新興国の生産能力増強=有力市場で基盤固め-タイヤ各社
大手タイヤメーカー各社が、自動車市場が急速に拡大する中国、東南アジアやインド、ロシアなど新興国で生産能力の増強を急いでいる。日本国内は高齢化などで自動車需要の伸びが期待できず、円高も進行するなど事業環境が悪化。このため各社とも、海外の有力市場での基盤固めや為替リスク回避を目指し、大規模な投資を行っている。
最大手のブリヂストンは2015年までに240億円を投入。中国に二つある乗用車用タイヤ工場を拡充し、中国での生産能力を1.5倍に引き上げる。また、第2工場を建設中のインドに加え「ロシアへの進出を検討中」(幹部)と、新興国の生産体制整備に余念がない。
住友ゴム工業は、乗用車用タイヤの輸出拠点と位置付けるタイの2工場の生産能力を、14年末には10年に比べ2.3倍に高める。インドやブラジルへの進出も模索。これらにより、同社は海外生産比率を、今年3月末の44%から15年に60%に引き上げる方針だ。
横浜ゴムは昨年12月、日系メーカーとして初めてロシアでタイヤの製造を開始した。13年夏までに年間140万本の生産を目指し、「将来は欧州への輸出も視野に入れている」(幹部)という。東洋ゴム工業も200億円を投じ、東南アジア向けのタイヤ供給拠点をマレーシアに建設中だ。
アジア・新興国では、中国や韓国のタイヤメーカーが低価格を売りに販売攻勢を掛けている。競争が激化する中、国内大手各社はアジアで環境規制が導入されると予想。低燃費タイヤの投入を進めるなど、「独自の高性能製品で差別化を図る」(住友ゴム)方針だ。
◇国内大手タイヤメーカーのアジア・新興国戦略一覧
【ブリヂストン】2012年12月期の設備投資計画は全世界で前期比42%増の2850億円。中国工場の拡張、インドとベトナムの工場新設に充当。ロシア進出も検討
【住友ゴム工業】12年12月期の設備投資は過去最大の 590億円を計画。うち約6割をタイと中国の工場 増強、ブラジル新工場の建設に充当。海外生産比率44%
【横浜ゴム】ロシア、中国、フィリピン、タイを中心に12年度から3年間で1400億円の新規増産投 資を計画。12年12月期は前期の倍以上の551億円
【東洋ゴム工業】11年から5年間で1500億円の設備投資を計画。マレーシアのタイヤ大手を買収し販路拡大、同国に工場建設中。11年に中国工場稼働
日付 : 2012年07月16日
By : 時事速報
最大手のブリヂストンは2015年までに240億円を投入。中国に二つある乗用車用タイヤ工場を拡充し、中国での生産能力を1.5倍に引き上げる。また、第2工場を建設中のインドに加え「ロシアへの進出を検討中」(幹部)と、新興国の生産体制整備に余念がない。
住友ゴム工業は、乗用車用タイヤの輸出拠点と位置付けるタイの2工場の生産能力を、14年末には10年に比べ2.3倍に高める。インドやブラジルへの進出も模索。これらにより、同社は海外生産比率を、今年3月末の44%から15年に60%に引き上げる方針だ。
横浜ゴムは昨年12月、日系メーカーとして初めてロシアでタイヤの製造を開始した。13年夏までに年間140万本の生産を目指し、「将来は欧州への輸出も視野に入れている」(幹部)という。東洋ゴム工業も200億円を投じ、東南アジア向けのタイヤ供給拠点をマレーシアに建設中だ。
アジア・新興国では、中国や韓国のタイヤメーカーが低価格を売りに販売攻勢を掛けている。競争が激化する中、国内大手各社はアジアで環境規制が導入されると予想。低燃費タイヤの投入を進めるなど、「独自の高性能製品で差別化を図る」(住友ゴム)方針だ。
◇国内大手タイヤメーカーのアジア・新興国戦略一覧
【ブリヂストン】2012年12月期の設備投資計画は全世界で前期比42%増の2850億円。中国工場の拡張、インドとベトナムの工場新設に充当。ロシア進出も検討
【住友ゴム工業】12年12月期の設備投資は過去最大の 590億円を計画。うち約6割をタイと中国の工場 増強、ブラジル新工場の建設に充当。海外生産比率44%
【横浜ゴム】ロシア、中国、フィリピン、タイを中心に12年度から3年間で1400億円の新規増産投 資を計画。12年12月期は前期の倍以上の551億円
【東洋ゴム工業】11年から5年間で1500億円の設備投資を計画。マレーシアのタイヤ大手を買収し販路拡大、同国に工場建設中。11年に中国工場稼働
日付 : 2012年07月16日
By : 時事速報