5月の物品輸出は5・25%減 商業省が通年目標を下方修正へ
商業省が六月二六日に発表した五月の物品輸出は198億3010万ドルにとどまり、前年同月を5・25%下回った。バーツ建てでは5658億840万バーツで、同11・73%減となった。この結果、一~五月の輸出額は942億600万ドルとなり、前年同期比1・86%増にとどまっている。商業省はバーツ相場が弱基調に転じていることで六月の輸出はプラス成長に復帰すると期待しているが、通年の輸出目標は下方修正が避けられなくなっている。
商業省は物品輸出が収縮した理由として、米国経済の先行きが不透明だったこと、円安が日本向け輸出に影響を及ぼしたことやEUの景気後退、中国経済の減速、さらには中国、日本、米国の景気減速の影響を受けたASEAN向け輸出の鈍化を挙げている。また五月はバーツ相場も上昇し、相場変動も激しくなったため、事業者の受注に影響が及んだ。バーツ相場は今年二月以降、上昇を続け、四月半ばにはピークとなる1ドル=28・5バーツまで上昇した。その後は弱基調に転じたものの、五月時点では年初に比べてバーツ高となっていた。このほか農産物輸出は天候不順やエビの疫病の流行による生産の減少が響いている。コメは競合国による輸出増と需要国の輸入依存度引き下げ政策の影響を受けた。EUの経済危機は冷凍鶏肉輸出に響き、インドネシア向けの果物輸出では非関税障壁に直面した。世界経済の減速によりエレクトロニクス製品や電化製品などの工業製品の需要も低迷した。
ワチャリー・ウィムックターヨン商業省次官によれば、不振が続く農産物/アグロインダストリー製品の輸出は、五月期には16・4%減となった。コメは26・0%減、天然ゴムは22・0%減、タピオカ製品は1・0%減、エビを除く冷凍水産品・缶詰は5・2%減、冷凍エビ・同調製品は38・6%減、野菜・果物は8・8%減、冷凍鶏肉・同調製品は10・0%減、砂糖は31・0%減となった。
工業製品の五月の輸出は全体で0・9%減。エレクトロニクス製品は14・5%減、電化製品は4・9%減、金地金を除く宝石は2・3%減、印刷物・梱包材は4・8%減、ペットフードは4・9%減となった。一方で、自動車・同部品は3・9%増、合成樹脂は3・6%増、繊維は8・4%増、建材は8・0%増、金地金は182%増、ゴム製品は4・1%増、旅行用品・皮革・靴は0・8%増、家具・同部品は9・4%増、化粧品・石鹸は4・9%増、室内装飾品は5・7%増、時計・同部品は25・2%増、玩具は23・9%増だった。
五月の輸出を仕向け地別に見ると、主要市場への輸出は8・8%減。日本向けは7・6%減、米国向けは6・9%減、EU15か国向けは12・1%減となった。新興市場への輸出は全体で4・3%減だった。ASEAN(9か国)は1・2%減で、原加盟5か国向けが4・1%減、CLMV向けが5・6%増だった。中国向けは16・3%減、南アジア(8か国)向けは2・4%減、台湾向けは12・2%減だった。一方で、香港向けは1・1%増、韓国向けは23・1%増となった。その他の有望市場向けの輸出は2・1%減で、中東向けが15・8%減、アフリカ向けは9・6%減、カナダ向けは17・2%減だった。ただしオセアニア向けは16・7%増、ラテンアメリカ向けは1・5%増、EU新加盟12か国向けは6・7%増、ロシア・CIS諸国向けは15・5%増だった。
一方、五月の輸入額は221億3450万ドルで、前年同月比2・14%減少した。バーツ建てでは6399億1510万バーツで、前年同月比8・76%減だった。燃料の輸入は4・1%増で、原油が1・9%減、天然ガスが9・4%増、精製油が46・9%増だった。消費財の輸入は7・5%増で、電化製品が13・4%増、調剤製品が17・8%減、雑貨が13・4%増、野菜・果物が15・3%増だった。これに対し、資本財の輸入は1・9%減で、機械が15・9%減、電機が9・6%減、コンピュータが18・7%減、航空機が421・2%増、船舶・プラットフォームが112・5%増だった。原材料・中間財の輸入は7・1%減で、鉄鋼が10・3%増、宝石・ジュエリー・金銀地金が11・9%減、化学薬品が13・4%減、電機・エレクトロニクス製品が16・0%減だった。輸送機械は3・7%減で、自動車部品が2・2%増、乗用車が36・0%増、二輪車部品が10・6%増、バス・トラックが56・2%減だった。
