一三年のタイの経済成長率 中銀総裁も予測の上方修正示唆
タイ中央銀行のプラサーン・トライラットウォラクン総裁は二月二六日、サイアム商業銀行(SCB)が主催したセミナーで講演し、一三年の経済成長率予測の上方修正を示唆している。タイ中銀の現在の成長率予測は4・9%増。国家経済社会開発委員会(NESDB)事務局がこのほど発表したGDP統計によれば、二〇一二年の経済成長率は6・4%増を記録しており、中銀の見積り以上に景気は上向いている。国内需要が投資と消費の双方で予想以上に拡大していることが理由。内需は一三年もしっかりとした成長が続きそうで、輸出も世界経済が緩やかに回復することで徐々に上向いていく見通しとなっている。
プラサーン総裁は、四月に発表する『金融政策リポート』(旧インフレーション・リポート)で一三年の経済成長率は修正が考慮されるだろうと述べている。総裁は、中国経済により導かれるアジア経済の力強い成長と国内の景気の航続力はタイの経済成長を支援し続けるとしている。ユーロ経済圏の脆弱な状況が続く中、米国経済は回復の兆しを見せているため、タイへの外貨流入は続くとしても、そのペースは緩くなるとした。総裁は年初に外貨流入が急増してバーツが急騰したのは「一月効果」が一因と述べている。
タイへの外貨流入は、グローバル・マネー・マーケットに溢れるマネーが高い利回りを求めて入ってきたもので、主に債券市場に向かっている。しかしタイの債券市場における外国人投資家の割合は5%から11・6%に増加しているものの、30~40%に達するマレーシアやインドネシアに比べて小さい。外国人の保有率が小さいため、外国人投資家の投資行動が債券市場に大きな影響を及ぼすこともない。プラサーン総裁は、海外投資マネーが債券市場からより高いリターンを求めて株式や不動産にもシフトしつつあることを指摘。状況を密接に監視していると説明している。不動産市場ではコンドミニアムの価格が第3四半期に前年同期比8%上昇し、第4四半期に15%値上がりしている。
中銀のマティ・スパーポン・シニアダイレクター(マクロ経済・金融政策担当)が二月二八日に明らかにしたところによれば、年初から二月一四日までのネットキャピタル・インフローは27億ドルで、大半は債券市場に流入しているが、一四日以降はインフローはほとんどなく、局面によってはアウトフローに転じている。最初の2か月間の正味流入額は27億ドル程度にとどまったもようで、昨年の同期の39億ドルを下回った。
タイ中銀によれば、一月のネットインフローは15億4000万ドルで、その大半は債券、特に期間1年未満のタイ中央銀行債への投資に向かった。外国人投資家は中銀債を19億4000万ドル、国債を2億6100万ドル買い越している。このほかに株式市場にも4~5億ドルが流入している。一方で預金引受け金融機関は16億9000万ドルの純流出となっている。商業銀行の海外支店が短期の債務を返済したことによる。
日付 : 2013年03月11日
By : 週刊タイ経済
プラサーン総裁は、四月に発表する『金融政策リポート』(旧インフレーション・リポート)で一三年の経済成長率は修正が考慮されるだろうと述べている。総裁は、中国経済により導かれるアジア経済の力強い成長と国内の景気の航続力はタイの経済成長を支援し続けるとしている。ユーロ経済圏の脆弱な状況が続く中、米国経済は回復の兆しを見せているため、タイへの外貨流入は続くとしても、そのペースは緩くなるとした。総裁は年初に外貨流入が急増してバーツが急騰したのは「一月効果」が一因と述べている。
タイへの外貨流入は、グローバル・マネー・マーケットに溢れるマネーが高い利回りを求めて入ってきたもので、主に債券市場に向かっている。しかしタイの債券市場における外国人投資家の割合は5%から11・6%に増加しているものの、30~40%に達するマレーシアやインドネシアに比べて小さい。外国人の保有率が小さいため、外国人投資家の投資行動が債券市場に大きな影響を及ぼすこともない。プラサーン総裁は、海外投資マネーが債券市場からより高いリターンを求めて株式や不動産にもシフトしつつあることを指摘。状況を密接に監視していると説明している。不動産市場ではコンドミニアムの価格が第3四半期に前年同期比8%上昇し、第4四半期に15%値上がりしている。
中銀のマティ・スパーポン・シニアダイレクター(マクロ経済・金融政策担当)が二月二八日に明らかにしたところによれば、年初から二月一四日までのネットキャピタル・インフローは27億ドルで、大半は債券市場に流入しているが、一四日以降はインフローはほとんどなく、局面によってはアウトフローに転じている。最初の2か月間の正味流入額は27億ドル程度にとどまったもようで、昨年の同期の39億ドルを下回った。
タイ中銀によれば、一月のネットインフローは15億4000万ドルで、その大半は債券、特に期間1年未満のタイ中央銀行債への投資に向かった。外国人投資家は中銀債を19億4000万ドル、国債を2億6100万ドル買い越している。このほかに株式市場にも4~5億ドルが流入している。一方で預金引受け金融機関は16億9000万ドルの純流出となっている。商業銀行の海外支店が短期の債務を返済したことによる。
日付 : 2013年03月11日
By : 週刊タイ経済