サハウィリヤ・スチール JFE、伊藤忠丸紅が出資
JFEスチールと伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI)は一一月七日、サハウィリヤ・スチール・インダストリーズ(SSI)との間で、今後のタイ鉄鋼市場における協力関係の強化を趣旨とする提携合意書を締結した。日本の2社がSSIの増資を引き受けて5000万㌦を資本注入するほか、冷延鋼板製造の既存合弁事業の出資比率変更と技術支援、鋼材取引関係の強化、技術協力関係の構築が主な合意内容。JFEは、日系自動車メーカーがタイで生産拠点拡充を進めていることなどを背景に、顧客の現地調達要請が高まっていることに対応することが狙いだとしている。
JFEとMISIは、SSIが新規に発行する普通株式を1株0・68バーツで引き受け、それぞれ2500万㌦、合計5000万㌦を出資する。 2社はSSIが私募発行する新株22億7000万株を引き受けることになる。新株の額面価額は1バーツだが、引受け価格はこれを下回る。SSIの株価の七日終値は1株0・62バーツとなっている。この増資でSSIの自己資本は15億4000万バーツ増える。SSIのウィン・ウィリヤプラパイキット社長は、2社との資本提携は原料の安定供給だけでなく、経営効率改善、自社の製品・サービスの質向上をもたらすと述べている。JFEとMISIの出資比率はそれぞれ3・1%になる。
JFEとMISIは、SSIとの既存の合弁事業であるタイ・コールド・ロールド・スチール社(TCR)の株式をSSIから買い取り、TCRへの出資比率を引き上げる。 これによりTCRの新たな出資比率はSSIグループとJFEグループがそれぞれ36・04%ずつ、MISIが25・10%となる。実施時期は二〇一三年一月末まで。JFEはタイの自動車産業の需要増に応える形で冷延鋼板を安定供給するため、TCRに対して必要な技術支援を行なう。TCRはプラチュアップキリカン県バンサパン郡に冷延鋼板工場を持ち、資本金は107億バーツ。一一年の売上高は135億バーツ。
JFEはSSIにスラブを供給するほか、JFEおよびSSIからTCRへの熱延原板供給でも量的拡大を図り、安定供給に努める。またSSIグループに対し製造技術面で協力する。SSIはJFEの技術協力を通じて経営効率を改善する。
SSIはタイ国内での高炉建設を構想し、〇三年に全部で5フェーズからなる一環製鉄所プロジェクトを公表、投資委員会(BOI)の認可も受けていた。しかしこのプロジェクトは地元住民の反対などで頓挫したため、昨年二月には英国の高炉会社、ティースサイド・キャスト・プロダクツ社を3億2000万ポンドで買収した。ティースサイドの高炉は今年四月に運転を再開し、スラブの供給を始めている。この買収にともない財務強化のための大規模増資の計画を発表済みで、私募で53億バーツの新株を発行する計画。
●Sahaviriya Steel ndustries Public Co., Ltd.
1990年3月設立。熱延鋼板の製造・販売を手がける。本社はバンコク、工場はプラチュアップキリカン県バンサパン郡で、設備は熱間圧延(400万㌧/年)、酸洗熱間圧延(100万㌧/年)。2011年の売上高は533億バーツ。今回の増資完了で資本金は11年末時点の182億バーツから378億バーツに増える。サハウィリヤ・グループの保有率は35.7%から32.8%に低下し、JFEスチールが3.1%、伊藤忠丸紅鉄鋼が3.1%を保有する。
●Thai Cold Rolled Steel Sheet Public Co., Ltd.
