伸びが鈍化した。物品輸出は再び収縮に転じた。それに伴い工業生産も減少した。経済活動が鈍化した結果、民間投資も収縮した。このほかに政府支出も減少に転じた。主に経常的経費の執行が細ったためで、投資支出は拡大した。観光業は拡大基調が続いているが、これは前年のプーケットの観光船沈没事故により比較ベース値が低くなっているローベース効果によるところが大きい。
 経済安定性については、一般インフレ率は前月に比べて低下した。国内燃油小売価格の下落と生鮮食品物価の下落によるもので、コア・インフレ率は上昇した。季節調整済みの就労者数は経済活動の鈍化に沿って前月から減少した。経常収支は黒字幅が拡大した。主に貿易黒字が貢献した。資本収支は資産と負債の双方で出超だった。
 8月の景気動向の詳細は次のとおり。
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 民間消費の指標は前年同月比で伸びが鈍化した。耐久財消費の大幅減によるもので、すべてのタイプの自動車の販売台数が落ち込んだ。所得の伸びの鈍化に加え、金融機関による自動車ローンの審査厳格化が一因で、債権の質に劣化の兆しが見えることが理由である。このほかに非耐久財の消費は伸びが鈍化した。主に燃油の販売数量が伸び悩んだ。国内での自動車販売台数も大きく減少した。他方、半耐久財の消費は横ばい。しかしサービスの消費支出は加速した。主に宿泊・飲食部門の支出が伸びた。購買力の支援要素は総じて低減する傾向にある。非農業部門の家計所得は減少が続いている。農業部門の家計所得の伸びは主に価格面の理由から鈍化している。消費者信頼感指数は6か月連続して前月比で悪化している。
 物品輸出額は前年同月比2・1%減で、金地金を除いた輸出額は8・9%減と10か月連続で収縮した。世界市場における需要が鈍化しているためで、貿易相手国の景気減速、米中貿易戦争、世界のエレクトロニクス製品市況が下降を続けていることと原油相場の下落が理由。また前年の同月には米国が中国からの輸入品に対する関税を引き上げる直前の時期に当たり、米国向け輸出が加速していたため、ハイベース効果が生じている。これらの結果、多くの商品カテゴリーで輸出は収縮を続けている。原油価格に連動する物品の輸出は価格と数量の双方で減少した。エレクトロニクス製品の輸出は9か月連続で収縮した。ただしハード・ディスク・ドライブ(HDD)の輸出は今後、改善する兆しがある。この月のHDDの生産は増加に転じている。マレーシアからの生産拠点の再配置が支援材料になっている。このほかに米中貿易戦争を受け、制裁関税が課される中国/米国製品を代替する製品の中国/米国向け輸出が伸びている。例えば車用タイヤ、冷蔵庫、TV受像機、衣料の米国市場向け輸出は増加し続けている。また高価格帯の自動車と二輪車の中国向け輸出も加速した。しかしながらこのようなプラスの効果は、その他の市場への輸出が減少傾向にあることを穴埋めするのには十分ではない。
 民間投資の指標は前年同期比で収縮した。設備投資が減少に転じた一方、建設投資は収縮を続けた。設備投資の指標では、資本財輸入と自動車の登録台数が減少した。建設投資の指標では全国の建設許可面積の減少が続いている。工業目的の土地以外で減少が続いた。建材販売数量の指標も低下した。不動産業の減速に合わせて主にコンクリート柱の販売が減少した。民間投資は季節調整済みの前月比でも減少した。
 移転金を除く政府支出は前年同月比で減少に転じた。経常的経費の執行額が減少した。主に国軍と警察庁の商品・サービスの調達額が減少したことによる。しかし中央政府の投資支出はわずかに拡大した。国道局の予算執行が増えた。また国営企業の投資支出も増加に転じた。タイ空港社、PTT社の投資予算執行額が増えた。
 物品輸入額は前年同月比で15・5%減だった。金地金を除けば8・0%減。原材料・中間財では鉄鋼、電子部品の輸入が減少した。鉄鋼の輸入減少は民間部門の建設投資の減少と自動車生産の減少が理由で、電子部品は生産と輸出の減少に連動して輸入額が減少した。また世界市場の原油価格の下落を受け燃料の輸入も収縮した。航空機・原油探査プラットフォームを除く資本財の輸入は通信機器、機械の輸入が落ち込んだ。民間投資の収縮に沿ったもの。民間消費の鈍化により消費財、自動車・同部品の輸入も減少した。
 外国人観光客数は前年同月比7・4%増と伸びが加速した。前年同月のプーケット県での観光船沈没事故の影響から比較ベース値が低くなっていたローベース効果に加え、中国、インド、台湾などからの観光客に対する到着ビザの手数料免除措置が貢献している。また香港デモの発生は中国人観光客が香港に代えてタイを旅行する契機になった。ただし欧州からの観光客は減少した。特にドイツ、ロシアからの観光客は両国の景気減速を受け、減少し続けている。
 経済安定性に関しては、一般インフレ率は0・52%となり、前月の0・98%から低下した。世界市場の原油価格の下落に伴い国内燃油小売価格が下落したことでエネルギー物価の下落幅が拡大したことと生鮮食品物価の下落が響いた。他方、コア・インフレ率は前月から上昇した。季節調整済みの就労者数は前月から減少した。非農業部門の雇用が減少した。特に輸出関連の製造業で雇用が減少している。季節調整済みの失業率は前月からほぼ変わらず。経常収支は黒字幅が増加した。貿易黒字の拡大による。資本収支は資産面と負債面の双方で出超となった。

