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有機EL、照明で巻き返し=量産、商品化急ぐ-日本企業

 省エネ性能に優れた有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明をめぐり、日本企業が事業化を加速させている。三菱化学とパイオニアが事業提携してパネルの量産を急ぐほか、住友化学も高級インテリア器具向けにパネルの受注を始める。日本勢は有機ELの開発で先行しながら、薄型テレビの商品化では韓国勢に後れを取った経緯があり、照明分野で巻き返しを図る考えだ。

 有機EL照明の消費電力は、白熱電球の8分の1程度と環境に優しい。次世代照明として市場が拡大する発光ダイオード(LED)が点で光るのに対し、面全体が発光する。薄くて軽く、天井や壁に張り付けて広範囲を照らせるのが特徴だ。

 有機ELの照明器具では日本勢が優位にあるとされる。三菱重工業やロームなどが共同出資で2008年に設立したルミオテック(山形県米沢市)は、昨年9月に世界で初めて照明器具として量産販売を始めた。
 
 三菱化学とパイオニアは今夏、生産コストを従来の10分の1に抑える新製法を開発し、14年度にも大量生産に踏み切る。住友化学は60色と豊富な彩色が自慢の照明パネルを開発、インテリアやオフィス向けに売り込む計画だ。コニカミノルタホールディングスも写真フィルムの技術をベースに、発光効率の高さを武器に顧客の獲得に乗り出す。

 市場調査会社の富士経済によると、12年の有機EL照明の国内市場は前年比6倍の11億円の見通し。LEDの3738億円に比べるとまだ小規模だが、20年には1085億円まで拡大すると予測している。


日付 : 2012年07月09日

By : 時事速報

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