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週刊タイ経済
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EV産業の振興・普及で
国家委員会設置を提言
自動車インスティチュート

 タイ自動車インスティチュートのアディサック・ローヒッタスン所長代行は19日にジェトロと共同で開催した電気自動車(EV)の規則と標準に関するワークショップで、EVの普及推進のため国家委員会の設置を提言した。工業、エネルギー、財務、デジタル経済社会の4省、研究機関、自動車メーカーを含む官民の関係者で構成する「国家次世代自動車委員会」の設置を提案している。
 アディサック氏は、政府がEVをターゲット産業の1つに認定しているものの、自動車各社がEV生産に本腰を入れていない現状を指摘している。EV生産に対する投資奨励は投資委員会(BOI)が2017年3月に開始しているが、自動車大手によるバッテリーEV生産での投資は多くない。自動車メーカーがバッテリーEVの生産で投資申請した場合、2020~22年にかけて物品税が免除され、その後税率は2%に上昇することになっている。プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は4%の物品税がかかるものの、2つのEVを比べた場合、バッテリーEVに対する特典は魅力的でないように映る。物品税免除特典を付与されたメーカーは3年以内にバッテリーEVの生産を開始しなければならない。
 タイは東南アジアで最大の自動車生産国で、EV生産のハブになることを目指している。自動車インスティチュートは2030年時点での自動車生産台数の目標を250万台に置いており、このうち15%をバッテリーEVが占めると見ている。アディサック氏は、政府は需要と供給の両方に魅力的な特典やインセンティブを与えてEV産業を促進すべきだと指摘した。
 タイ国内のEV市場は2016年時点で9606台だったのが、17年には1万1983台、18年には2万204台に増えている。今年は1~9月合計で2万678台のEVが登録されており、通年では3万台に迫る勢い。
 ワークショップの議長を務めたアティタット・ワシーノン工業経済事務局副事務局長は、自動車業界の次のステップはA・C・E・S(オートメーション・コネクテッド・エレクトリック・シェアード)だと指摘。また日本の自動車メーカーがタイの自動車工業において重要な役割を果たしてきたと述べている。

10月の自動車生産台数
前年同月比22・52%減

 タイ工業連盟(FTI)自動車部会が20日に発表した10月の自動車生産台数は15万2787台で、前年同月実績を22・52%下回った。1~10月合計の生産台数は172万5414台で、前年同期比で4・21%減少した。国内市場と輸出市場の双方とも落ち込んでいることが理由。通年の生産台数は当初見込みの215万台を下回る200万台程度にとどまる見通しだ。
 10月の完成車の輸出台数は8万5552台、前年同月比では8・34%減となった。輸出額は460億6554万バーツで同4・99%減。アジア、中東、中南米向け輸出は伸びたものの、その他の市場向けが落ち込んだ。1~10月合計の輸出台数は90万6653台(4・78%減)、輸出額は4690億246万バーツ(6・08%減)だった。
 一方、タイ国トヨタ自動車が21日に発表した10月の国内新車販売台数は7万7121台にとどまり、前年同月実績を11・3%下回った。金融機関による与信審査厳格化が新車市場を圧迫している。また地方県での洪水の発生も購買力の低下をもたらした。乗用車の販売台数は3万327台(7・6%減)、商用車の販売台数は4万6794台(13・5%減)だった。商用車のうちピックアップ・トラックの販売台数は3万7357台(14・8%減)。
 1~10月合計の販売台数は83万8968台で、前年同期比0・7%増となっている。