五月の貿易収支は23億440万ドルの赤字となった。この結果、一~五月の貿易収支は138億5650万ドルの赤字となっている。
一~五月の物品輸出額は942億600万ドルで、前年同期比1・86%増にとどまっている。商業省は今年通年の物品輸出の目標を前年比8~9%増に定めているが、下方修正が避けられなくなっている。
一~五月の農産物/アグロインダストリー製品の輸出は5・9%減、工業製品の輸出は4・8%増だった。仕向け地別では主力市場向けが1・1%増で、日本、米国、EU15か国向けがそれぞれ順に0・3%減、1・4%増、2・2%増となった。新興市場向けは2・8%増で、うちASEAN向けは3・7%増、南アジア(8か国)向けが0・9%増、香港向けが9・6%増、韓国向けが3・6%増となったが、中国向けは0・9%減、台湾向けは4・0%減だった。その他の有望市場向けは7・2%増だった。一方、一~五月の物品輸入額は1080億6250万ドルで、前年同期比5・70%増となっている。燃料の輸入が1・6%増、資本財の輸入が2・5%増、原材料・中間財が7・8%増、消費財が8・0%増、輸送機械が17・4%増だった。
商業省は、年の残り期間にバーツの弱基調が続くようであれば、物品輸出は通年で7・0~7・5%増が達成可能と見ている。しかし中国、米国、日本などの主要輸出市場が低迷し、バーツが再び強基調に転じるようであれば、輸出の伸びはこれを下回ると見ている。カシコン・リサーチ・センター社(KRC)は通年の物品輸出について前年比4・0%増程度にとどまると予測し、従来の7・0%増から下方修正している。
五月の輸出のマイナス成長は多くのエコノミストやアナリストが予測していたが、収縮幅は予想を上回るものになっている。金地金輸出を除いた物品輸出は五月に前年同月比6・0%減少している。タイの輸出市場で上位の中国、日本、米国向けの輸出がそれぞれ順に16・31%、7・63%、6・89%減少したことが響いている。
日付 : 2013年07月01日
By : 週刊タイ経済
商業省は物品輸出が収縮した理由として、米国経済の先行きが不透明だったこと、円安が日本向け輸出に影響を及ぼしたことやEUの景気後退、中国経済の減速、さらには中国、日本、米国の景気減速の影響を受けたASEAN向け輸出の鈍化を挙げている。また五月はバーツ相場も上昇し、相場変動も激しくなったため、事業者の受注に影響が及んだ。バーツ相場は今年二月以降、上昇を続け、四月半ばにはピークとなる1ドル=28・5バーツまで上昇した。その後は弱基調に転じたものの、五月時点では年初に比べてバーツ高となっていた。このほか農産物輸出は天候不順やエビの疫病の流行による生産の減少が響いている。コメは競合国による輸出増と需要国の輸入依存度引き下げ政策の影響を受けた。EUの経済危機は冷凍鶏肉輸出に響き、インドネシア向けの果物輸出では非関税障壁に直面した。世界経済の減速によりエレクトロニクス製品や電化製品などの工業製品の需要も低迷した。
ワチャリー・ウィムックターヨン商業省次官によれば、不振が続く農産物/アグロインダストリー製品の輸出は、五月期には16・4%減となった。コメは26・0%減、天然ゴムは22・0%減、タピオカ製品は1・0%減、エビを除く冷凍水産品・缶詰は5・2%減、冷凍エビ・同調製品は38・6%減、野菜・果物は8・8%減、冷凍鶏肉・同調製品は10・0%減、砂糖は31・0%減となった。
工業製品の五月の輸出は全体で0・9%減。エレクトロニクス製品は14・5%減、電化製品は4・9%減、金地金を除く宝石は2・3%減、印刷物・梱包材は4・8%減、ペットフードは4・9%減となった。一方で、自動車・同部品は3・9%増、合成樹脂は3・6%増、繊維は8・4%増、建材は8・0%増、金地金は182%増、ゴム製品は4・1%増、旅行用品・皮革・靴は0・8%増、家具・同部品は9・4%増、化粧品・石鹸は4・9%増、室内装飾品は5・7%増、時計・同部品は25・2%増、玩具は23・9%増だった。
