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1月の工業信頼感指数 賃上げとバーツ高で悪化

 タイ工業連盟(FTI)が二月二一日に発表した一三年一月のタイ工業部門信頼感指数(TISI)は97・3ポイントとなり、一二月の98・8ポイントから悪化した。指数が前月比で下落したのは3か月ぶりで、中間値の100ポイントを7か月連続で下回った。中間値を割り込んでいることは信頼感が悪いことを意味する。

 パユンサック・チャートスティポンFTI会長は、最低賃金が全国一律で300バーツに引き上げになったことを受け、とくに中小企業や労働集約型工業で生産コストが上昇したことや、原料価格や輸送費にも連鎖的な影響を及ぼしたことが信頼感の悪化につながったと説明している。またエネルギー価格も上昇する傾向にある。加えてバーツ高と世界経済の先行き懸念も工業事業者の信頼感に負の影響を及ぼしている。

 一月は受注、生産量、コスト、業績の指標が前月比で低下した。一方で3か月先の信頼感指数は一二月期の100・6ポイントから101・5ポイントへと上昇し、信頼感は上向いた。受注、売上高、生産量、業績の指標が上昇している。

 信頼感指数を事業規模別に見ると、小規模企業の一月の信頼感指数は83・6ポイントとなり、一二月の93・2ポイントを下回り、7か月連続で中間値を割り込んでいる。受注、売上高、生産量、コスト、業績の指標が前月比で上昇している。とくに家具、花崗岩・大理石、手工芸などの業種で信頼感が悪化した。3か月先の信頼感は95・8ポイントで、前月の97・3ポイントから悪化した。中規模企業の一月の信頼感指数は98・8ポイントで一二月の99・4ポイントから低下した。売上高、生産量、コストと業績の指標が低下している。皮革、印刷・紙容器、屋根材などの業種で悪化した。3か月先の信頼感指数は101・2ポイントで前月の99・0ポイントから上向きに転じた。大規模企業の信頼感は107・2ポイントとなり、一二月の104・4ポイントから上向いた。受注、売上高、生産量、業績の指標が上昇した。製油、電機・エレクトロニクス、エアコン・冷機などの業種で信頼感が上昇した。3か月先の信頼感指数は106・8ポイントで前月の106・7ポイントから上昇した。

 国内市場向け中心の工業(輸出比率が50%未満)の信頼感指数は一二月の99・5ポイントから97・5ポイントへと低下し、信頼感は引き続き悪化している。受注、生産量、コストと業績の指数が低下した。3か月先の指数は前月の101・0ポイントから101・7ポイントに上昇した。輸出指向工業(輸出比率50%超)の信頼感指数は96・7ポイントで、一二月の95・8ポイントから改善した。受注、売上高、生産量、業績の指数が改善した。



日付 : 2013年03月04日

By : 週刊タイ経済

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