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6工業団地で仮設の堤防建設 IEATが検討中

 タイ工業団地公団(IEAT)のウィラポン・チャイプーム総裁は、工業団地の輪中堤建設について、恒久的な防水堤の建設が間に合わないケースを想定して、仮設堤防を設けることも検討していることを明らかにした。ウィラポン総裁は六月二一日にサハラタナナコン工業団地で行なわれたディフェンス・インターナショナル社の仮設堤防工事のデモンストレーションを視察した。ポリプロピレンのシートを被せた土塁で、5人の作業員で設置可能。単価は1㍍あたり6000~7500バーツ。この仮設堤防をバンチャン、ラーカバン、バンプリー、バンプー、サムットサーコン、ピチットの6か所の工業団地に建設することを検討している。

 一方、昨年の洪水危機時の数々の提案で一躍有名になったエンジニアリング・コンサルタント会社、TEAMグループのチャワリット・チャンタララット社長は、今年の雨季の洪水被害について、政府の情報が正しければバンコク、ノンタブリ、パトゥムタニは安全だが、例年のように洪水が発生する地域では水位が高くなる可能性があると指摘している。住宅地や工業集積地が守られることで、ほかの場所の水位が上昇するという。

 チャワリット社長は、プラヤー・バンル運河、ラピーパット運河、プラヤーヌチット運河の水門建設は都市を守る上では良いが、守るべきエリアから外れる地域では昨年と同じ出水量となった場合の水位は昨年よりも30~80㌢上昇すると指摘している。たとえばスパンブリ県ではバンプラマー郡、ウートーン郡やソンピーノーン郡の水位が50㌢以上上昇する。ナコンパトム県のバンレン郡、アントン県のパモーク郡、アユタヤ県のセーナー郡、マハラート郡、バンパイン郡も水位が上昇すると予想されている。昨年の大洪水で被害がさほど発生しなかったナコンナヨック県オンカラック郡も、最大で60㌢程度の洪水の発生が危惧されている。

 同社長はプラヤーバンル運河の水門建設だけで洪水保護エリアはノンタブリとパトゥムタニで190万ライから400万ライに拡大するとしており、それは他の場所ではより高い洪水レベルになることを意味していると述べている。TEAMグループがこのほど開いたセミナーで、プラモート・マイクラット元灌漑局長は、洪水はタイの自然現象で、過去35年間に激しい洪水は13回あったと述べている。プラモート博士は、水を海に迅速に排水するためのフラッドウェイがないことは、洪水対策上の大きな懸念だとしている。


日付 : 2012年07月02日

By : 週刊タイ経済

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