十月の輸出額は15・57%増に 一月からの合計でプラス成長に転じる
商業省が一一月二六日に発表した一〇月の物品輸出額は195億2430万㌦で、前年同月比15・57%増を記録した。バーツ建てでは5974億7930万バーツで、同16・87%増となった。この結果、一~一〇月の輸出額は1918億6150万㌦となり、前年同期を0・34%上回った。一〇月の輸出が二桁増を記録したのは、前年同月のベース値が大洪水の影響で低くなっていたローベース効果が主因。一一、一二月も同様の理由から輸出の前年同月比の伸び率は嵩上げされる見通しで、通年では5%前後のプラス成長が見込まれている。
一〇月の農産物/アグロインダストリー製品の輸出は9・0%減となった。特に天然ゴムは40・1%減、冷凍エビ・同調製品は24・5%減、野菜・果物は29・1%減、砂糖は12・3%減となった。ただし輸出が伸びた製品もあり、コメは29・2%増、タピオカ製品は34・7%増、エビを除く冷凍水産品・缶詰は11・9%増、冷凍鶏肉・同調製品は15・3%増だった。
工業製品の一〇月の輸出は全体で24・3%増。エレクトロニクス製品は23・0%増、電化製品は25・2%増、自動車・同部品は53・4%増、合成樹脂・プラスチック製品は10・5%増、建材は74・5%増、宝石・ジュエリーは3・9%増、ゴム製品は2・1%増、印刷物・紙容器は18・0%増、家具・同部品は9・9%増となった。一方で、繊維は3・2%減、旅行用品・皮革・靴は3・4%減、化粧品・石鹸は2・2%減だった。
一〇月の輸出を仕向け地別に見ると、主力市場への輸出は12・3%増。日本が10・2%増、米国が17・0%増となったほか、EU15か国は9・6%増となった。新興市場への輸出は全体で11・9%減だった。ASEAN(9か国)が14・0%増、南アジア(8か国)は19・2%増、インドは37・7%増、香港は55・9%増、韓国は15・2%増、台湾は14・6%増となった。ただし中国は7・7%減。
その他の有望市場向けの輸出は31・4%増。オセアニアは46・7%増、中東は37・7%増、アフリカは36・4%増、ラテンアメリカは11・3%増、ロシア・CIS諸国は72・0%増、カナダは10・0%増となった。一方で、EU新加盟12か国は2・8%減だった。
一~一〇月の輸出額は1918億6150万㌦で、前年同期を0・34%上回っている。農産物/アグロインダストリー製品の輸出は全体で11・3%減。コメは31・2%減、天然ゴムは32・2%減、冷凍エビ・同調製品は17・0%減だった。ただしタピオカ製品は8・1%増、エビを除く冷凍水産品・缶詰は12・1%増、冷凍鶏肉・同調製品は10・1%増、砂糖は13・5%増を記録している。
一~一〇月の工業製品輸出は2・4%増。自動車・同部品は18・8%増、建材は14・8%増、宝石・ジュエリーは10・1%増、ゴム製品は0・6%増、印刷物・紙容器は8・1%増、化粧品・石鹸は6・6%増、ペットフードは17・2%増だった。しかしエレクトロニクス製品は4・5%減、電化製品は1・2%減、合成樹脂は2・6%減、繊維は14・6%減、旅行用品・皮革・靴は9・2%減、家具・同部品が3・7%減となった。
一~一〇月の輸出額を仕向け地別に見ると、主力市場への輸出は全体で4・3%減。日本が3・3%減、EU15か国が12・8%減で、米国は3・1%増となっている。新興市場向けは全体で0・8%増。ASEAN(9か国)は3・0%増で、なかでもインドシナ・ミャンマーは12・0%増となった。インドは4・1%増、香港は2・5%増、韓国は1・5%増となったが、中国は0・6%減、台湾は14・0%減だった。その他の有望市場への輸出は全体で5・4%増。オセアニアが15・0%増、中東が2・6%増、アフリカが3・0%増、ラテンアメリカが14・6%増となった一方、EU新加盟12か国は17・9%減、ロシア・CIS諸国は5・2%減、カナダは9・3%減だった。
一方、一〇月の輸入額は219億9360万㌦で、前年同月比21・61%増加した(バーツ建てでは6813億5660万バーツで、同22・96%増)。燃料の輸入は35・6%増で、原油が43・3%増、精製油が6・6%減だった。資本財の輸入は48・3%増で、工作機械が54・6%増、電機が86・2%増だった。原材料・中間財は3・7%減で、電機・エレクトロニクス部品が20・3%増、化学薬品が6・7%増、鉄鋼が4・1%増だった。消費財の輸入は29・1%増で、家電が23・7%増となった。輸送機械の輸入は70・1%増で、自動車部品が61・2%増、乗用車が75・5%増、バス・トラックが153・8%増だった。なお一~一〇月の輸入額は2061億1320万㌦で、前年同期を7・15%上回った。
