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ジヤトコ・タイランド 変速機生産工場で開所式

 自動車用変速機(AT・CVT)専門メーカーのジヤトコのタイにおける生産会社のジヤトコ・タイランド社は、新工場でのCVTの本格生産を七月に開始したのに伴い、九月九日にチョンブリ県アマタナコン工業団地の新工場で開所式を実施した。タイ新工場は、メキシコ、中国に続くジヤトコの3番目の海外生産工場で、小型車用の副変速機付CVT「Jatco CVT7」を生産し、日産自動車がタイで生産しているマーチやシルフィ向けなどに供給する。投資額は約200億円で、生産能力は年間50万台。現時点での従業員数は約740人で、二〇一四年度までに約1300人まで増員する予定。

 ジヤトコは二〇一一年六月に現地生産を発表、同月ジヤトコ・タイランドを設立し、新工場立ち上げに向けた準備を行なった。現地採用の人材を日本で教育する独自の研修制度により立ち上げ当初からオペレーションも現地化をはかり、七月より本格的な稼働を開始した。また、この工場では使用するアルミ材料を、隣接するサプライヤーからインゴット(固体)ではなく溶湯(液体)での納入とすることで再溶解の工程を廃止し、1350トン/年の二酸化炭素(CO2)の削減を実現しており、環境にやさしいCVTを環境負荷の低い工場で生産することを目指している。

 ジヤトコの秦孝之社長によれば、ジヤトコ・タイランドで生産されるCVTは、クルマの燃費性能向上、CO2削減に大きく貢献し、環境対策の重要な技術の一つとして高く評価されている。同社長は、製品普及による環境対応や、投資・雇用の創出などにより、今後もタイの自動車産業と地域経済の発展に貢献したいと述べている。ジヤトコ・タイランドの平山智明社長は、すでに現地の優秀な人材が数多く入社し、彼らが日本で研修したことをタイで広めることにより、オペレーションレベルも高度化していると述べている。今後は、生産性・品質・コストなどあらゆる面において、ジヤトコ・グローバル拠点の範となるような工場にしていきたいと抱負を語っている。


日付 : 2013年09月16日

By : 週刊タイ経済

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