不動産デベロッパーのプロパティ・パーフェクト（ＰＦ）は北海道のリゾートを買収する。札幌近郊にあるキロロ・リゾートで、八月二九日に開いた取締役会で投資プロセスを承認し、タイ証券取引所（ＳＥＴ）を通じて発表した。タイ人の中間層で日本旅行の人気が高まり、とくに北海道が人気の旅行先になっていることが同リゾートを買収する決め手になったものと見られる。

　キロロ・リゾートは敷地面積４７・７ヘクタール（２９２ライ）で、スキー場と２棟のホテルから成る。ＰＦは東京に本社を置く不動産会社のシェア・グループの株式６９・０１％を４１６９万バーツで取得する。その後、シェア・グループがキロロ・リゾートの資産と運営会社の全ての株式を三井不動産リゾート社から取得する。買収費用は７億７０００万バーツ。このほかにシェア・グループは三井不動産が保有するキロロ・リゾートに対する債権も６４８０万バーツで買い取る。この結果、シェア・グループはキロロ・リゾートの運営会社であるキロロ・アソシエーツの株主であるとともに債権者になる。

　ＰＦのチャイニット・ゴーシリマニーＣＥＯは八月三〇日に開いた記者会見で、海外投資は日本以外に興味はないと述べている。またキロロ・リゾートの買収は成立までに３年を要したことも明らかにしている。このプロジェクトではホテル事業で１０％、不動産プロジェクトで１０％超の投資リターンを見込んでいる。キロロ・リゾートの敷地内に別荘と分譲マンションを開発する計画。同リゾートは香港、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、オーストラリア、欧州などの外国人に人気があるため、別荘やマンションは日本人のほか外国人もターゲットに想定している。開発プロジェクトの設計はインターナショナル・アルパイン・デザインが担当し、来年からプレセールと建設を開始する。分譲マンションは１０００万バーツ超、別荘は３０００万バーツ超の価格を想定している。プロジェクト資金はキャッシュフローと銀行借入でまかなう。ＰＦは今年最終四半期に２５億バーツ規模の社債発行を予定しており、調達する資金の一部は日本プロジェクトに投じる。

　キロロ・リゾートのホテルの宿泊者は９３％が日本人で、残りがアジアを中心とする外国人。ホテルの経営はグリーンハウス社に委託する予定で、外国人の比率は一四年までに３０％まで増えると見ている。

　ＰＦの今年上半期の総収入は４３億５０００万バーツで、純利益は１億８６４２万バーツ。通年の収入目標は１２０億バーツ。キロロ・リゾートからの収入は目標に加えていない。同リゾートからの収入は年間１２億バーツを見込んでいる。


日付 : 2012年09月10日

By : 週刊タイ経済