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4月の工業信頼感指数 4か月連続で前月比悪化

 タイ工業連盟(FTI)が五月一七日に発表した四月のタイ工業部門信頼感指数(TISI)は92・9ポイントとなり、三月の93・5ポイントから悪化した。指数が前月比で下落するのは4か月連続で、中間値の100ポイントを10か月連続で下回った。中間値を割り込んでいることは信頼感が悪化していることを意味する。

 パユンサック・チャートスティポンFTI会長によれば、信頼感指数の低下は、受注、売上高、生産数量、業績の指標の悪化によるもの。事業者は事業経営に影響を及ぼす経済環境に対して懸念を抱いている。とくにバーツ相場の上昇は前月に引き続き主要な悪材料となっている。バーツは他の域内通貨を上回る上昇率となっているため輸出に直接的な影響を及ぼしている。加えて世界経済も依然として動揺しているため、この時期に注文を受けることは困難になっている。また事業者は国内での原料調達に代えて、バーツ高で価格が安くなった輸入原料の使用に目を向けているため、国内の川上工業にもバーツ高の影響は及んでいる。しかも政府はまだ具体的な対策を打ち出せないでいる。

 3か月先の信頼感指数は三月期の99・3ポイントから99・1ポイントへと低下し、信頼感は悪化している。受注、売上高、生産量、業績の指標が悪化している。

 信頼感指数を事業規模別に見ると、小規模企業の四月の信頼感指数は85・7ポイントとなり、三月の81・9ポイントを上回った。受注、コストの指標が前月比で上昇している。とくに機械・鉄工、ガラス、製薬などの業種で指数が上昇した。3か月先の信頼感は98・2ポイントで、三月の96・4ポイントから上昇した。

 中規模企業の四月の信頼感指数は93・3ポイントで三月の93・5ポイントから低下した。受注、売上高、生産数量と業績の指標が低下している。屋根タイル、ジュエリー、アルミなどの業種で指数が低下している。3か月先の信頼感指数は99・2ポイントで前月の100・9ポイントを下回り、信頼感は悪化に転じた。

 大規模企業の信頼感は98・3ポイントとなり、三月の105・3ポイントから低下した。受注、売上高、生産量、業績の指標が低下した。自動車、自動車部品、代替エネルギーなどの業種で信頼感が低下した。3か月先の信頼感指数は99・9ポイントで前月から変わらずとなった。

 国内市場向け中心の工業(輸出比率が50%未満)の信頼感指数は三月の94・2ポイントから94・1ポイントへと低下し、信頼感は引き続き悪化している。受注、売上高、生産量、業績の指数が低下した。砂糖、パーム油、家具などの業種で悪化した。3か月先の指数は前月の99・7ポイントから99・6ポイントに下落した。

 輸出指向工業(輸出比率50%超)の信頼感指数は85・7ポイントで、三月の89・9ポイントから悪化した。受注、売上高、生産量、業績の指数が悪化した。食品、ジュエリー、ゴム製品などの業種で悪化した。3か月先の指数は前月の97・1ポイントから96・3ポイントに低下した。



日付 : 2013年05月27日

By : 週刊タイ経済

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