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工業団地の輪中堤建設差し止めを要求へ 環境団体「住民生活に影響」

 洪水被害を受けた工業団地で進む輪中堤(防水堤)の建設差し止めを求め、タイの環境保護団体などが同国中央行政裁判所に訴訟を起こす計画だと伝えた。輪中堤が水の流れを変え、周辺の一般住宅に影響を与える可能性があるとしている。

 訴訟を計画しているのは、環境保護団体は「ザ・ストップ・グローバル・ウォーミング・アソシエーション(SGWA)」と、中部アユタヤ県の工業団地周辺の住民ら50人。同団体は、タイ裁判所が2009年9月、東部ラヨン県マプタプト工業団地とその周辺プロジェクトの稼働や建設工事の一時停止を命じた訴訟の原告。昨年には、バンコク北部に設置された大型土のう「ビッグバッグ」によって周辺住民が影響を受けたとして、政府を相手取り訴訟を起こしている。

 昨年の洪水では、アユタヤ県などタイ中部で7工業団地が浸水被害を受けた。各団地は、被害の再発防止に向け、団地周辺を高さ5.5~6メートルの輪中堤で囲う工事を進めている。輪中堤の全長は団地の大きさによって異なるが、小さい団地で8.5キロ、大きい団地では77.6キロに及ぶという。

 団体代表者は、「工業団地の輪中堤によって水がせき止められ、周辺の水位が上昇し一般住宅が被害を受ける可能性がある」と指摘。共同体の権利などを定めた憲法67条に違反していると訴えている。

 タイ政府内の見解は分かれているもようで、天然資源・環境省の政策計画事務局長は、タイ工業団地公社(IEAT)に環境への影響調査を求めていると説明。一方、工業省次官は、「輪中堤建設は法律に沿って建設しており、地域社会に何ら被害を与えることはない」としている。


日付 : 2012年03月05日

By : 時事速報

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