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BOIの洪水復興投資支援措置 5件のプロジェクトを認可

 投資委員会(BOI)事務局は四月二七日、洪水の影響を受けた6つのプロジェクトに対する復興投資に対する投資奨励を認可した。合計投資額は44億300万バーツ。6件のうち5件は同じ場所に投資するもので、1件はチャチュンサオ県に移転する。

 ポンサワット・サワディワット工業相がこの日の小委員会の会合後に語ったところによれば、5つの投資プロジェクトは、アユタヤ県とパトゥムタニ県の冠水した工業団地の既存工場が当地にとどまり、投資を維持することを支援する最近の投資奨励措置を利用するもの。BOIは三月二八日の本会議で、先の大洪水で7か所の工業団地が被災したアユタヤ県とパトゥムタニ県への新規の投資と既存事業の拡張投資を支援する特別投資優遇措置を決定している。洪水が直撃した工業団地からの工場移転を思いとどまらせることが狙いで、今年末までに申請した新規投資と既存事業の拡張投資プロジェクトについて投資優遇を手厚くする。

 投資第1区に指定されているパトゥムタニ県の工業団地と工業区での新規または拡張投資プロジェクトは8年間の法人所得税免除を受けることができる。ただし法人税の免除額は投資額の1・5倍まで。投資第2区に指定されているアユタヤ県の工業団地と工業区での新規または拡張投資プロジェクトは8年間の法人所得税免除を受けることができる。法人税の免除額は投資金額の1・5倍まで。ただし8年間の免除期間終了後3年間は50%の所得税控除を受けることができる。このほかに両県の工業団地または工業区での新規と拡張投資のプロジェクトは、新しい機械または製造から10年以内の中古機械の輸入で輸入関税が免除される。

 アチャカー・シーブンルアン事務局長によれば、この措置で、これまでに30件、合計投資予定額115億バーツの投資申請がなされている。この日認可されたのはロジャナ工業団地のABPステンレス・ファスナー社、ハイテク工業団地でハードディスク・ドライブ部品を製造するソーデ・ナガノ(タイランド)社、ナワナコン工業団地で二輪車部品を製造するダイシン社、ロジャナ工業団地で工作機械を生産するヒカリ・テック(タイランド)社、ハイテク工業団地でプラスチック部品を製造するノーブル・プレシジョン(タイランド)社の5社。このほかキャパシタを製造するNECトーキン・エレクトロニクス(タイランド)社はチャチュンサオ県ウェルグロウ工業団地に移転して事業を継続する。

 ポンサワット工業相は、6件のうち5件までが既存の事業地に投資することを決断したことは、政府の洪水対策に対する信頼感の表れだと述べている。チャチュンサオ県に移転する1社も、既存の事業地は残しておく方針で、様子を見て再投資の可能性もさぐることにしており、一二年に洪水防止対策が効果を発揮すれば、既存の事業地での投資を考えるとしている。

 BOIはこれより前、洪水で被災した工場の機械を代替するための新たな機械輸入に対し、輸入関税を免除する措置を導入している。この措置で、BOIは371社の申請を認可済みで、輸入する機械の合計金額は877億バーツに上る。

 ポンサワット工業相によれば、今年一~三月の投資奨励申請件数は470件、合計投資予定額は2311億バーツを記録し、前年同期に比べて件数で12%増、金額で106%増となった。業種別では化学・紙・プラスチックが73件で、合計投資予定額は654億バーツ。インフラは118件、548億バーツ、エレクトロニクス・電機は86件、483億バーツ、金属・機械・輸送機器は101件、287億バーツだった。外国人直接投資は312件で、合計投資予定額は1341億5100万バーツを記録した。投資母国別に見ると、日本からの投資が173件、779億8200万バーツで最大となっている。マレーシアからの投資は11件、107億1400万バーツ、米国からの投資は17件、91億1600万バーツ、オランダからの投資は10県、85億500万バーツだった。


日付 : 2012年05月07日

By : 週刊タイ経済

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