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週刊タイ経済
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国会両院合同会議
プラユット大将を首相指名
大差でタナトーン氏を破る
月内に新内閣が発足へ

 5日、国会両院合同会議はプラユット・チャンオーチャー大将を首相に指名した。プラユット首相の続投が決まったことで、6日から組閣作業が本格化している。閣僚人事を巡る対立は最終的に首相が決断を下し、今週中に組閣を終える見通し。新政権の本格始動は国会所信表明演説後で、7月にずれ込む。
 5日午前に始まった両院合同会議は、首相候補による方針演説の是非を巡る問題、首相候補の資格問題などで時間がかかり、両院議員の投票とその集計が終わったのは深夜0時過ぎだった。投票は議員1人1人が個別点呼に従って支持者を表明する公開投票の形をとった。
 首相として推薦されたのはパラン・プラチャーラット(民国の力)党が推す現首相のプラユット大将と新未来党が推すタナトーン・ジュンルンルアンキット氏の2人で、最終的な票数はプラユット支持が500票(上院249+下院251)、タナトーン支持が244票(下院244)、棄権3(チュアン下院議長、ポンペット上院議長、タイ矜持党所属下院議員1人)だった。
 最後まで党方針が決まらなかった民主党は、4日に会議を開いて5時間にわたりプラユット首相指名の是非について協議、最終的に執行委員と下院議員の投票により61票対16票でプラユット政権への参加を決めている。民主党はパラン・プラチャーラット党との連立交渉で農相、商業相、社会開発・人間安全保障相、副首相1、副大臣(教育、保健、内務、運輸各1)の8ポストを得ることや、新政府が現憲法の改正に動くことで合意を取り付けた。特に拘ったのは農相ポストで、アピシット政権で実施した農産物保証価格制度の復活を目指している。なおプラユット首相続投に反対していたアピシット・ウェーチャチーワ前党首は5日午前に議員を辞職した。
 ウィサヌ・クルアガーム副首相は6日、プラユット首相の国王認証のための上奏が同日になされたことを明らかにした。組閣に向けた作業はすでに始まっており、今週中には内閣の顔ぶれが出揃う見通し。同副首相によると、閣僚の国王認証前にその資格審査が内閣官房によってなされるため、新内閣の発足は6月下旬になる見込み。アセアン首脳会議が22日、23日に開催されることになっているが、この会議には現内閣で臨むことになる可能性もある。
 国王認証式後に内閣は正式に発足するが、実際に施政がスタートするのは国会での所信表明演説後となる。その時期は内閣発足後15日以内と定められており、7月となりそうだ。

経済3団体
新政権に協働呼びかけ
景気に先行き不安

 商業・工業・銀行の民間3団体合同常任委員会(JSCCIB)は、5日に開いた定例会合後、記者会見を開き、景気が下り坂にあるとの認識を示すとともに、新政権が産業界とより密接に協働し、景気対策に取り組むよう求めた。スパン・モンコンスティ・タイ工業連盟(FTI)会長は、新政権が発足すれば少なくとも半年に1度のペースで首相との会合を持ちたいと述べた。
 国家経済社会開発評議会(NESDC)事務局が発表した今年1~3月のGDP成長率は2・8%増にとどまり、最近の17・四半期で最も低い成長率となった。主に物品輸出の不振が景気の足を引っ張っている。景気の見通しは厳しく、JSSCIBも7月に経済成長率予測を下方修正することにしている。4月時点の予測では3・7~4・0%増の成長率を見込んでいたが、輸出の予想以上の失速を受け、その実現は困難になっている。特に物品輸出は前年比で3%増にも満たない可能性があると見ている。米中貿易戦争が世界貿易に及ぼす影響を考慮すると、タイの今年通年の物品輸出はマイナス成長となる可能性もある。スパン氏は経済成長を維持するためには、政府と民間部門がより緊密に協力する必要があると述べている。
 スパン氏は様々な業界で発生している技術革新が企業に調整を強いていることを指摘。時間はかかるかもしれないが適応することが必要だとしている。一方、カリン・サラシン・タイ商業会議所会頭は、労働者の職能開発が経済を引き上げる鍵になると述べている。
 JSSCIBは、新政権が発足すれば政治的不確実性が低下するため、下半期(7~12月)には民間投資が拡大すると期待している。ただしプリディ・ダオチャイ・タイ銀行協会会長は、米中貿易戦争がタイ経済にとって重大なリスクであることに変わりはないと指摘している。米中の緊張が緩和しなければ下半期にタイ経済が不振を極めるおそれがある。6月28、29日にはG20首脳会議の合間を縫って米中首脳の会談が持たれるものと予想され、スパン氏は米中協議の行方を密接に監視し、その結果を踏まえた上で、タイ経済の成長予測を発表すると述べている。