NESDC GDP統計
7~9月期経済成長率2.4%増
前四半期比では0.1%増
民間消費4.2%増、投資2.8%増が牽引

 国家経済社会開発評議会(NESDC)が18日に発表した2019年7~9月期のGDP成長率は前年同期比2・4%増となり、前の四半期(4~6月期)の同2・3%増をわずかに上回った。ただし季節調整済みの前四半期比ではGDPは0・1%増にとどまっている。1~9月期のGDPは前年同期比2・5%増となった。
 支出面では民間消費が経済成長を牽引した。民間投資は加速し、政府消費支出も拡大した。一方、物品輸出は世界経済の減速と貿易戦争の影響から収縮した。民間消費は7~9月期に前年同期比4・2%増となり、前の四半期の同4・6%増に引き続き拡大した。低金利、低インフレ率、低失業率に加え、主要農産物の価格が上向いていることや政府の低所得層援助措置が寄与した。この四半期における家計消費支出の増加は、支出分野の多くの指標の拡大に示されており、中でも家計の電力消費量、ガソリン・ガソホール・軽油販売数量、衣料品の輸入数量の指数がそれぞれ順に8・3%増、4・7%増、5・0%増を記録した。一方で乗用車の販売台数は6・5%減となった。消費者信頼感指数は60・8ポイントで前の四半期の64・8ポイントから悪化した。政府消費支出は1・8%増で、前の四半期の1・1%増から加速した。この四半期の予算執行額は歳出予算全体の21・0%となり、前年同期の20・5%を上回った。
 総資本形成(投資)は2・8%増で、前の四半期の1・9%増から加速した。民間投資は2・4%増で、前の四半期の2・1%増に引き続き拡大した。設備投資は3・1%増、建設投資は横ばいだった。政府部門の投資支出は3・7%増。前の四半期の1・4%増から加速した。政府の投資支出が5・6%増となった一方、国営企業による投資は0・8%減だった。この四半期の投資予算の執行率は21・6%で、前の四半期の16・8%、前年同期の19・9%を上回った。
 物品輸出額は7~9月期に632億9500万㌦、前年同期比4・2%減となった。輸出数量は4・2%減少した。また輸出価格は0・4%下落した。輸出額が増加したのは砂糖(5・1%増)、自動車部品(0・3%増)、ピックアップ・トラック/トラック(0・5%増)、自動二輪車(19・5%増)、エアコン(4・0%増)、果物(41・4%増)など。輸出額が減少したのはコメ(35・1%減)、タピオカ製品(27・3%減)、天然ゴム(3・9%減)、集積回路・同部品(8・4%減)、機械・機器(7・2%減)、ゴム製品(14・2%減)、乗用車(4・4%減)、コンピュータ・同部品(10・6%減)、石油製品(29・3%減)、化学薬品(18・8%減)など。
 7~9月期の物品輸入額は553億3300万㌦で、前年同期比6・8%減。輸出の減少に連動したもので、輸入数量は6・6%減、輸入価格は0・2%の下落だった。

工業省が旱魃対策
工場廃水を農業用水に

 工業省工場局は、旱魃で不足が懸念される農業用水への転用が可能な工場廃水の再利用システムが有効に機能するよう、対象となる全国の工場の廃水処理の監督を強化する。対象となる工場は食品加工関連12業種(食肉、水産品、野菜・果物加工、動植物由来の製油など)に従事する7621工場で、農業用水として再利用できる水準まで浄化処理を徹底させるとともに、汚水をそのまま垂れ流しする工場がないように取締を強化していく。
 再利用するのはサトウキビ、メイズ、パーム椰子、キャッサバ、緑豆などの換金作物を栽培する農家。農家の希望があれば、転用できる工場廃水にはまだ余力があるため割当量を増やすことは可能だという。
 工場廃水の農業用水への転用政策は、排水を厳しく規制していた食品加工関連工場の規制緩和措置の一環として、2016年に同省が農業部門への水供給を促進する目的で導入した。引水に際しては対象農家と当該工場との間で明確な合意覚書が締結されていることや、引水する農地の証書があること、周辺に漏水しない畦があることなど細かな条件が定められている。

日産自動車タイランド
向こう3年で100億B投資

 日産自動車タイランドは今後3年間で100億バーツを投じる計画があることを明らかにした。14日に催された新型「アルメーラ」の発表会の席でラメシュ・ナーラーシムハーン社長が明らかにした。計画はまだ暫定的なもので、細部を見直す可能性はあるという。
 日産はバンナー・トラート道路21㎞地点にあるサムットプラカン工場で乗用車とピックアップ車を生産しており、設備能力は年間29万5000台。従業員数は約5000人。タイでは「ナヴァラ」「ティアナ」「テラ」「ノート」「アルメーラ」「マーチ」「シルフィー」「Xトレイル」「リーフ」の各モデルを販売している。同社長は今後、生産ラインの拡張と雇用拡大を進める意向を表明している。
 2012年に始まった中期計画では総額110億バーツを投じたが、そのほとんどは第2工場のピックアップ車生産能力の拡大(7万5000台分)に振り向けた。日本以外では3か所目となる試験センター(日産テクニカルセンター)も建設した。
 現在、日産は投資委員会(BOI)からハイブリッド・eパワーテクノロジー開発事業(投資総額109・6億バーツ)とeパワー車用バッテリー組立ライン(同4・7億バーツ)の2事業の認可を受けている。エコカー生産では年間12万台の生産枠を2007年に取得、総額55・5億バーツをかけて生産ラインを設けた。14年にはさらに68・6億バーツを投じて年間12万3000台のエコカーと200万台分の部品生産ラインを設けている。ただ第2次生産計画(エコカー2)については日産は今年に入るまで生産を見合わせており、今回の新型アルメーラが最初のモデルになる。15年に満了したエコカー1は50万台以上を生産して必要条件を満たしている。同社長はアルメーラの生産を急ピッチで進めて、来年には国内だけでなく、アジア・オセアニア地域に輸出していく考えを表明している。

最近の更新 2019年12月02日
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