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週刊タイ経済
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バーツ高が進展
1ドル=30・2バーツに
株式市場も急騰

 景気が回復の兆しを見せる中、バーツ相場の急騰が新たな懸念材料に浮上してきた。バーツの対ドル・レートは1ドル=30バーツ台前半まで上昇し、10か月ぶりの高値をつけている。タイ中央銀行と財務省は11日、バーツ相場の動向について協議した。アーコム・トゥームピタヤパイシット財務相は、新型コロナのパンデミックにより観光業が打撃を受け続けているため、輸出が景気回復で重要な役割を果たすと指摘。バーツの動向は域内通貨の値動きと一致しているものの、タイ中央銀行にバーツの動きに「注意を払う」よう要請したことを明らかにした。
 13日、バーツの対ドル・レートは30・248バーツとなり、10か月ぶりの高値をつけた。タイ株式市場と債券市場に海外投資マネーが還流していることがバーツ高をもたらしている。米大統領選挙後、世界経済の見通しに対する楽観的な見方が広まっており、新興市場国の通貨全般が反発している。バーツは1ドル=33バーツ台まで下げた4月2日時点と比べてほぼ9%上昇している。
 カシコン・リサーチ・センター社(Kリサーチ)は、民主党のジョー・バイデン氏が次期米大統領に就任することがほぼ確実になったこと、世界経済の成長見通しに対する下振れリスクが低下していること、投資マネーがリスクの高い資産を物色し始めたことを理由にバーツは当面、強基調で推移すると予測している。
 バーツの上昇は投資マネーがリスク許容度を高めていることが背景にあり、世界中の株式市場が急上昇している。タイ証券取引所も例外ではなく、ファイザー社が開発中のコロナウイルスワクチン臨床試験の結果、予防に90%効果と発表した9日以来、世界中の株式市場で騰勢が続いている。特にコロナ禍で資産価値が大幅に減じていた観光関連株が買い進められている。SET指数は1300ポイントを回復した。10日のタイ株式市場は前日比55・36ポイント、率にして4・3%も上昇した。株価の急騰は出来高を伴うもので、この日の売買代金は1670億バーツを数えている。外国人投資家はこの日だけで180億バーツ以上を買い越した。ホテル、銀行、航空会社、ショッピング・モールなど観光関連株が大きく値を上げている。11日以降、株価は落ち着きを取り戻したが、13日のSET指数終値は前週比6・86%増となる1346・47ポイントで大引けた。1日平均売買代金は前週から86・68%増え、1101億9974万バーツとなった。13日も外国人投資家は約310億バーツを買い越した。
 投資家心理は強気に転じており、株価はSET指数が1200ポイントを割り込んだ10月末で底を打ったものと見られている。外国人投資家は引き続き買い越しを続けそうで、投資家が強気の心理を維持すればSET指数は年末までに1400ポイント台まで戻すとの楽観的な見方も出ている。一方で、ファンダメンタルズ(基礎的条件)を見れば、投資家心理の強気は一時的なものとの見方もある。ワクチン開発のニュースは好材料だが、量産時期は来年になる。コロナ禍は当分の間存在し続けると予想され、速やかな景気の回復は望めない。企業収益の正常化も21年後半になりそうで、株価の下値は切り上がったものの、一本調子での上昇は期待薄となっている。

富士通タイランド
サイバー・セキュリティ
オペレーションセンター

 富士通タイランド(三浦俊郎社長)は、サイバー・セキュリティのサービスを提供する「サービスとしてのセキュリティ・オペレーション・センター」(SOCaaS)を立ち上げた。企業のサイバーセキュリティ事案の監視、検出、通知、コンサルティングを提供する。顧客は高価なセキュリティ・ソリューションをインストールするために高い初期費用を支払う必要はなく、訓練を受けた専門家からトータルサポートを受けるためIT費用を低減し、サイバーセキュリティを効率的に強化するのに役立つという。強力なサイバーセキュリティを必要としているが、社内管理の準備ができていないか、余裕がない企業の需要を取り込んでいく。
 米系セキュリティ・インテリジェンス会社のログ・リズムが技術パートナー。脅威を正確に特定、監視、軽減し、顧客が対抗できるようにする。サイバー攻撃が発生した場合、攻撃再発を防ぐため、富士通のコンピュータ・セキュリティ・インシデント対応チームが調査、支援、アドバイスを提供する。21年のSOCaaSからの収益目標は2000万バーツ、22年には1億バーツを見込んでいる。

