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週刊タイ経済
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タイ中央銀行
緊急会合で利下げ決定
政策金利年0・75%に
流動性確保で長期金利急騰

 タイ中央銀行の金融政策委員会(MPC)は20日、緊急会合を開き政策金利の0・25%幅での引き下げを全会一致で決定した。23日付けで実施する。世界各国の中央銀行が同日に緊急会合を開き、緊急利下げや流動性供給の措置を打ち出したことに協調した。政策金利は年0・75%となり、過去最低を更新する。新型コロナ・ショックでタイ国内のマーマネーマーケットも流動性危機が迫っており、タイ中銀は金融市場の正常な機能を保つため、十分な資金供給で市場を全力で支える方針だ。
 MPCが緊急会合を開くのは2003年以来。次回会合は25日に予定されていたが、国内での新型コロナウイルス感染者の急増、海外からの入国制限や国内での一部商業活動制限の発動で、長期金利(国債利回り)が急騰したことを受け、利下げを前倒しして決定した。債券市場では先週初めより外国人投資家や国内機関投資家による長期債売りが急増し、国債利回りの上昇が続いた(価格は下落)。グローバル・マネーマーケットの動揺から信用収縮の動きが加速し、投資家はリスク資産を売って、現金の確保に動いている。
 債券市場は流動性の低下を受け、短期、長期ともに債券利回りが上昇している。10年債の利回りは一時、年0・83%まで下げていたが、直近の利回りは年1・68%まで上昇していた。大手商銀の幹部によれば、銀行間取引でも資金は逼迫している。通常なら1、2時間で資金を確保できるが、今は半日かかるようになっているという。
 ワチラ・アロムディ中銀総裁補は17日、債券市場の流動性低下を受け、中銀が市場介入したことを明らかにした。債券市場では、リスク回避のための国内外の投資家からの売りが殺到しており、中銀が引き受けた。同総裁補は、中銀が約350億バーツを債券市場に供給したことを明らかにしている。中銀はその後も債券市場での国債買いを続けており、国債などの買い取り額はこの週だけで1000億バーツ規模に達したもようだ。証券会社の幹部によれば、国内機関投資家による債券売りは、富裕投資家からの投資ファンドの解約が殺到していることが背景にあるという。一方、タイ債券市場協会によれば、3月初めから17日までに外国人投資家は615億バーツを売り越した。
 中銀は従来、タイ中央銀行債の発行を通じて流動性が過剰になっている債券市場からマネーを吸い上げていたが、現在はマネーを供給する側に役割が変化している。中銀が資金の供給側に回るのは08年のリーマンショックや11年のタイ大洪水以来。
 タイ外為市場でもドルの流動性が低下し、中銀は外為市場にも介入してドルを供給した。中銀は3月初めより外為市場でドルの供給を続けており、3月13日時点における外貨準備高は前週比で71億㌦も減少している。
 多くのエコノミストは1~3月のGDPがマイナス成長になるのは避けられないと見ており、景気後退(リセッション)が現実味を帯びている。MPCは20日の声明で、緊急利下げで経済への影響は緩和され、すでに実施されている、または今後実施される財政措置によって強化されるとした。新型コロナ流行の影響を受けている債務者の利息負担を軽減し、金融市場の流動性の確保につながると見ている。
 MPCは予定どおりに25日の定例会合を開き、引き続き金融政策を検討、新たな経済予測も発表することにしている。
 

水道・電力料金
期間限定値下げ措置

 政府は17日、水道・電力料金の4~6月の3か月間に限定した3%割引などを含む国民の生活費負担軽減措置導入を閣議決定した。閣議後の記者会見でナルモン・ピンヨーシンワット報道官が明らかにした。
 水道、電力で一律3か月間3%の割引を実施するほか、ホテル、その他の宿泊施設などの特定施設については4月、5月分の料金の支払期限の延長に応じる。通常支払いが延滞した場合にはこれらの施設には利息が課されたり、断水・配電停止などの強硬措置が取られているが、両月分については6か月間の猶予期間を与える。
 また一般住宅と小規模事業所が支払っている電力量計のデポジット金は返済する。対象者は全国2217万戸で、返済される保証金の総額は312億バーツ。首都電力公団または地方電力公団のウェブサイトから還付手続きをとる。水道メーターのデポジット返済は全国570万戸が対象となる。

