インラック改造内閣は２３日夕、国王に拝謁し、宣誓式を経て正式発足する。タイ国営通信（ＴＮＡ）によると、インラック首相は２１日、首相府相として起用するナリニー前タイ通商代表の処遇に関する地元記者団の質問について、「再調査を行う」と答えた。ナリニー氏をめぐっては、与党タイ貢献党からも、起用を見送るよう求める声が浮上している。

　米財務省は２００８年、ナリニー氏がアフリカ・ジンバブエのムガベ大統領と密接な関係があるとして、「ブラックリスト」に載せた経緯があり、タイではこうした人物を入閣させることを問題視する見方が広がっている。首相はこれまで、ナリニー氏の起用は憲法に照らしても問題はないと話していたが、２１日の記者団の質問に対し、もう一度調べると述べた。

　一方、ナリニー氏は２２日記者会見し、首相府相を辞退する考えがないことを明らかにした。同氏は０２年にムガベ大統領夫妻と知り合い、ブラックリストの件を知った０９年に米国側に問い合わせを行っているという。同氏は、多くは誤解だと話し、仕事のチャンスを与えて欲しいと述べた。


日付 : 2012年01月23日

By : 時事速報