APホンダ
電動バイクの生態系
「グリーンウィン」開始

 APホンダはタイで最初の電動バイクのエコシステム(生態系)となる「グリーンウィン」プロジェクトを開始した。政府の電気自動車(EV)推進政策に呼応したもので、電動バイクの「PCXエレクトリック」を使ったパイロット・プロジェクトを市街地のバイクタクシーにも広げる。
 APホンダはキングモンクット工科大学トンブリ校との協力事業として、同校キャンパス内にバッテリー交換ステーションを含む電動バイクの生態系を構築したのを皮切りに、バイク宅配サービスのフラッシュ・エクスプレスと協力してPCXエレクトリックを使った電動バイクによる宅配事業のプラットフォーム開発にも取り組んでいる。
 木村滋利社長は10日の会見で、プラットフォームをタイ語で「ウィン・モーターサイ」と呼ばれるバイクタクシーに拡大したことを明らかにした。電動バイクのタクシー・プロジェクトは政府機関の支援を受けており、ホンダは「グリーンウィン・バイ・ホンダ」と命名した。APホンダは完全なEV生態系を構築するため、バッテリー交換ステーションを整備している。木村氏はこのプロジェクトがEV社会の始まりになると述べている。
 グリーンウィンは電動バイクとバッテリー交換ステーションを実用化するための実験的なEVプロジェクト。PCXエレクトリック50台と10か所のバッテリー交換ステーションを提供する。最初の交換ステーションはホリデイイン・バンコク・ホテル駐車場に設置された。グリーンウィン・サービスは一般に公開され、プロジェクトは11月から1年間実施される。

日本・台湾・韓国製
冷延ステンレス鋼
AD関税を5年更新

 商業省外国貿易局のギラティ・ラチャノー局長は10日、日本、台湾、韓国からの冷延ステンレス鋼のコイル、シート、ストリップに対するアンチダンピング(AD)関税をさらに5年間更新すると語った。AD関税は5年間にわたって課してきたが、国内鉄鋼産業の被害が少なくないことからさらに5年間延長することにした。
 タイでのこの種のステンレス鋼の販売価格が生産国よりも低く、国内の鉄鋼業界に深刻な打撃を与えているというのが理由。現在、タイは日本からのステンレス鋼にCIF価格の50・92%、台湾製に0~33・99%、韓国製に50・99%のAD関税を課している。
 一方、熱延コイルと非コイル製品に対するAD関税は見直し、現在の36%から引き下げる。ダンピングは継続されているが、鉄鋼産業の被害は深刻ではないか、大きな影響を受けていないことがわかったため。

WHAユーティリティ
MG工場駐車場に太陽光パネル

 WHAユーティリティ&パワー社(WHAUP)とSAICモーターCPは2日、ソーラー・カー・パーク開設を発表した=写真。WHAイースタンシーボード2工業団地(チョンブリ県シラチャー郡)にあるSAICモーターCP社のMGブランド車組立工場敷地内の駐車場スペースに太陽光パネルを敷設した。施工費は1億7500万バーツ。3万1000平米をカバーしている。
 総発電容量4・8メガワットの太陽光発電パネルは10月上旬から稼働している。WHAUPのニポン・ブンデーチャナンCEOは、このプロジェクトについてWHAの工業団地内外での屋上太陽光発電事業を拡大する計画の一環と説明している。同社が手掛ける屋上太陽光発電は42件、発電容量は48メガワットに達している。今年中に50メガワットの目標を達成する見通し。20年末までにWHAUPの持ち分発電容量は592メガワットに増える。
 SAICモーターCPのツァン・ハイボー社長は、地球温暖化の抑制に役立つ二酸化炭素(CO2)排出削減のため、ソーラーパネルを設置することを決めたと語った。
 自動車業界ではタイ国トヨタ自動車が25年までに温室効果ガス排出量を30%削減する計画を発表。サムットプラカンとチャチュンサオの工場にソーラーパネルを設置している。三菱自動車タイランドもチョンブリ県レムチャバン工業団地の自社工場にソーラーパネルを設置し、年間6000㌧のCO2排出を削減する計画を明らかにしている。

最近の更新 2020年11月25日
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