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五月の工業生産指数が上向く 前年同月比5・53%増

 工業省工業経済事務局が六月二八日に発表した五月の工業生産指数(MPI)は、付加価値ベースで187・99ポイントとなり、前年同月比5・53%増となった。大洪水で落ち込んだ製造業の生産が正常化したことを示すもので、とくに自動車工業は洪水期の減産分を挽回すべくエコカーやピックアップ・トラックの生産を加速させている。五月の設備稼働率は75・87%となり、過去一年で最高水準に上昇した。

 五月のMPIは、四月の165・21ポイントと比べると13・79%上昇している。自動車、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、冷凍水産品・同缶詰、エアコン、既製服などの生産が前月比で上向いている。

 自動車工業の生産指数と出荷指数は前年同月比で136・23%増、135・07%増となった。生産が加速していることに加え、比較ベースとなる前年五月の生産が、東日本大震災による部品不足の影響で落ち込んでいたローベース効果が一因。

 ビール工業の生産は前年同月比で46・26%増加し、出荷指数も24・40%増加した。六月初めに開幕したサッカー欧州選手権(ユーロ2012)関連のイベントや需要増で生産と出荷が伸びた。この工業の在庫指数は五月に54・0%増加している。

 繊維・衣料工業の生産指数と出荷指数は前年同月比でそれぞれ21・67%、11・98%収縮した。世界経済の減速で海外からの引き合いが細ったほか、価格引下げの要求も強まっている。装身具の生産は3・08%減少した。労働力不足と人件費の高騰から工場の近隣国シフトが進んでいる。

 エレクトロニクス製品の生産指数は29・42%減少し、出荷指数も29・05%減少した。洪水の影響が長引き、生産の正常化に至っていないことが理由。いくつかの工場は代替機械の調達と据付の最中で、円滑な生産活動ができないでいる。

 ソーポン・ポンプラシット事務局長は、インフレ率や原油価格の低下は、製造業の経営環境にプラスになるが、欧州の債務危機や米国経済の先行き不安は重要なリスクだと述べている。ただし通年で前年比6~7%増としたMPIの予測は維持する。同事務局は、欧州の経済危機の影響を受ける業種として繊維・衣料、エレクトロニクス製品、宝石・ジュエリー、ゴム、自動車の5業種を挙げている。


日付 : 2012年07月02日

By : 週刊タイ経済

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