１７日付のタイ地元各紙は、近く内閣改造が実施されると一斉に報じた。各紙報道を総合すると、入れ替えポストは１６～１９に上る大規模なものになり、財務、商業、工業、エネルギー相など、主要経済閣僚ポストも対象になるもよう。各紙が取り上げた新閣僚候補の顔ぶれを見ると、親タクシン派「反独裁民主統一戦線（赤シャツ）」幹部が入閣するとされるなど、インラック改造内閣はより一段とタクシン元首相に近い人物で固められる公算が大きい。

　反タクシン派が不買運動を行うなど、昨年の総選挙後、親タクシンの立場を明確にしている地元紙マティチョンは、首相が１６日付で閣僚名簿を国王に奏上したとし、改造内閣について詳細に伝えた。ただ、国王奏上は週内になる予定だとした新聞もある。

　同紙によると、経済閣僚ではティラチャイ財務相が外れ、キティラット副首相が財務相を兼務。エネルギー相には前タイコム最高経営責任者（ＣＥＯ）のアラック氏が起用され、ブンソン副財務相が商業相に就く。昨年の選挙活動中、インラック首相の演説内容を書くなどＰＲ活動の黒子役を務め、タイ貢献党を大勝に導いたニワッタムロン氏は、首相府相候補となっている。

　その他の地元紙によると、スカムポン運輸相は国防相に横滑りし、ユタサック国防相は副首相に昇格、コウィット副首相（治安担当）が外れる。ワンナラット工業相も閣外へ出るが、同じ国民発展国家貢献党から後任が指名される見通し。洪水被害で批判が集まり、交代が取り沙汰されたティラ農協相の処遇は不明のまま。

　また昨年の反政府デモを主導した赤シャツ幹部のナタウット氏が入閣する方向で、首相府相と伝えた報道もあるが副農協相ポストが有力視されている。


日付 : 2012年01月17日

By : 時事速報