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ホンダ・タイ工場、4月第2週にフル生産=国内他拠点の設置検討

 ホンダのタイ四輪工場(中部アユタヤ県ロジャナ工業団地)が約6カ月ぶりに操業を再開した。年産能力24万台の同工場は、機械設備のおよそ85%を入れ替え、再稼働にこぎ着けた。
同工場は、一部の部品生産はずれ込むが、4月第2週から1日1000台のフル生産を開始する計画だ。

 芝池伸行工場長は同日午前、将来の洪水対策に関し、「タイ国内の安全な場所に新工場を建設することを検討している」と話し、海抜の高い地点に工場を増設する可能性を示唆。タイ工場は、世界16カ所にあるホンダ四輪工場にも部品を供給する主要工場の一つであるため、「タイ工場が止まると、世界の各拠点の足を引っ張ってしまう」とし、リスク回避の必要性を検討する必要があるとの認識を示した。

 芝池工場長は、工場休止中の半年間について、「洪水前の姿に戻すことに最優先で取り組んだ」と振り返り、同工場としての本格的な洪水対策はこれからだと指摘。現時点では、工業団地が建設する新たな防水堤のほか、同社独自の対応として、変電設備の土地のかさ上げなどを実施。工場としての防水堤建設も検討したが、最終的に見送ったという。

 また同工場長は、昨年の洪水当時、搬入予定だったコンテナ1000本が港に留め置かれた結果、「ゴム製品など貨物の約3割が廃棄せざるを得なかった」と振り返り、物流面での迅速な危機対応も今後の課題の一つだと語った。

 同工場の従業員数は、正規・派遣社員を合わせ計6000人に上る。このうち85%の従業員が自宅などに何らかの洪水被害を受けたという。ホンダは、工場休止期間中も従業員に給与全額を支払ったほか、見舞金などを支給する対応を取ってきたという。


日付 : 2012年03月26日

By : 時事速報

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