政府は国王陛下の助言に応じて、上北部での植林を急ぐとともに、現在の状況に合わせてダムの水量調節を変更する方針だ。国王陛下は洪水防止手段として植林の重要性を強調されており、ジンラック首相は８０００万本の苗木を植えるため、関係部局による会議を開くことを明らかにしている。陛下は植林にあたっては成育の早い柔木と常緑堅木を混ぜることで森林の保水能力は高まると訓示なされている。ジンラック首相は、植林を進めるため森林開発公社を設けるとした洪水復興・未来建設戦略委員会（コーヨーオー）の構想も検討していく考えを示している。

　政府は今後、５年間で７００万ライの森林を再生することを目標に定めており、３０億バーツの予算を配分する。国立公園・野生動植物局が４００万ライの再生に２０億バーツ、森林局が３００万ライ超の森林再生に１０億バーツを使う。政府は森林を違法に伐採する者は厳罰をもって厳しく取り締まることにしている。国王陛下は森林伐採に強いご懸念を表明なされており、違法伐採を許している腐敗した役人を厳しく処罰するようお求めになっている。洪水復興・未来建設戦略委のウィーラポン・ラーマンクン委員長は、森林再生と保全に取り組むため政府、民間、地域社会と地方自治体が共同出資する公社の設置を提案している。
　
　ジンラック首相はまた、ダムの水量について水不足が生じないよう、必ずしも貯水量の４５％の水準まで下げることには拘らない考えも示している。首相は一部のダムの水位は５０～６０％に達してもいいとコメントしている。ジンラック首相は、ダムの水量は適切なレベルにすることが重要だと述べ、関係諸機関は洪水の防止と適正な利水の両方を考慮する必要があると述べている。旱魃が生じる可能性が出てきていることを踏まえた発言。



日付 : 2012年03月05日

By : 週刊タイ経済