五月の輸出を仕向け地別に見ると、主要市場への輸出は8・8%減。日本向けは7・6%減、米国向けは6・9%減、EU15か国向けは12・1%減となった。新興市場への輸出は全体で4・3%減だった。ASEAN(9か国)は1・2%減で、原加盟5か国向けが4・1%減、CLMV向けが5・6%増だった。中国向けは16・3%減、南アジア(8か国)向けは2・4%減、台湾向けは12・2%減だった。一方で、香港向けは1・1%増、韓国向けは23・1%増となった。その他の有望市場向けの輸出は2・1%減で、中東向けが15・8%減、アフリカ向けは9・6%減、カナダ向けは17・2%減だった。ただしオセアニア向けは16・7%増、ラテンアメリカ向けは1・5%増、EU新加盟12か国向けは6・7%増、ロシア・CIS諸国向けは15・5%増だった。
一方、五月の輸入額は221億3450万ドルで、前年同月比2・14%減少した。バーツ建てでは6399億1510万バーツで、前年同月比8・76%減だった。燃料の輸入は4・1%増で、原油が1・9%減、天然ガスが9・4%増、精製油が46・9%増だった。消費財の輸入は7・5%増で、電化製品が13・4%増、調剤製品が17・8%減、雑貨が13・4%増、野菜・果物が15・3%増だった。これに対し、資本財の輸入は1・9%減で、機械が15・9%減、電機が9・6%減、コンピュータが18・7%減、航空機が421・2%増、船舶・プラットフォームが112・5%増だった。原材料・中間財の輸入は7・1%減で、鉄鋼が10・3%増、宝石・ジュエリー・金銀地金が11・9%減、化学薬品が13・4%減、電機・エレクトロニクス製品が16・0%減だった。輸送機械は3・7%減で、自動車部品が2・2%増、乗用車が36・0%増、二輪車部品が10・6%増、バス・トラックが56・2%減だった。
五月の貿易収支は23億440万ドルの赤字となった。この結果、一~五月の貿易収支は138億5650万ドルの赤字となっている。
一~五月の物品輸出額は942億600万ドルで、前年同期比1・86%増にとどまっている。商業省は今年通年の物品輸出の目標を前年比8~9%増に定めているが、下方修正が避けられなくなっている。
一~五月の農産物/アグロインダストリー製品の輸出は5・9%減、工業製品の輸出は4・8%増だった。仕向け地別では主力市場向けが1・1%増で、日本、米国、EU15か国向けがそれぞれ順に0・3%減、1・4%増、2・2%増となった。新興市場向けは2・8%増で、うちASEAN向けは3・7%増、南アジア(8か国)向けが0・9%増、香港向けが9・6%増、韓国向けが3・6%増となったが、中国向けは0・9%減、台湾向けは4・0%減だった。その他の有望市場向けは7・2%増だった。一方、一~五月の物品輸入額は1080億6250万ドルで、前年同期比5・70%増となっている。燃料の輸入が1・6%増、資本財の輸入が2・5%増、原材料・中間財が7・8%増、消費財が8・0%増、輸送機械が17・4%増だった。
商業省は、年の残り期間にバーツの弱基調が続くようであれば、物品輸出は通年で7・0~7・5%増が達成可能と見ている。しかし中国、米国、日本などの主要輸出市場が低迷し、バーツが再び強基調に転じるようであれば、輸出の伸びはこれを下回ると見ている。カシコン・リサーチ・センター社(KRC)は通年の物品輸出について前年比4・0%増程度にとどまると予測し、従来の7・0%増から下方修正している。
五月の輸出のマイナス成長は多くのエコノミストやアナリストが予測していたが、収縮幅は予想を上回るものになっている。金地金輸出を除いた物品輸出は五月に前年同月比6・0%減少している。タイの輸出市場で上位の中国、日本、米国向けの輸出がそれぞれ順に16・31%、7・63%、6・89%減少したことが響いている。
日付 : 2013年07月01日
By : 週刊タイ経済