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自動車生産の急増 部品業界の人手不足がネックに

 タイ自動車部品工業会は、労働力不足が自動車工業の成長阻害要因になっていることを強調している。同協会スポークスマンのターウォン・チャラットサティアン氏は、部品メーカーは生産設備をフル稼働させるために全面的な努力をしているが、自動車生産の大幅な増加には対応し切れないと述べている。

 自動車の国内需要は乗用車、商用車ともに伸びている。昨年の洪水で新車需要が落ち込んだ反動に加えて、政府の初めての新車購入に対する物品税還付政策が特需を呼んでいる。このため、タイ工業連盟(FTI)自動車部会は、今年通年の生産台数は前年比51%増となる220万台に達すると予測している。輸出向け生産台数は100万台で、前年実績の73万3000台を26万7000台、率にして36・43%上回る見通し。国内市場向け生産台数は120万台で、前年実績の72万4000台を47万6000台、率にして65・75%上回る見通しとなっている。

 ターウォン氏は、部品各社が稼働率を引き上げるためには労働力の確保が欠かせないが、熟練労働者と未熟練労働者の双方で労働力が絶対的に不足していると述べている。人手不足は部品業界の最大の悩みで、もし自動車生産台数が250~300万台まで伸びれば、部品業界だけで12万人の労働力が新たに必要になるとしている。自動車・同部品業界の労働力は合計で約54万人で、うち45万人が部品製造に従事している。

 円高で日本企業の海外展開は加速しており、自動車部品製造ではタイとインドネシアが日系企業にとって理想的な立地になっている。ターウォン氏は、タイは生産技術を改善し、日本からのハイテク産業の進出に備えるため労働スキルを開発する必要があるとしている。


日付 : 2012年07月16日

By : 週刊タイ経済

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