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タイ洪水対策で高精度の航空レーザ測量実施 JICAと日本の大手3社

 国際協力機構(JICA)タイ事務所は29日、タイの洪水対策の一環として同国の詳細な地形データを把握するため、航空レーザ測量調査を実施すると発表した。日本の航空測量大手3社と共同で実施するもので、同国中央部を流れるチャオプラヤ川流域の2万5000平方キロメートルの調査を行う。日本の四国(約1万9000平方メートル)を上回る大規模な調査となり、こうした取り組みは日本国内でも実績がないという。セスナ機4機を同時飛行させ、今年5月までに測量を終え、データ加工も7月に完了させる予定だ。

 JICAタイ事務所は、同国政府の要請を受け、将来に向けた治水計画の策定など洪水対策への協力を行っている。同国政府と同事務所は、「洪水対策マスタープラン」の具体化に向けた作業やインフラ整備設計に着手しているが、そのためには昨年の洪水発生・拡大のメカニズムの分析や、将来の洪水の流れを予測するための詳細な標高・地形データが必要。しかし、現在の地形データは標高差2メートルの精度のため、JICAは、「平たんなチャオプラヤ川の中・下流域の検討には不十分」とし、航空レーザ測量が必要と判断した。

 JICAは今年1月、航空測量大手のパスコ、国際航業、アジア航測の共同企業体と契約し、このほど測量に向けた準備が整ったという。集められるデータの精度は、標高差15センチ程度。JICAは、「今回の航空測量は、オールジャパンでの取り組みであり、今後の洪水対策の検討に十分に活用できる地形データを作成する」としている。


日付 : 2012年03月01日

By : 時事速報

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