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バンチャン工業団地に停電リスク

 タイ工業団地公団(IEAT)のウィーラポン・チャイプーム総裁は二月二六日、バンコク都内のバンチャン工業団地が四月の電力危機の影響を最も大きく受ける可能性があることを明らかにした。タイ発電公団(EGAT)のタナ・プタルンシー副総裁はこの日、IEAT本部で約300人の工業事業者を前に四月の電力状況について説明を行なった。

 ウィーラポンIEAT総裁は、全体状況として電力危機はコントロール可能だが、四月五日と八~一〇日は製造業にとって危険な期間だと述べている。全国に約40か所ある工業団地の電力消費量は日量3700メガワットに及ぶ。ウィーラポン総裁は、ミンブリ地区にあるバンチャン工業団地が最も無防備だと思うと述べている。EGATが計画停電の可能性があるリスク地区として示した3か所のうちの1か所がミンブリ区となっているため。他の2つのリスク・エリアはラートプラオ区とラチャダーピセーク通り。バンチャン工業団地は81の工場が稼動しており、食品工業が比較的多い。

 ウィーラポン総裁は、全体状況は管理可能とはいえ、工場の営業日を変更するなど、工場事業者の協力が必要だと述べている。同総裁は、事前に状況を知り、対策手段を準備しようとしていることから、今次の電力危機が外国人直接投資に影響するとは思わないとしている。

 EGATのタナ副総裁は工業事業者を前に、四月五日の電力消費量が2万6300メガワットのピークに達する見通しにあり、同日の電力準備が767メガワットまで低下することを説明。700メガワット級の発電機が1機故障するだけで、電力準備は底を尽き、最悪のケースで計画停電もあるとしている。タナ副総裁は工業事業者の代表を前に、工業事業者側の予防的な対応として五日までに在庫を増やして、五日の生産量を減らすか、中断することが望ましいと説明している。

 IEATはアユタヤ、チョンブリ、チャチュンサオの工業団地の電力供給への影響を最小化すべく、EGATと共同で対策案作りを進めている。チャカラット・ルートオパート副総裁は、アユタヤ県やパトゥムタニ県にはワンノイ発電所が電力を供給しており、同発電所はミャンマーからの天然ガスに依存していることを明らかにしている。東部地域については、工業団地内に発電所を持ち、電力を自前で供給しているところが多いため影響を被ることはなさそう。EGATからの詳しい情報を入手すれば、事業者向けに通知することにしている。ウィーラポンIEAT総裁は、生産計画の修正を可能にするため、少なくとも2週間前には詳しい情報を伝えるようにしたいと述べている。

 アユタヤ県のバンパイン工業団地の運営会社幹部は、アユタヤ県の電力供給に問題があるのかどうか、三月半ばまでには事業者に告知をお願いしたいと述べている。バンパイン工業団地は電子部品の工場が多く、もし電力供給が不安定になるようなら機械が損なわれる可能性が高く、自衛のため工場の運転を見合わせる必要がある。その場合、生産休止を見越した事前の在庫投資が必要になるため、三月半ばには情報がほしいとした。



日付 : 2013年03月04日

By : 週刊タイ経済

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