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タイの冷凍水産品業界にバーツ高、原料不足の逆風

 プランタレー・マーケティング社のアヌラット・コーカサイCEOは五月二二日、ムアントンタニのインパクト会議場で開幕した食品関連全般を網羅する展示会「THAIFEX - World of food 2013」のセミナーで講演し、二〇一三年はタイの冷凍水産品業界にとって強い逆風が吹く一年になるとの見通しを示した。バーツ高、円安、原料不足から経営環境は著しく悪化している。

 日本の金融当局による異次元緩和で日本円は1ドル=100円を突破して円安が進んでいる。タイの冷凍水産品の日本向け輸出は全体の28%を占めており、円安はタイの輸出に大きな逆風となっている。またエビの早期死亡症候群(EMS)の発生による原料エビの不足と価格の急騰も水産業界にとって頭が痛い問題。EMSは昨年終り頃から流行を始めており、タイ冷凍食品協会(TFFA)は政府が即時に対策を打ち出さない限り、タイのエビ輸出は激減すると警告している。EMSの流行後、小規模なエビ養殖業者は、病気の発生を恐れて養殖池への稚エビの投下を停止している。

 アヌラット氏は、一三年のタイの冷凍水産品輸出が前年比15~20%減となる650~700億バーツに落ち込むと予測している。パシフィック・フィッシュ・プロセッシング社のタウィー・ピヤパタナ社長は、全国一律300バーツへの最低賃金の引き上げで、多くの企業が省力化を進めるなど事業調整を進めていることを明らかにしている。ただ輸出業者はバーツ高にともなう価格の値上げが容易ではなく、またEUによる原料の原産地証明の詳細規定も非関税障壁になっていると説明している。



日付 : 2013年05月27日

By : 週刊タイ経済

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