一〇月の貿易収支は24億6930万㌦の赤字。一~一〇月の貿易収支は142億5170万㌦の赤字となった。
商業省国際貿易振興局のシーラット・ラットタパナ局長は、一〇月の輸出が大幅増となったことについて、ローベース効果のほかに、米国経済の復調、有望市場向け輸出拡大の効果を強調している。ただし欧州の経済危機の深刻化と日本経済の減速がマイナス材料で、タイの中国やEU向け輸出にも影響を及ぼしているとしている。シーラット局長は一一、一二月もローベース効果から見掛け上の輸出伸び率は二桁増を記録すると述べている。商業省の一二年通年の輸出成長率予測は4・5~5・0%増。
タイ商業会議所大学(UTCC)国際貿易研究所のアート・ピサンワニット所長は、第4四半期のタイの物品輸出が前年同期比で二桁増になるのは驚きに値しないと述べている。前年一〇月の輸出は大洪水の影響で前年同月比1・39%減となる168億9000万㌦にとどまっており、一一、一二月には洪水の影響は一段と大きくなり、輸出額は150億㌦、前年同月比でそれぞれ12・91%減、8・15%減にとどまっていた。アート所長は一二年のタイの輸出が前年比5%増に達し、一三年は5~6%増になると予測している。
シーラット局長は、在外商業事務所や民間からの聞き取り調査をもとに、二〇一三年の輸出目標を設定する作業に着手したことを明らかにしている。世界経済の見通しが明るくなく、欧州の債務危機も長期化している現状を考慮して、輸出目標は現実的な線を考えていると説明している。在米貿易事務所の代表は、オバマ大統領の再選を受け米景気は緩やかな回復基調にあり、ハリケーン被害からの復旧で建材需要が伸びていると報告している。ローマの在外事務所の代表は、EUの経済情勢は困難な状況が続いているものの、タイのEU向け輸出は一二年に比べると改善が見込まれると報告している。
ブンソン・テリヤピロム商業相は二九日、一三年のタイの輸出は、世界経済の見通しが芳しくない中、一桁成長にとどまるかもしれないとコメントしている。ブンソン商業相は、輸出業者との議論を経て、一二月第一週には公式な輸出目標を発表すると約束している。
日付 : 2012年12月03日
By : 週刊タイ経済
一〇月の農産物/アグロインダストリー製品の輸出は9・0%減となった。特に天然ゴムは40・1%減、冷凍エビ・同調製品は24・5%減、野菜・果物は29・1%減、砂糖は12・3%減となった。ただし輸出が伸びた製品もあり、コメは29・2%増、タピオカ製品は34・7%増、エビを除く冷凍水産品・缶詰は11・9%増、冷凍鶏肉・同調製品は15・3%増だった。
工業製品の一〇月の輸出は全体で24・3%増。エレクトロニクス製品は23・0%増、電化製品は25・2%増、自動車・同部品は53・4%増、合成樹脂・プラスチック製品は10・5%増、建材は74・5%増、宝石・ジュエリーは3・9%増、ゴム製品は2・1%増、印刷物・紙容器は18・0%増、家具・同部品は9・9%増となった。一方で、繊維は3・2%減、旅行用品・皮革・靴は3・4%減、化粧品・石鹸は2・2%減だった。
一〇月の輸出を仕向け地別に見ると、主力市場への輸出は12・3%増。日本が10・2%増、米国が17・0%増となったほか、EU15か国は9・6%増となった。新興市場への輸出は全体で11・9%減だった。ASEAN(9か国)が14・0%増、南アジア(8か国)は19・2%増、インドは37・7%増、香港は55・9%増、韓国は15・2%増、台湾は14・6%増となった。ただし中国は7・7%減。
その他の有望市場向けの輸出は31・4%増。オセアニアは46・7%増、中東は37・7%増、アフリカは36・4%増、ラテンアメリカは11・3%増、ロシア・CIS諸国は72・0%増、カナダは10・0%増となった。一方で、EU新加盟12か国は2・8%減だった。
一~一〇月の輸出額は1918億6150万㌦で、前年同期を0・34%上回っている。農産物/アグロインダストリー製品の輸出は全体で11・3%減。コメは31・2%減、天然ゴムは32・2%減、冷凍エビ・同調製品は17・0%減だった。ただしタピオカ製品は8・1%増、エビを除く冷凍水産品・缶詰は12・1%増、冷凍鶏肉・同調製品は10・1%増、砂糖は13・5%増を記録している。
