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アズビルがタイに生産子会社 温度調節計や空調用コントローラ

 日本の計装機器、空調制御機器メーカーのアズビル(旧社名山武)は二月二八日、タイに新会社を設立したことを発表した。今回のタイにおける生産現地法人の設立は、生産面でのグローバル展開強化の具体策の一つ。アズビル・グループは国内外への展開を進めている。成熟し構造変化の進む日本国内においてもビルディング・オートメーション事業、アドバンス・オートメーション事業、ライフ・オートメーション事業の3つの事業の特徴を組み合せることで成長モデルを確保し、その事業モデルをグローバルに展開して成長と事業効率を高める考え。

 アズビルは、グローバルでの最適なロジスティック整備、地域特性に合わせた製品対応の強化に向けた生産体制の再編を進めており、二月二〇日付でタイに生産会社「アズビル・プロダクション・タイランド」を設立、登記を完了した。これによりアズビル・グループの主要生産拠点としては、日本、中国、サウジアラビアにタイを加えた体制となり、顧客のグローバル化に合わせて、現場に密着した設計、生産、エンジニアリング・サービスを提供する体制を構築する。

 タイ新会社はチョンブリ県アマタナコン工業団地内に設立、温度調節計や空調用コントローラの製造を手がける。会社設立と同時にスピーディに操業を開始するため、第1ステップとして敷地、建物を借用することにし、今夏から生産を開始する予定。借用する敷地は約2500平米、工場床面積は約1300平米で、従業員は50人規模でスタートする。1年目の生産高は2~3億円を見込み、3年後には数十億円規模に拡大する計画だ。

 アズビルは、あわせて中国での生産体制の整備を行ない、大連にあるアズビル機器(大連)有限公司は、現地での設計機能を強化するとともに競争調達を加速して材料費を低減させ、その他経費も含めてコストを削減する。また工業用ならびに空調用の調節弁、ポジショナ、リミットスイッチなどに生産品目の拡大を行なう。今回のタイ、中国での再編と同時に日本国内の生産体制も再編成し、神奈川県の秦野工場は今秋までに操業を中止し、他の国内工場、海外工場などへ機能を移転・集約する。

 アズビルは一九九四年に中国の大連に調節弁の工場を設立して以来、海外生産工場は中国、国内は神奈川県に工場が集中していた。このためBCP(事業継続計画)を含めたリスク分散を配慮するとともに、今後のアジア経済の成長を見据えて相対的にインフラ基盤の整っているタイに生産工場を設立することにした。今後も国内と海外で生産機能を分担し、地域特性に合わせた製品対応を行なうことで、現在1割に満たないグループの海外生産比率を向こう数年で3割強へ高める計画。



日付 : 2013年03月11日

By : 週刊タイ経済

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