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エコカー生産の第2次投資奨励 既存メーカーの参加は困難

 タイ自動車工業会のピアンチャイ・ケーオスワン会長は一二月二日、モーターエキスポの関連イベントの一つとして開かれたセミナーで講演し、第2次エコカー投資奨励について、要件が厳しすぎて多くの自動車メーカーが申請を躊躇していると述べている。メーカー各社は投資額や生産条件を厳しいと感じている。

 ピアンチャイ会長は、すでにエコカーを生産している既存の日系5社にとっては、新たな技術仕様を満たしている製品を市場に出す必要があり、二〇一六年一月から施行になる予定の新たな物品税構造との兼ね合いからも、第2次プログラムに参加するのは容易でないと述べている。

 投資委員会(BOI)は第2次エコカー投資奨励の申請締め切りを一四年三月末に設定している。投資優遇を得るためには生産開始から4年以内に年間10万台の生産能力を持つ新工場を建てるため、最低65億バーツを投資する必要がある。技術仕様では、1㎞走行の二酸化炭素(CO2)排出量を100グラム未満に抑えなければならない。こうした要件を満たせば8年間の法人所得税免除と機械輸入関税の免除を受けることができる。

 タイ政府が独自に規格するエコカーの標準を満たせば、物品税率は14%に優遇され、さらにE85燃料にも対応すれば12%に優遇される。工業省は第2次エコカー・プログラムが期待通りの結果を示せば、5年以内にエコカーの生産台数は100万台近くに達すると予測している。

 〇七年に導入された最初のエコカー・プログラムには日産、三菱、ホンダ、スズキ、トヨタの日系5社が参加しており、申請した投資額の合計は288億バーツに達する。二〇一〇年に日産が先陣を切って生産を開始し、二〇一〇~一三年一〇月までの累計生産台数は71万2292台に達している。このうち日産が53・8%を占めている。累計国内販売台数は36万9509台で、日産が54・1%を占めている。一三年一~一〇月の生産台数は29万6187台で、三菱が43・3%、日産が32・6%を占めている。エコカーの国内販売台数は14万6985台。

 タイ工業連盟(FTI)自動車部会のスパラット・シリスワンナンクン部会長は、政府による第2弾のエコカー・プロジェクトの開始について、時期尚早だったとの見方を示している。自動車各社は、最初のプログラムのエコカーの標準を満たすのに精一杯の状況。また多くの自動車メーカーが政府のエネルギー政策の連続性について懸念していることを付け加えている。

 BOIのウドム・ウォンウィワットチャイ事務局長は、最低4社が第2次エコカー・プロジェクトを申請することが期待されると述べている。合計投資額は230~260億バーツに達する見通し。



日付 : 2013年12月09日

By : 週刊タイ経済

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