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冠水した7工業団地 堤防建設の低利融資進む

 ソムチャイ・サッチャポン財政局長は一月三〇日の月例経済財政報告の記者会見で、先の大洪水で冠水したアユタヤ、パトゥムタニ両県の7つの工業団地の洪水防止対策資金融通で、与信枠の3分の2がすでに実行されたことを明らかにした。7工業団地には輪中堤の建設のため、国が利子補給して政府貯蓄銀行(SCB)が融資を実行する総額150億バーツの低利融資プログラムが設けられている。金利は最初の7年間が0・01%で、返済期間は7年だが、工業団地デベロッパー側の要望を受け、15年に延長することを検討している。ただし8年目から15年目までは通常の市場金利が課される。

 ソムチャイ局長は、工業団地運営会社の金融負担を減らすのに役立つと思うと述べている。同局長は、デベロッパーの金融コスト軽減よりも、チャオプラヤ川沿いにある工業団地に対する信頼感を補強することが最大の狙いだと説明している。工業団地デベロッパーは堤防建設費の一部も補助してほしいと陳情しており、政府も前向きに検討している。ただ法律上、国家予算を民間部門に対して使用することには制約があるため、法律の枠内での可能な解決策に取り組んでいるとした。工業団地が築く堤防を地元の自治体に譲渡して共有財産にするなどの方法を提案している。同局長は法律を迂回するような試みはまったくなされていないことを強調する一方、多額の資金負担を強いられるデベロッパーを助けるための施策が必要だと説明している。

 財政局は大洪水の影響で一一年最終四半期のGDPが5%減になったと見積もっている。この結果、一一年通年の成長率は1・1%増まで低下したものと見ている。しかし経済成長率は、一二年最初の四半期には2%増へと上向き、最終的に一二年通年で5%増まで回復すると予測している。一二年最終四半期は、前年同期のGDPが低いことによるロー・ベース効果から成長率は7%増に達すると予測している。欧州の債務危機による世界経済の減速など多くの否定的な要素があるものの、ソムチャイ局長は通年で5%増の成長は達成可能だとしている。

 ソムチャイ局長は、0・8%となっている失業率は完全雇用に近いものであり、自然な失業率の2%をかなり下回っていることを強調。インフレ率も低下し始めていることを指摘している。


日付 : 2012年02月06日

By : 週刊タイ経済

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