1990年3月設立。冷延鋼板の製造・販売を手がける。本社はバンコク、工場はプラチュアップキリカン県バンサパン郡で、設備は酸洗冷間圧延(100万㌧/年)・焼鈍・調質圧延・精整、一式。2011年の売上高は135億バーツ。資本金は107億バーツ。今回の出資比率変更でサハウィリヤ・グループの保有率は51.0%から36.04%に減り、JFEスチールの保有率は22.41%から34.47%に増え、JFE商事保有の1.57%と合わせた保有率は36.04%となる。伊藤忠丸紅鉄鋼の保有率は22.2%から25.1%に増える。
日付 : 2012年11月12日
By : 週刊タイ経済
JFEとMISIは、SSIが新規に発行する普通株式を1株0・68バーツで引き受け、それぞれ2500万㌦、合計5000万㌦を出資する。 2社はSSIが私募発行する新株22億7000万株を引き受けることになる。新株の額面価額は1バーツだが、引受け価格はこれを下回る。SSIの株価の七日終値は1株0・62バーツとなっている。この増資でSSIの自己資本は15億4000万バーツ増える。SSIのウィン・ウィリヤプラパイキット社長は、2社との資本提携は原料の安定供給だけでなく、経営効率改善、自社の製品・サービスの質向上をもたらすと述べている。JFEとMISIの出資比率はそれぞれ3・1%になる。
JFEとMISIは、SSIとの既存の合弁事業であるタイ・コールド・ロールド・スチール社(TCR)の株式をSSIから買い取り、TCRへの出資比率を引き上げる。 これによりTCRの新たな出資比率はSSIグループとJFEグループがそれぞれ36・04%ずつ、MISIが25・10%となる。実施時期は二〇一三年一月末まで。JFEはタイの自動車産業の需要増に応える形で冷延鋼板を安定供給するため、TCRに対して必要な技術支援を行なう。TCRはプラチュアップキリカン県バンサパン郡に冷延鋼板工場を持ち、資本金は107億バーツ。一一年の売上高は135億バーツ。
JFEはSSIにスラブを供給するほか、JFEおよびSSIからTCRへの熱延原板供給でも量的拡大を図り、安定供給に努める。またSSIグループに対し製造技術面で協力する。SSIはJFEの技術協力を通じて経営効率を改善する。
SSIはタイ国内での高炉建設を構想し、〇三年に全部で5フェーズからなる一環製鉄所プロジェクトを公表、投資委員会(BOI)の認可も受けていた。しかしこのプロジェクトは地元住民の反対などで頓挫したため、昨年二月には英国の高炉会社、ティースサイド・キャスト・プロダクツ社を3億2000万ポンドで買収した。ティースサイドの高炉は今年四月に運転を再開し、スラブの供給を始めている。この買収にともない財務強化のための大規模増資の計画を発表済みで、私募で53億バーツの新株を発行する計画。
●Sahaviriya Steel ndustries Public Co., Ltd.
1990年3月設立。熱延鋼板の製造・販売を手がける。本社はバンコク、工場はプラチュアップキリカン県バンサパン郡で、設備は熱間圧延(400万㌧/年)、酸洗熱間圧延(100万㌧/年)。2011年の売上高は533億バーツ。今回の増資完了で資本金は11年末時点の182億バーツから378億バーツに増える。サハウィリヤ・グループの保有率は35.7%から32.8%に低下し、JFEスチールが3.1%、伊藤忠丸紅鉄鋼が3.1%を保有する。
●Thai Cold Rolled Steel Sheet Public Co., Ltd.
1990年3月設立。冷延鋼板の製造・販売を手がける。本社はバンコク、工場はプラチュアップキリカン県バンサパン郡で、設備は酸洗冷間圧延(100万㌧/年)・焼鈍・調質圧延・精整、一式。2011年の売上高は135億バーツ。資本金は107億バーツ。今回の出資比率変更でサハウィリヤ・グループの保有率は51.0%から36.04%に減り、JFEスチールの保有率は22.41%から34.47%に増え、JFE商事保有の1.57%と合わせた保有率は36.04%となる。伊藤忠丸紅鉄鋼の保有率は22.2%から25.1%に増える。
日付 : 2012年11月12日
By : 週刊タイ経済