ＮＴＴデータは１０日、金融機関向けカード処理業務などのシステム開発を手掛けるタイのＩＴ企業、アクセレンス社（本社ノンタブリ県）の株式取得手続きが完了したとし、同社と共同で記者会見を行った。ＮＴＴデータは昨年１２月、シンガポールに拠点を置く地域統括会社を通じ、アクセレンス社と資本提携することで合意。このほど株式の５３％を取得して子会社化し、併せて過半数の取締役を派遣することを決めた。

　アクセレンス社は、クレジットカードやデビットカードなど、カード決済の処理システム構築に強みがあり、タイ国内銀行の９０％を顧客基盤に持つ。一方、ＮＴＴデータは２００７年にタイ子会社を設立し、日系製造業などに基盤を持つが、タイで急速に普及しているカード決済業務などへの展開のため、アクセレンス社への出資を決めた。

　同日記者会見した地域統括会社ＮＴＴデータ・アジア・パシフィックの深谷良治社長は、「政府や地元金融機関へのサービス展開に向け、パートナーが必要だった」と説明。その上で、「カード決済業務に限らず、アクセレンス社を中核に日本で蓄積してきたさまざまなサービスをタイ国内や、アジア・太平洋域内で展開していきたい」と語った。また、アクセレンス社側も、出資をきっかけに、海外展開を図っていくことに期待を示した。


日付 : 2012年05月10日

By : 時事速報