工業省
消費財メーカーと協議
供給に問題なしを強調

 工業省は18日、タイ工業連盟(FTI)やタイ商業会議所(TCC)に加盟する消費財を製造する民間企業やタイ小売協会の代表を呼んで会議を開き、食料品などの供給態勢を確認した。会議にはソムキット・チャトゥシーピタック副首相=写真左、スリヤ・ジュンルンルアンキット工業相も出席した。
 民間からは、味の素(タイランド)、タイ・ビバレッジ社、チャルーン・ポーカパン・フーズ社、サハパタピブン社、ユニリーバ・タイランド、セントラル・グループ、ダッチミル、タイ・プリザーブド・フーズ、ブンロード・ブリュワリー、ネスレ(タイ)、ビッグC、トップス、マクロ、7イレブンやその他FTI加盟の食品メーカーが出席した。
 新型コロナが世界的に流行し、タイを含む世界各国で消費者による加工食品、医薬品、その他生活必需品の買いだめの動きが広まっている。スリヤ氏は「タイには国民を養うのに十分な食料と加工製品がある。タイは食料の輸出国で、食料不足を心配する必要はなく、買いだめでパニックにならないように」と語った。タイは世界第11位の食品輸出国で、アジアでは中国に次いで2番目。
 工業省によれば国内には食品・飲料の工場が5万3642か所ある。農産物の加工工場が4万3725か所、加工食品工場が9102か所、飲料工場が815か所ある。その生産量は金額にして年間3兆バーツに上る。消費者が買いだめしようとしているコメは1872万トンが生産され、国内需要の1150万トンを上回る。即席麺は日産1000万袋の生産能力があり、1500万袋まで増産可能。生産能力は月間2万9500トンに上る。現在の設備稼働率は79%。魚缶詰は月間2万2679トンの設備能力があり稼働率は50%。飲料水は月間4億4400万リットルの設備能力に対し、稼働率は67%。各種調味料は月間790万リットルの設備能力に対し、稼働率は96%となっている。
 小売業者は店頭での食料品の品不足を避けるため、10輪トラック、6輪トラックなどの大型トラックによる商品搬入で通行規制の緩和を要請した。バンコクの都心部には10輪以上のトラックは午前10時から午後3時まで、トレーラー・トラックや危険物を搬送するトラックは午後9時から午前6時までしか進入できない。ソムキット副首相は善処を約束、規制緩和に向け運輸省と折衝すると述べた。

今年の自動車生産台数
190万台に下方修正
FTI

 タイ工業連盟(FTI)自動車部会のスラポン・パイシットパタナポン広報担当は19日、今年のタイの自動車生産台数が200万台を割り込み、190万台にとどまるとの予測を明らかにした。世界経済とタイ経済の減速見通しから2019年実績比で5・65%減を見込む。輸出向け生産は前年実績の103万7164台から8・4%減となる95万台、国内市場向け生産は前年実績の97万6546台から2・72%減となる95万台と予測した。
 FTI自動車部会が発表した2月の自動車生産台数は15万604台で、前年同月実績を17・73%下回った。国内市場向けと輸出市場向けの双方で落ち込んだ。1~2月の生産台数は30万6870台で、前年同期比15・38%減だった。
 2月の乗用車の生産台数は5万8896台、前年同月比20・5%減。トラックは9万1690台(15・74%減)で、うちPPVを含むピックアップ・トラックは8万9305台(16・05%減)だった。
 2月の輸出向け生産は8万3385台で、同月の生産台数全体の55・37%を占めた。前年同月比では15・55%減。国内市場向け生産は6万7219台となり、前年同月を20・29%下回った。
 2月の完成車の輸出台数は9万5191台にとどまり、前年同月比では5・33%減となった。輸出額は474億6373万バーツで同3・24%減。
 一方、2月の国内販売台数は6万8271台で、前年同月比17・1%減少した。

重機販売のAVNが販促
KATOショベルカー

 重機販売のAVNモーター・ワークス社は加藤製作所製のショベルカーを販促している。AVNは創業26年で、CASE、JCBなどの重機を扱ってきたが、このほど加藤製作所と契約、ハイドロリック型キャタピラ・ショベルカー3モデルを発売した。
 AVNのアピチャート・チャイジャルーンスックカセーム社長は、販売網も現在の17店舗から35店舗に3年かけて拡大する方針。今年発売する3モデルは21トン、13トン、5・5トンで、21トンは399万バーツの販売価格を設定、頭金10%の48回払いや3年間、6000時間の保証期間設定などの条件を用意する。現金で購入した顧客には20万バーツの値引と保証期間4年間、日本旅行への招待などの特典が付く。

最近の更新 2020年03月30日
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