PM2.5大気汚染
バンコク首都圏に再来
各地で危険水準値超え

 天然資源・環境省汚染管理局によれば、9月末から微小粒子状物質PM2・5の大気中の濃度は首都圏で再び危険値を超える水準に達している。29日の同局の発表では、1立米あたり50マイクログラムの基準値を超える測定値を示した観測所が首都圏で33か所に達した。
 29日の最高値はバンコーレーム区の78マイクログラム。都内ではディンデーン、ワントンラーン、パヤタイ、サートン、バンラック、パトゥムワン、トンブリ、ヤンナーワー、サムパンタウォン、チャトゥチャック、クロンサーン、バンコクノーイ、パシージャルーン、クロントイ、バンスー、ラクシー、バンケン、ブンクム、バンプラットの各区が基準値を超えた。1日にはバンパラット区が81マイクログラムで最高値を記録し、悪化が懸念されていたが、2日の公害管理局の公表では都内の濃度は概ね低下し、最高でもバンコーレーム区の52マイクログラムだった。1日夕方に降雨があったことが影響したもよう。
 大気の状況悪化の理由について、同局は最近雨量が減って早朝は風も止み、湿度が上がっていることなどから、粉塵が滞留しやすい環境になっていると指摘している。危険区域内では極力外出を避け、屋外での活動を自粛するよう呼びかけ、やむを得ず外出する場合には防塵マスクの着用を勧めている。
 教育省は職業教育委員会を通じて都内の専門学校に開発を依頼していた空気清浄機が完成、1日に都内の37か所の学校に配置したことを明らかにした。1台の価格がわずか2000バーツの特別仕様。クライスーム・トータップティアン教育省次官は「今は幸い学期休みのため影響は少ないが、年末年始には再び大気の状況が悪化する」と述べ、今のうちから準備を整えておく必要性を強調している。
 一方、バンコク都は都心各地に高さ4メートル、幅1・5メートル、重さ200キログラムの空気洗浄塔を設置する方針を決めた。都庁のチャートリー・ワタナカチョン環境課長が明らかにしたところでは、10月中に1号機をBTSサイアム駅周辺に設置する。この空気清浄塔はカセサート大学が民間企業と共同開発したもので、値段は1台530万バーツ。1台で約1000平米をカバーする。都庁では今後、ラーチャプラソン交差点、アソーク交差点、BTSの主要駅など24か所に随時設置していく予定。また民間の商業施設や企業、飲食店などにも設置を推奨していく。

