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エコカー生産の新たな投資奨励 既存認可事業者は保護を要求

 スズキ自動車(タイランド)のワロップ・トリーレックガーム・マーケティング事業部長は、政府が第二弾のエコカー投資振興策の導入を検討していることについて、第一次の振興策で認可を受けた自動車メーカーを保護するよう求めている。スズキはエコカー生産のためにタイへの投資を決定し、ラヨン県に組立工場を建設している。ワロップ氏は、エコカー計画に呼応して投資した自動車メーカーは保護されるべきで、第二次エコカー計画では生産技術開発などでより厳しい標準を課すべきだと主張している。

 スズキはエコカー生産での投資奨励を受けた5社のうちの1社で、今年三月には13億バーツを投じてラヨン工場の年産能力を10万台に引き上げると発表している。拡張投資は来年に完成予定。ヘマラート・イースタンシボード工業団地にあるスズキ工場の現在のエコカー生産能力は年間5万台。スズキは二〇一一年に80億バーツを投じて新工場を建設した。

 エコカー生産の投資奨励は二〇〇七年に導入されたもので、政府は最近、第二弾の投資奨励を開始することを発表している。第二弾では省エネ、クリーン燃料、国際安全標準を主な規格とする考え。最初のエコカー生産計画に参加したのは、日産、ホンダ、三菱、スズキ、トヨタで、日系5社合計の投資計画に基づく年産能力は58万5000台。投資委員会(BOI)によれば、雇用創出は1万2000人以上、投資額は288億バーツとなっている。エコカーの生産台数は二〇一〇年に約6万台だったが、昨年は25万9000台を記録しており、今年は43万台に達する見通し。

 アチャカー・シーブンルアン工業省副次官によれば、エコカー生産の振興第二弾は、輸出にもっと焦点が合うようにエコカー生産を調整することが主な目的だと説明している。製造および環境標準は従来よりも厳しくする。アチャカー女史は、タイで生産されるエコカーは日本や欧州などの市場に供給するために、さらにアップグレードする必要があるとしている。
 
 エコカー生産奨励の最初のプログラムでは、投資額50億バーツ以上、主要部品の生産投資も求めた代わりに8年間の法人税免除と機械などの輸入関税の免除の特典を付与した。投資認可を受けたメーカーは生産開始5年目には年間生産高10万台を達成しなければならない。一方、エコカーの国内販売を支援するため、エコカーの物品税は17%に優遇されている。通常の乗用車は30~50%の物品税がかかる。

 アチャカー女史によれば、第二弾のエコカーはCO2排出削減によって物品税率が17%よりも低くなるとの見通しを示している。

 政府は八月六日に開いた閣議で景気対策を決定し、民間投資の振興策の一つとしてエコカー生産への投資奨励を盛り込んでいる。すでに認可を受けている既存の日系5社以外でエコカー生産に関心のある事業者を対象に投資優遇するもので、先行した5社に不公平にならないよう、新規の条件は厳しくし、既存5社に課した条件については一部を緩和する考え。



日付 : 2013年08月19日

By : 週刊タイ経済

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