一月の工業生産指数は10・1%増 第1四半期は3~4%増を予測
工業省工業経済事務局(OIE)のナッタポン・ナッタソムブン事務局長が明らかにしたところによれば、一月の工業生産指数(MPI)は前年同月比10・1%増を記録した。また一二年第4四半期(一〇~一二月)の工業部門のGDP成長率は37・4%増となり、前の四半期の1・1%減から上向いた。一二年通年の工業部門の成長率は7・0%増となった。一方、一月の資本財輸入は前年同月比で36・4%増、原材料・中間財の輸入は同37・4%増となった。タイの工業製品輸出は一月に21・2%増となり、金地金を除けば28・2%増となった。
OIEの今年第1四半期の工業部門GDP成長率予測は8・0~9・0%増、工業生産指数上昇率は3・0~4・0%増。一三年通年の工業部門の成長率は5・0~6・0%増、工業生産指数上昇率は3・5~4・5%増を見込んでいる。
自動車・同部品の輸出は40・3%増となり、タイの工業製品輸出増を支援した。またエレクトロニクス製品と電化製品の輸出もそれぞれ29・8%増、20・5%増となった。タイの主要工業製品の輸出市場については、一月にASEAN、中国、米国、日本とEUのすべての市場で拡大した。一二年一二月の最新の失業率は0・5%で、二〇一一年以降現在に至るまでタイの失業率は低下傾向が続いている。失業率は1%を下回っており、労働市場の逼迫と労働者不足を反映している。バーツ相場については、年初からの3週間で急騰し、その後は1ドル=29・70~29・90バーツで推移している。年初時点に比べてバーツの上昇率は2・12%となっており、これに対してインドネシア、マレーシアの通貨は下落している。日本円に至っては6・93%の下落率となっている。日本銀行による追加緩和策が理由の一つ。二〇一三年の世界経済は一二年を上回りそうで、成長率は3・5%増と予測される。途上国の経済成長が推進力になると予測されている。
ナッタポン事務局長は、一三年第1四半期(一~三月)と一三通年の工業部門の展望について、比較ベースとなる一二年第1四半期の数値が低いローベース効果、新興経済国、アジア地域とASEAN経済の好調による輸出の存在感、インフレ率と金利が低い水準にあることがプラス材料になると述べている。一方で経済危機による貿易相手国(EU、米国、日本)経済の減速、バーツ高、全国一律300バーツへの引き上げをリスク材料に挙げている。
自動車工業は一月に前年同月比で増加した。自動車メーカーが顧客への納車を急ぐため生産を急いだことが理由で、生産台数は23万6025台、前年同月比68・10%増となった。自動車工業は第1四半期に前年同期比での拡大が見込まれている。
鉄鋼業は一三年一月に生産量が8%増えた。消費量は144万トンで、8%増となった。建設業の成長によるもので、また自動車工業の成長も寄与している。一三年第1四半期の生産量は8%増、消費量は6%増となる見通し。
電機・エレクトロニクス工業は一月に生産が4・43%増加した。一二年一月の数値が低いローベース効果が一因。国内経済の刺激により国内の電化製品の販売が伸びたほか、輸出も上向いた。エレクトロニクス製品はプラス成長に転じた。一三年第1四半期に電機・エレクトロニクス工業の生産は23・28%増が予測される。
繊維・衣料の生産は、繊維と布地の生産が一月に増加した。しかし既製服の生産は1・24%減となった。第1四半期の見通しでは、繊維の生産は約12%増、布地の生産もASEAN市場の需要増にともない10%増が見込まれる。一方で既製服の生産は5%減と予測される。
食品工業の生産は一月に5・4%減となった。輸出は18・1%減。第1四半期は4・7%減と予測される。公的債務問題による欧州市場の減速が響く。第1四半期の輸出は前年同期比で31・1%減と予測される。砂糖の価格水準の下落が響く。
日付 : 2013年03月04日
By : 週刊タイ経済
OIEの今年第1四半期の工業部門GDP成長率予測は8・0~9・0%増、工業生産指数上昇率は3・0~4・0%増。一三年通年の工業部門の成長率は5・0~6・0%増、工業生産指数上昇率は3・5~4・5%増を見込んでいる。
自動車・同部品の輸出は40・3%増となり、タイの工業製品輸出増を支援した。またエレクトロニクス製品と電化製品の輸出もそれぞれ29・8%増、20・5%増となった。タイの主要工業製品の輸出市場については、一月にASEAN、中国、米国、日本とEUのすべての市場で拡大した。一二年一二月の最新の失業率は0・5%で、二〇一一年以降現在に至るまでタイの失業率は低下傾向が続いている。失業率は1%を下回っており、労働市場の逼迫と労働者不足を反映している。バーツ相場については、年初からの3週間で急騰し、その後は1ドル=29・70~29・90バーツで推移している。年初時点に比べてバーツの上昇率は2・12%となっており、これに対してインドネシア、マレーシアの通貨は下落している。日本円に至っては6・93%の下落率となっている。日本銀行による追加緩和策が理由の一つ。二〇一三年の世界経済は一二年を上回りそうで、成長率は3・5%増と予測される。途上国の経済成長が推進力になると予測されている。
ナッタポン事務局長は、一三年第1四半期(一~三月)と一三通年の工業部門の展望について、比較ベースとなる一二年第1四半期の数値が低いローベース効果、新興経済国、アジア地域とASEAN経済の好調による輸出の存在感、インフレ率と金利が低い水準にあることがプラス材料になると述べている。一方で経済危機による貿易相手国(EU、米国、日本)経済の減速、バーツ高、全国一律300バーツへの引き上げをリスク材料に挙げている。
自動車工業は一月に前年同月比で増加した。自動車メーカーが顧客への納車を急ぐため生産を急いだことが理由で、生産台数は23万6025台、前年同月比68・10%増となった。自動車工業は第1四半期に前年同期比での拡大が見込まれている。
鉄鋼業は一三年一月に生産量が8%増えた。消費量は144万トンで、8%増となった。建設業の成長によるもので、また自動車工業の成長も寄与している。一三年第1四半期の生産量は8%増、消費量は6%増となる見通し。
電機・エレクトロニクス工業は一月に生産が4・43%増加した。一二年一月の数値が低いローベース効果が一因。国内経済の刺激により国内の電化製品の販売が伸びたほか、輸出も上向いた。エレクトロニクス製品はプラス成長に転じた。一三年第1四半期に電機・エレクトロニクス工業の生産は23・28%増が予測される。
繊維・衣料の生産は、繊維と布地の生産が一月に増加した。しかし既製服の生産は1・24%減となった。第1四半期の見通しでは、繊維の生産は約12%増、布地の生産もASEAN市場の需要増にともない10%増が見込まれる。一方で既製服の生産は5%減と予測される。
食品工業の生産は一月に5・4%減となった。輸出は18・1%減。第1四半期は4・7%減と予測される。公的債務問題による欧州市場の減速が響く。第1四半期の輸出は前年同期比で31・1%減と予測される。砂糖の価格水準の下落が響く。
日付 : 2013年03月04日
By : 週刊タイ経済