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週刊タイ経済
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大気汚染対策
自動車の排ガス基準
2年以内ユーロ5適合義務付け

 工業省工業経済事務局(OIE)のナッタポン・ランシットポン事務局長は30日、新たに販売される自動車に欧州排ガス基準ユーロ5を満たすよう義務付けると語った。主に自動車の排ガスから放出される微小粒子状物質PM2・5の削減につなげるためで、2年以内のユーロ5規格導入に向け準備を急ぐ。試算では年間3万7391㌧のPM2・5を削減できるという。またハイブリッド車など電気自動車(EV)生産の特別投資奨励で投資委員会(BOI)の投資奨励を受けた対象車両についてはユーロ6の基準を満たすよう求める。
 ナッタポン事務局長によれば、すでにタイ国内で販売されている自動車の一部はユーロ5基準を満たしている。ユーザーがユーロ5を満たした車両を求めやすくするため、規格を満たしたモデルにのみ認められるECOステッカーの有無をウェブサイト「www.car.go.th」で検索できるようにした。タイで製造されている車でユーロ5を満たしているのは乗用車の11モデル。輸入車は19モデルが適合している。
 国家環境委員会は2023年までにユーロ5基準を導入するとしているが、自動車メーカーにはこれを前倒しで実現するよう協力を求める。現在、適用されているユーロ4は微小粉塵対策としては不十分で大量のPM2・5が放出されるため、ユーロ5の適用開始時期を早める必要があると判断した。今後2年以内にすべての車がユーロ5に適合すれば、PM2・5の放出量は80%まで削減できるという。
 自動車メーカーはコスト増につながるため早期のユーロ5適用には難色を示してきたが、ナッタポン氏はユーロ5への移行にともなう追加費用を見積もったところ、メーカーが言うほど高い費用にはならないことが分かったとしている。
 一方、エネルギー省は1月15日に製油各社を呼んで、ユーロ5に適応する製油設備の改良について協議した。現在の基準は軽油、ガソリンともにユーロ4となっている。製油設備の改良には多額の設備投資が必要になる。
 ナッタポン事務局長は国内のすべての関連機関が環境政策を変更する時期が来たと述べ、ユーロ5ならびにユーロ6の基準は1、2年以内に適用するべきだと述べている。コスト高になるものの、すべての利害関係者が助け合えば、最終的には健康被害の社会費用を補って余りあると主張している。

BMTAのバス車両
B20燃料に切り替え

 政府はバンコクの大気汚染対策で、ディーゼル・エンジンを搭載するバンコク・バス公団(BMTA)路線バスの燃料を1日までにB20に切り替えた。B20燃料はレギュラー軽油よりも微小粒子状物質PM2・5の放出量が少ないとされる。
 31日にPTT本社で開いた記者会見には、アーコム・トゥームピタヤーパイシット運輸相、シリ・ヂラポンパン・エネルギー相も出席し、BMTAが供用する2075台のディーゼル・エンジン車両全てでB20燃料を使用することを宣言した。会見には日野モーター・セールス(タイランド)とトリペッチいすゞセールスの幹部も出席し、日野、いすゞが供給したバス車両がB20燃料に対応することを保証した。軽油にバイオディーゼルを20%配合したB20燃料はPTTオイル&リテール社が日量18万7000㍑を供給する。
 プラユット首相は1日、首都圏におけるディーゼル車の使用制限に言及した。首相は古くなったディーゼル・エンジンの排ガスが大気汚染の元凶であることは明らかだとし、国民にディーゼル車の使用を極力控えるよう協力を求めた。

