富士製薬工業 OLICタイを買収
日本の富士製薬工業は、タイ最大の医薬品製造受託企業であるOLIC(タイランド)社を買収した。OLICタイの発行済み株式の99・91%をスイスのDKSHホールディングAG(ディートヘルム)から16億8000万バーツで取得し、子会社化する。
OLIC社はアユタヤ県所在の医薬品などの製造受託業務を展開する企業。各国の大手製薬企業から製造を専門的に受託しており、富士製薬もOLIC社に一部製品の製造を委託している。一九六一年設立の老舗企業で、これまでに培った製造ノウハウにより高品質な製造受託メーカーとして日欧米を含む世界の大手製薬企業を中心に幅広い顧客層を確保している。OLIC社で製造された製品はタイ国内のみならず、アジアをはじめとする世界中に流通している。バンパイン工業団地の工場は敷地面積8万平米を超え、約850人の従業員が従事している。
富士製薬はOLIC社が保有する工場と製造ノウハウを取得するとともに、OLIC社の従来の顧客層を獲得することになる。既存顧客および新規顧客からの製造受託を拡大させるとともに富士製薬の製品をタイで製造することにより、日本市場におけるコスト競争力を高めることも可能になる。またOLIC社を拠点としてアジア市場をはじめとする世界に向けて自社製品を広く展開する狙いがある。
富士製薬は中期経営計画で海外で事業展開、医薬品企業として新たな競争優位を築くことを目標に掲げ、海外での事業投資を経営戦略の一つに位置付けていた。OLICの買収で海外での事業展開を本格的に開始できる。
OLICの二〇一一年の売上高は10億6630万バーツで、1250万バーツの赤字だった。洪水の影響で一時事業が停止したことが響いている。DKSHは医薬品の製造受託がノンコア事業であるため、専門技術を持つ富士製薬への株式譲渡を決めたとしている。株式譲渡の契約は八月三日に締結済みで、株券引渡しは一〇月一日を予定している。昨年の洪水によるOLIC社の被災は、DKSHの決定に影響を及ぼしていないとしている。
日付 : 2012年08月27日
By : 週刊タイ経済
OLIC社はアユタヤ県所在の医薬品などの製造受託業務を展開する企業。各国の大手製薬企業から製造を専門的に受託しており、富士製薬もOLIC社に一部製品の製造を委託している。一九六一年設立の老舗企業で、これまでに培った製造ノウハウにより高品質な製造受託メーカーとして日欧米を含む世界の大手製薬企業を中心に幅広い顧客層を確保している。OLIC社で製造された製品はタイ国内のみならず、アジアをはじめとする世界中に流通している。バンパイン工業団地の工場は敷地面積8万平米を超え、約850人の従業員が従事している。
富士製薬はOLIC社が保有する工場と製造ノウハウを取得するとともに、OLIC社の従来の顧客層を獲得することになる。既存顧客および新規顧客からの製造受託を拡大させるとともに富士製薬の製品をタイで製造することにより、日本市場におけるコスト競争力を高めることも可能になる。またOLIC社を拠点としてアジア市場をはじめとする世界に向けて自社製品を広く展開する狙いがある。
富士製薬は中期経営計画で海外で事業展開、医薬品企業として新たな競争優位を築くことを目標に掲げ、海外での事業投資を経営戦略の一つに位置付けていた。OLICの買収で海外での事業展開を本格的に開始できる。
OLICの二〇一一年の売上高は10億6630万バーツで、1250万バーツの赤字だった。洪水の影響で一時事業が停止したことが響いている。DKSHは医薬品の製造受託がノンコア事業であるため、専門技術を持つ富士製薬への株式譲渡を決めたとしている。株式譲渡の契約は八月三日に締結済みで、株券引渡しは一〇月一日を予定している。昨年の洪水によるOLIC社の被災は、DKSHの決定に影響を及ぼしていないとしている。
日付 : 2012年08月27日
By : 週刊タイ経済