5G技術導入
ファーウェイ締め出さず

 国家放送通信委員会(NBTC)のタコン・タンタシット事務局長は3日、次世代通信規格「5G」の技術導入について、中立的な方針をとると述べた。タコン氏の発言は、米国が求めるファーウェイ外しに応じないことを意味する。タコン氏は、今年初めにバンコクで最初の5G実証試験センターが開設されて以来、方針は変わっていないとしている。
 バンコクの5Gテストベッドはチュラロンコン大学の協力を得て同大学構内に設けられている。NBTCは今後、コンケン大学、チェンマイ大学、ソンクラーナカリン大学にも新たなテストベッドを設ける計画で、8月までに3大学の工学部との間で覚書を取り交わすことにしている。  タコン事務局長によれば、この5Gテストベッドへの協力はファーウェイ、インテル、シスコ、クアルコム、IBMなどにも呼びかけたが、協力に同意したのは、国内の移動通信キャリア3社を除けばファーウェイのみだった。NBTCは3大学のテストベッドに26ギガヘルツの周波数帯域を割り当てることにしている。同事務局長によれば、コンケン大学は、農家の生産性を向上させるための技術開発に関心を示すなど、各大学で5G実証試験の目標は異なるという。
 5Gの実証試験はデジタル経済社会省も進めている最中で、カセサート大学シラチャー・キャンパスにデジタル・エコノミー振興機構(DEPA)がテストベッドを設けている。ファーウェイはこのプロジェクトに協力し、500万ドルを投資している。

サハ・グループ・フェア
27日からBITECで開催

 消費財大手のサハ・グループは6月27日から30日にBITEC展示場で毎年恒例のサハ・グループ・フェアを開催する。4日にグループのICCインターナショナルのブンキアット・チョークワタナー会長、サハパタナピブン社のブンチャイ・チョークワタナー会長、サハ・グループ総帥のブンシット・チョークワタナー会長らが記者発表した。
 ブンシット会長は政治的不確実性がグループの投資意思決定を左右する重大な懸念になっていると述べている。特に総選挙を経て新政権の発足が遅れていることを憂慮している。また新政権が低所得者の購買力を刺激し、バーツ高を抑制することを望んでいるとした。
 グループは下半期(7~12月)より投資を再開する方針だが、消費財分野での事業拡張よりは、サービス、ホテル、不動産事業に注力する。
 サハは双日と提携し、新たな工業団地を開発する。双日はすでにベトナムやインドネシアに投資している日本の企業を対象とした、新たに開発する工業団地への誘致でも協力する。また東急と組んでチョンブリ県シラチャー郡のJパーク・コミュニティモールの裏手に総戸数200戸のコンドミニアムと100室の4~5つ星ホテルを開発する。両プロジェクトともに設計段階にあり、今年後半に建設に着手する予定。このほか都内ラーマ3世通り沿いの24ライの土地にキングスカレッジ・インターナショナルスクールを建設する計画も進める。

ベータグロ
今年は15%増収見込み

 アグリ・食品大手、ベータグロ・グループのソムサック・ブンラープ最高執行責任者(COO)=写真左=は、今年の売上高が前年の490億バーツから15%増の530億バーツに拡大するとの見通しを明らかにした。その3割は24%増を期待する輸出による。
 輸出を牽引するのは冷凍鶏肉と、飼育過程で抗生物質を使用しない鶏肉を原料とする「Sピュア」ブランド商品で、年間で前年比12%増の9万7580トンの輸出を見込む。主な輸出先は香港、シンガポール、日本、中東など。
 これまでの2~3年間は、飼育過程での脱抗生物質化、脱ホルモン化などを推進して農場での飼育体制の改善に力を入れてきたが、今年からは工場での加工過程の改善にもっと目を向けていく方針。ロッブリ県で6億バーツを投じた新工場を建設中。9月には完成する見通し。新工場では日本向けの照焼チキンを主に生産する計画で、生産能力は年間約3000トンを想定している。
 ソムサックCEOは、畜産品の価格が上昇傾向を見せていることは歓迎しつつも、伝染病の蔓延による壊滅的な打撃が出る恐れを常に念頭に置くべきことを強調している。
 グループの工場は現在30か所あり、昨年の総収入は900億バーツ。その8割は国内販売によるものだった。また収入の6割は食品販売による。

最近の更新 2019年06月17日
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