タイ中銀の月例経済金融報告
1月31日の発表より

 12月のタイ経済は前月に引き続き拡大した。民間消費の指標は、伸び率こそハイベース効果から鈍化したものの、全ての支出カテゴリーで拡大した。他方、工業生産、民間投資は拡大基調が続いている。この月の外国人観光客数は順調に増えた。しかし物品輸出は再び収縮に転じ、政府支出も投資支出で収縮した。
 経済安定性については、一般インフレ率は低下した。主に国内燃油の小売価格と生鮮食品物価が下落したことによる。季節調整済みの失業率は前月からやや上昇した。経常収支は黒字基調が続いた一方、資本収支は出超となった。
 12月の景気動向の詳細は次のとおり。
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 民間消費の指標は前月に比べると伸びはやや鈍化したが、全ての支出カテゴリーで引き続き拡大した。伸びの鈍化はハイベース効果が一因で、前年の同月はサービスと耐久財の支出が高水準になっていた。購買力の支援要因は総じて上向いた。農林水産業の家計所得は、収量増を受け、特に稲作農家を中心に拡大に転じた。また非農林水産業の被雇用者の所得も高水準を保っている。民間消費が拡大した結果、工業生産も増加した。特に自動車、石油製品の生産が伸びた。自動車の国内販売台数の増加が寄与している。
 民間投資の指標は前年同月比で拡大した。設備投資が拡大した。国内機械販売高は多くのカテゴリーで増え続けている。商用車の登録台数も増えている。他方、建設投資の指標は収縮した。建設許可面積が減少したが、建材販売高は引き続き増加している。
 外国人観光客数は前年同月比7・7%増となった。ほぼ全ての主要観光客市場が拡大した。例えばマレーシア、インド、韓国、日本、ロシアからの観光客が増加した。加えてこの月には中国からの観光客数もプーケット県での観光船沈没事故以来、5か月ぶりに増加に転じており、上向く兆しを見せている。中国各地とタイを結ぶ直行便の新路線の開設や18年11月15日から始まった到着ビザ(ビザ・オン・アライバル)の手数料免除措置が寄与している。外国人観光客数は季節調整済み前月比で増加した。主に中国、インドからの観光客が前月比で増えた。
 物品輸出額は前年同月比1・6%減となった。金地金を除いた輸出額は2・0%減。多くの物品で輸出は収縮した。ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、スマートフォン、コメやパーム油を初めとする農産物・同加工品、太陽電池パネルや洗濯機などの電化製品は前年同月の数値が高水準にあったことでハイベース効果が生じた。米中貿易戦争、世界経済の減速、エレクトロニクス製品のサイクルが下降局面に入ったことなどによる世界市場における需要の鈍化の影響を受けたエレクトロニクス製品、天然ゴム、ゴム製品などの輸出額は収縮した。ただし原油相場に連動する商品の輸出は主に数量増から増加した。また自動車・同部品分野では特にタイヤの輸出が伸びた。中国製品の代替需要が生じた。
 物品輸入額は前年同月比で6・7%減となった。金地金を除いた場合では2・5%増。原材料・中間財では原油輸入が増加した。輸入価格の上昇と輸入数量の増加による。消費財では民間消費の拡大を受け半耐久財の輸入が伸びている。自動車・同部品では国内市場の拡大を受け乗用車と部品の輸入が増えた。
 移転金を除く政府支出は前年同月比でわずかに収縮した。投資的経費の執行額が減少した。国家戦略の下でのマスタープランに沿った投資計画の見直しが響いている。一方、経常的経費の執行額は増えた。主に人件費の支払いが増加している。
 経済安定性に関しては、一般インフレ率は0・36%となり、前月の0・94%から低下した。世界市場における原油相場の下落に連動して国内燃油小売価格が下落したことによる。加えて生鮮食品の価格も小幅下落した。主に野菜・果物の価格が下落した。コア・インフレ率は前月に近似した水準で横ばい。失業率は季節調整済みの前月比でやや上昇した。経常収支は黒字で、貿易収支、サービス収支ともに黒字となった。資本収支は出超。預金引き受け金融機関による外為ポジション調整のための海外預金と海外での民間企業向け融資での流出があったほか、タイ企業による海外直接投資での流出があった。
 18年第4四半期のタイ経済は第3四半期に引き続き成長した。民間消費の指標が全ての支出カテゴリーで上昇したことに代表される国内需要の拡大が寄与し、その結果、工業生産も拡大し、民間投資も設備投資が増えた。しかし政府支出は収縮した。主に投資支出が減少した。外需は成長が鈍化した。物品輸出が低迷した。他方、観光業は中国人観光客数が減少したものの、政府の観光刺激措置の成果から成長を遂げている。経済安定性では、一般インフレ率が前の四半期に比べて低下した。国内燃油小売価格の下落によるもので、またコア・インフレ率も下落した。失業率は季節調整済み四半期比で横ばい。経常収支は黒字を保ち、資本収支はネット・アウトフローとなった。

PM2・5の重金属
人体に危険な水準
NIDAの研究

 バンコク首都圏の大気中の微小粒子状物質「PM2・5」濃度が社会問題化する中、これに含まれる複数の重金属が深刻な健康被害をもたらす可能性を指摘する研究結果がこのほど発表された。
 発表したのは国立経営大学院(NIDA)防災管理開発研究所の研究チームで、大気中のPM2・5には少なくとも51種類の重金属が含まれており、中でもカドミウム、タングステン、砒素については世界保健機関(WHO)が定める基準を超えて健康に危険な水準に達していると報告している。シワット・ポンピアチャン研究員は、「現状では鉛については規制があって基準値以内に抑制することに成功している。今後は鉛以外の重金属についても同様の規制を敷いていくべき」と指摘する。
 同研究員は首都圏の大気汚染は車両、工場、日常生活の様々な活動が原因で、気候の短期的な変動で若干の数値の変動があっても基本的な状況は変わっていないという。例えば火葬で出る煙には人体の中に残存している多様な重金属を含んでいる。首都圏にある寺院の多くでほぼ連日のように遺体を火葬しており、「汚染源として軽視できない」と指摘している。また整備不良のディーゼル車が排出する多環芳香族炭化水素(PAHs)は発癌性物質を含んでいるという。

三菱自動車タイ
18年の新車販売21%増

 三菱自動車タイランドの一寸木守一社長は31日の年頭会見で、タイ国内市場でシェア10%の獲得を目標に掲げた。新モデルの投入、販売網の強化と顧客満足度の向上を進める。電気自動車(EV)に関しては、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)とバッテリー電気自動車(BEV)の生産で昨年末までに投資委員会(BOI)に申請済みであることを明らかにし、近く認可を得られるとの期待を表明した。
 昨年の三菱自のタイ国内新車販売台数は8万4560台に達し、前年実績を21・3%上回った。市場シェアは8・1%で4位。主力の1トン・ピックアップ・トラック「トライトン」は3万9984台を販売し、三菱自の販売台数全体の47%を占めた。昨年は完成車とノックダウンを合わせて34万700台をタイから輸出した。
 一寸木社長はタイで販売する全ての現地生産車種をユーロ5、ユーロ6の排ガス基準に適合させると述べている。現時点で全てのモデルがユーロ4基準を満たしており、エコカーの2モデルはユーロ5基準を満たしている。同社長は、ユーロ5、6へのアップグレードの準備はできていると述べているが、小売価格は値上げが不可避としている。同社長は工業省がユーロ5、6基準を義務付けるとしていることについて、政府、メーカー、販売業者での話し合いが必要と述べている。生産ラインの調整については、1年から2年の猶予期間で十分だとした。
 政府は微小粒子状物質の放出削減のため、軽油にバイオディーゼルを20%配合したB20燃料の普及を進めている。これについて一寸木社長は、バスやトラックには使用できるが、ピックアップ車にはまだ使用できないと述べている。

最近の更新 2019年02月11日
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