一~一〇月の工業製品輸出は2・4%増。自動車・同部品は18・8%増、建材は14・8%増、宝石・ジュエリーは10・1%増、ゴム製品は0・6%増、印刷物・紙容器は8・1%増、化粧品・石鹸は6・6%増、ペットフードは17・2%増だった。しかしエレクトロニクス製品は4・5%減、電化製品は1・2%減、合成樹脂は2・6%減、繊維は14・6%減、旅行用品・皮革・靴は9・2%減、家具・同部品が3・7%減となった。
一~一〇月の輸出額を仕向け地別に見ると、主力市場への輸出は全体で4・3%減。日本が3・3%減、EU15か国が12・8%減で、米国は3・1%増となっている。新興市場向けは全体で0・8%増。ASEAN(9か国)は3・0%増で、なかでもインドシナ・ミャンマーは12・0%増となった。インドは4・1%増、香港は2・5%増、韓国は1・5%増となったが、中国は0・6%減、台湾は14・0%減だった。その他の有望市場への輸出は全体で5・4%増。オセアニアが15・0%増、中東が2・6%増、アフリカが3・0%増、ラテンアメリカが14・6%増となった一方、EU新加盟12か国は17・9%減、ロシア・CIS諸国は5・2%減、カナダは9・3%減だった。
一方、一〇月の輸入額は219億9360万㌦で、前年同月比21・61%増加した(バーツ建てでは6813億5660万バーツで、同22・96%増)。燃料の輸入は35・6%増で、原油が43・3%増、精製油が6・6%減だった。資本財の輸入は48・3%増で、工作機械が54・6%増、電機が86・2%増だった。原材料・中間財は3・7%減で、電機・エレクトロニクス部品が20・3%増、化学薬品が6・7%増、鉄鋼が4・1%増だった。消費財の輸入は29・1%増で、家電が23・7%増となった。輸送機械の輸入は70・1%増で、自動車部品が61・2%増、乗用車が75・5%増、バス・トラックが153・8%増だった。なお一~一〇月の輸入額は2061億1320万㌦で、前年同期を7・15%上回った。
一〇月の貿易収支は24億6930万㌦の赤字。一~一〇月の貿易収支は142億5170万㌦の赤字となった。
商業省国際貿易振興局のシーラット・ラットタパナ局長は、一〇月の輸出が大幅増となったことについて、ローベース効果のほかに、米国経済の復調、有望市場向け輸出拡大の効果を強調している。ただし欧州の経済危機の深刻化と日本経済の減速がマイナス材料で、タイの中国やEU向け輸出にも影響を及ぼしているとしている。シーラット局長は一一、一二月もローベース効果から見掛け上の輸出伸び率は二桁増を記録すると述べている。商業省の一二年通年の輸出成長率予測は4・5~5・0%増。
タイ商業会議所大学(UTCC)国際貿易研究所のアート・ピサンワニット所長は、第4四半期のタイの物品輸出が前年同期比で二桁増になるのは驚きに値しないと述べている。前年一〇月の輸出は大洪水の影響で前年同月比1・39%減となる168億9000万㌦にとどまっており、一一、一二月には洪水の影響は一段と大きくなり、輸出額は150億㌦、前年同月比でそれぞれ12・91%減、8・15%減にとどまっていた。アート所長は一二年のタイの輸出が前年比5%増に達し、一三年は5~6%増になると予測している。
シーラット局長は、在外商業事務所や民間からの聞き取り調査をもとに、二〇一三年の輸出目標を設定する作業に着手したことを明らかにしている。世界経済の見通しが明るくなく、欧州の債務危機も長期化している現状を考慮して、輸出目標は現実的な線を考えていると説明している。在米貿易事務所の代表は、オバマ大統領の再選を受け米景気は緩やかな回復基調にあり、ハリケーン被害からの復旧で建材需要が伸びていると報告している。ローマの在外事務所の代表は、EUの経済情勢は困難な状況が続いているものの、タイのEU向け輸出は一二年に比べると改善が見込まれると報告している。
ブンソン・テリヤピロム商業相は二九日、一三年のタイの輸出は、世界経済の見通しが芳しくない中、一桁成長にとどまるかもしれないとコメントしている。ブンソン商業相は、輸出業者との議論を経て、一二月第一週には公式な輸出目標を発表すると約束している。
日付 : 2012年12月03日
By : 週刊タイ経済