シャープがブランド強化
白物家電でハイエンド商品

 シャープの家電販社、シャープ・タイは冷蔵庫、洗濯機、ヘアドライヤー、掃除機、電子レンジの5つの家電商品の販促活動を増やすことで、ブランドイメージを強化する。26日に開いた記者発表会で、これら5種の家電のハイエンド商品を発表した。プラズマクラスター冷蔵庫は、きれいな冷気が冷蔵庫全室を循環することで食品を清潔に保存できる。カラーウォッシュ洗濯機は衣服の色落ちがしにくく、節電効果が大きい。過熱水蒸気レンジは減塩、脱油の効果がある。掃除機はコードレス、ヘアドライヤーはプラズマクラスターを搭載する。
 来年3月末を期末とする今年度の目標売上高は100億バーツ。昨年度の売上高は前年比20%増で80億バーツを超えたという。これは業界全体の成長率2~3%増を大きく上回る。8Kテレビと空気清浄機が最も売れている商品で、特に空気洗浄機はバンコクとタイ北部での大気汚染で需要が拡大している。
 シャープ・タイは最近、人気女優のキンバリー・テイァムシリさんをプレゼンターに起用、5種の家電に対するシャープのブランドイメージを高めることを目指した広告キャンペーン「Unbox Smart Nature」を開始した。

チム・ショップ・チャイ
観光刺激の現金給付措置
ソムキット副首相が延長案

 ソムキット・チャトゥシーピタック副首相は30日、年末年始の個人消費を刺激し、観光業を促進するため、政府の1000バーツ現金給付政策「チム・ショップ・チャイ(食べる・買う・使う)」を年末まで延長する構想を明らかにした。この計画が国内観光業のハイシーズンにあたる年末まで延長されれば、観光を刺激するのに役立つと述べた。特に中国からの観光客数が伸び悩んでいる影響を穴埋めするのに役立つと説明している。ソムキット氏は「財務省が計画の予算と期間を増やす可能性を研究する」と語った。
 「チム・ショップ・チャイ」は現金給付とキャッシュバックによる観光刺激策で、政府の総額3160億バーツに及ぶ景気刺激策の一部をなす。18歳以上のタイ国民であれば、ウェブサイトにアクセスしてサインアップすれば、電子財布「パオタン」に1000バーツが入金されるほか、最大3万バーツまでのショッピングに対し15%のキャッシュバックを受ける資格を得る。
 このプログラムの登録は9月23日より始まっている。登録した消費者には3営業日内に確認のSMSが届く。財務省によれば、23日から26日までにSMSを受け取った消費者は311万5449人。入金された1000バーツを使えるようになった27日から29日までに実際に利用した者の数は37万523人、支出額は2億9400万バーツを数えた。内訳はOTOP商品販売店やコミュニティ企業の店舗、青旗店(政府公認廉価販売店)で商品購入の「ショップ」が1億4800万バーツ、レストランでの飲食の「チム」が6000万バーツ、宿泊などでの利用の「チャイ」が700万バーツ、一般商店での支出が7900万バーツだった。

大混乱の店舗が続出

 チム・ショップ・チャイで、買い物客が殺到して大混乱に陥る店が続出している。30日にバンコク・ポスト紙電子版が伝えたところでは、テスコ・ロータス・ラックシー店では、この政策に対応したレジが1か所しかなく、商品を大量に積んだカートの長蛇の列ができる騒ぎになった。
 待ちくたびれ、諦めて商品が入ったカートをそのままにして立ち去る人が続出、残された大量のカートの写真がネット上で流布して、「またシステム障害か」と噂が駆け巡った。これにはシステムを運営する国営クルンタイ銀行(KTB)が声明を発表して否定、「対応できるレジ数が少なすぎるのが理由だ」と説明している。
 政府の方針では同政策に対応したレジは各都県20か所までと規定しており、テスコ・ロータスでは都内20支店で対応したため、各支店で対応できるレジがそれぞれ1か所しかなくなってしまったのだという。
 この政策では2週間以内に支出しないと取り消されるため、消費者が店に殺到する事態になっている。

最近の更新 2019年10月15日
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