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富士電機がアジア事業強化でタイの変圧器メーカーを買収

 富士電機は七月二五日、タイの変圧器メーカーのタスコ・トラフォ社を買収すると発表した。今年一〇月一日付でタイ現地法人の富士電機パワーサプライ社と富士電機(タイ)社を通じて同社に出資し、67・7%を保有する筆頭株主になる。

 アジア地域ではインフラ投資が拡大するとともに、日系を含む海外企業の進出が加速している。富士電機はアジア地域を注力市場と位置づけ、現地設計および地産・地消による「現地完結型」の体制を構築し、社会・産業インフラ需要を取り込むことで売上拡大を目指している。タスコは、サムットプラカン県に拠点を置く変圧器、配電盤、制御盤などの製造・販売・保守サービス会社で、電力公団や民間企業に対して数多くの納入実績がある。東南アジアやアフリカでも広く販売実績を持つタイの有力変圧器メーカーの一つになっている。富士電機は今回の出資により、同社の資源を活用し、アジアでの事業拡大に向け変電事業の強化を図る。

 タスコの買収は製品ラインアップの拡充につながる。タスコの最新鋭製造設備の活用と富士電機の技術供与により、自社ブランドとして社会・産業分野向け変圧器のラインアップ拡充と価格競争力強化を図る。また販売・サービス網の拡大にもつながる。タスコの販売・サービス・ネットワークを活用して、変電システムの拡販および更新需要の取り込みを行なう。

 タスコの昨年度の売上高は11億7400万バーツ。富士電機の出資後、社名は「富士タスコ」に変更する。資本金は8億6600万バーツで、出資比率は、富士電機パワーサプライ社が49%、富士電機(タイ)社が18・7%、タスコの創業家が100%出資する持ち株会社のタスコ・ホールディング社が32・3%となる。富士電機パワーサプライは一九八八年設立で、中小型UPS(無停電電源装置)や内部電源の製造・販売を手がけており、パワーエレクトロニクス機器製造の新工場をパトゥムタニ県にある既存工場の近隣地に建設中。富士電機(タイ)は一九九五年設立で、受変電設備ほか電気機器の販売、エンジニアリングを主な事業内容としている。


日付 : 2013年08月05日

By : 週刊タイ経済

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