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ホンダ・オートモービル・タイ 新四輪車工場の建設を開始

 ホンダのタイにおける四輪車の生産販売会社であるホンダ・オートモービル(タイランド)社は七月一〇日、プラチンブリ県ロジャナ工業団地内に建設する新四輪車工場の着工記念式を開催した。式典にはジンラック首相、在タイ日本国大使館の佐藤重和大使を来賓に招き、ホンダからは伊東孝紳社長が出席した。

 ホンダのアユタヤ工場は一一年の大洪水で冠水。この年一〇月四日から生産活動を休止し、生産を再開できたのは一二年三月二六日だった。ホンダは、タイをアジア大洋州地域における最重要拠点の一つとして位置づけており、水が引いた一一年一一月末から、全社を挙げて清掃、設備点検、設備入替などの復旧作業を行なった結果、作業開始から約4か月で生産を再開している。アユタヤ工場は年間生産能力24万台で復旧させたが、今年一月までに設備の追加や改修による28万台への拡張工事が完了し、二月よりフル生産態勢となっている。

 タイ東部のプラチンブリ県に設ける新工場は二〇一五年の稼働開始を予定している。土地の取得と建屋の建設費用を含めた投資額は約171億5000万バーツで、年間生産能力は12万台、新工場立ち上げ時の従業員数は約1200人(非正規従業員を除く)となるもよう。新工場では世界的に需要が高まる小型車を中心に生産する予定で、製造工程のショートプロセス化や、塗装・溶接工程へ最新の生産技術を投入することなどにより、高効率な工場を目指す。

 伊東孝紳社長は、ホンダにとって、タイはアジア大洋州地域における鍵となる市場であり、研究開発や生産の重要拠点と指摘。新工場の稼働により、タイ経済に貢献するとともに、タイの顧客が求める商品を、早く、安く、低炭素で供給していきたいとコメントしている。

 ホンダは28万台の年間生産能力を有する既存のアユタヤ工場でも生産ラインの延長など、さらなる能力拡大に向けた投資を予定しており、一四年には年間生産能力が30万台に達する見込み。新工場と合わせたホンダ・オートモービル・タイの年間生産能力は一五年中に42万台に増える。

ホンダ・オートモービル(タイ)は、現在、アユタヤ工場で「ブリオ」「ブリオ・アメイズ」「ジャズ」「ジャズ・ハイブリッド」「シティ」「シティCNG」「シビック」「シビック・ハイブリッド」「アコード」「CR・V」を生産している。ホンダによれば、タイにおける二〇一二年度の販売台数は24万675台となり、乗用車販売台数で1位を獲得した。今後も拡大し続けるタイの小型車市場やASEAN、大洋州、中近東、アフリカ、カリブ諸国市場への輸出増を見据え、生産能力の増強を図るとともに、さらなるラインアップ拡充を図っていく。


日付 : 2013年07月15日

By : 週刊タイ経済

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