ユーザー名 パスワード
クイック検索
キーワード

アマタ、ヘマラート両工業団地 土地分譲目標を上方修正

 工業団地造成のアマタ・コーポレーションの業績が好調だ。中国、日本、韓国の企業からの問い合わせが増えており、ウィブン・クロマディットCOOは今年の工場用地分譲面積が3000ライに達するとの強気の見通しを立てている。一一年度の総収入は40億6000万バーツだったが、一二年は80~90億バーツを見込んでいる。

 アマタの今年第1四半期の最大案件はブリヂストンの工場誘致で、土地分譲価格は合計で10億バーツ規模になるもよう。ブリヂストンはアマタシティ工業団地に建設・鉱山車両用ラジアルタイヤ(ORR)の新工場を建設する。アマタはこの取引ですでに2億バーツの収入が実現している。第2四半期には、中国のホリー・グループにアマタシティ工業団地の350ライの土地を約7億バーツで分譲する。ウィブンCEOは、ジンラック首相の日本、韓国、中国訪問が投資家の信頼感の回復に寄与していると述べている。

 ウィブンCOOは、今年成約する土地分譲の所有権譲渡が一三年に完了することを指摘し、一二年の収益は前年並みにとどまると説明している。一二年はバッグログが急増することになり、一三年には大幅増収が期待できる。ウィブンCOOによれば、チョンブリ県のアマタナコン工業団地はまだ1万ライの土地があり、ラヨン県のアマタシティ工業団地も5000ライの土地の余裕がある。土地の分譲価格はアマタシティで1ライあたり290万バーツ、アマタナコンで同590万バーツ。大洪水後の引き合い増から値上げした。昨年の土地分譲実績は1563ライ。今年は第1四半期だけで900ライを分譲しており、さらに1000ライの分譲で商談が進んでいる。

 アマタは5~6億㌦を投じてベトナムに自社2番目の工業団地を造成する計画も明らかにしている。一三年の第4四半期にも工場用地の分譲を始める。現在、ベトナム政府からの投資許可を待っているところ。ドンナイ省の1300ヘクタールの土地を造成する計画。アマタは、700ヘクタールのアマタシティ・ビアンホー工業団地を運営しているが、新たな工業団地は約10㌔㍍離れた場所で、開発予定のロンタン空港にも近い。

 一方、ヘマラート・ランド&デベロップメント社(HEMRAJ)は一二年の土地分譲目標を1700ライから2000ライに上方修正した。デイビッド・ナルドーン社長兼CEOは、今年一~三月の土地分譲が928ライと前年同期比197%増を記録したことを明らかにしている。この間の契約件数は39件で、32件は新規の投資家。ナルドーン氏は第1四半期実績は非常に励みになるとしている。一~三月期に成約した顧客の60%は日系企業で、自動車分野が中心。

 ナルドーン氏は今年の土地分譲収入が昨年の43億バーツから40~50%増になるとの見通しを示している。また貸工場やロジスティック・パークの賃料収入も前年比60%増を見込んでいる。五月半ばにはヘマラートが35%を出資するゲコ1社の最大出力660メガワットの発電所が運転を開始することで、年間14億バーツの収入が見込まれる。

 ナイト・フランク・タイランド社の最近の研究によると、昨年の大洪水の被害を受けなかった投資第2区の工場用地は、需要増から地価が5~10%上昇する傾向となっている。アマタやヘマラートの工業団地がある東部地方は、洪水リスクを排除したい既存工場や新規進出企業の注目を集めている。


日付 : 2012年05月14日

By : 週刊タイ経済

登録