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国際モーター・エキスポ 政治デモで大不振に終わる

 一二月一〇日に閉幕した第30回タイ・インターナショナル・モーター・エキスポは、政治デモの拡大、長期化により主催者側の見通しを大幅に下回る低調な結果に終わった。主催者のインターメディア社では、前年のエキスポが、初めての新車購入者に対する税還付政策による特需で賑わっていたため、予約台数や入場者数は前年を下回ると見ていたが、予約台数は4万1083台にとどまり、目標とした5万台も下回った。組織委員長のクワンチャイ・パパットポン氏は、政局を楽観的に見過ぎていたとコメントしている。

 モーター・エキスポは毎年、この時期にムアントンタニのインパクト会議場で開催されている。会場に連絡するジェーンワタナ通りには反対側に官庁コンプレックスがあり、反政府デモ隊のデモ集会の拠点地の一つになっていた。デモによる交通の不便を嫌って、来場を見送った消費者は少なくなかった。来場者数は160万人の目標に対し、136人7357人にとどまった。クワンチャイ氏は、来場者数、予約台数ともに目標は政治デモが発生する前に設定していたもので、デモの影響は考慮していなかったと指摘。目標を下回る水準にとどまったことについて不満はないと述べている。

 クワンチャイ氏は、政情が悪化し、会場から遠くない場所がデモの拠点の一つになる中でも、大きなトラブルなく、当初の予定通りに開催できたことを自己評価している。クワンチャイ氏、タイの自動車の買い手は滅多なことでは新車購入をチャンスを見送ることがないと指摘。一一年の大洪水の最中でも、多くの自動車メーカーがイベントの中止を助言する中で、開催にこぎつけたことも明らかにしている。

 クワンチャイ氏が明らかにしたところによれば、予約台数1位はトヨタで9075台。2位はホンダの6099台、3位は日産の4007台、4位はいすゞの3753台、5位は三菱の3689台だった。高級車ではメルセデス・ベンツが1227台、BMWが763台だった。

 トヨタはこのほど満を持して発表した新型「ヤリス」が人気を博した。新型はエンジン排気量を1200㏄とし、タイ政府が独自に規格するエコカーの標準を満たしている。エコカーは物品税率で優遇されるため、旧型よりも割安な価格設定となっている。日産の予約の半分はコンパクトカーの「ジューク」。インドネシアで生産するモデルで、日産は納期短縮のため、インドネシア工場の増産を発表している。いすゞは、人気の1トン・ピックアップ・トラックの「Dマックス」をベースにしたPPV(ピックアップ・パッセンジャー・ビークル)の新型「Mu・X」の予約が好調だった。

 予約台数の過半は乗用車で、比率は51・4%だった。SUVが26・8%、ピックアップ・トラックは14・6%、その他は7・2%だった。平均価格は104万6457バーツで、前年の80万バーツから上昇した。前年は価格が100万バーツ未満の国産の小型車を対象とした初めての新車購入政策の影響で、エコカーやサブコンパクトカーの予約が増えていたため平均単価が下がっていた。

 大型の高級自動二輪車は2104台の予約があり、前年を16・6%上回った。ホンダが1001台、カワサキが254台、ベネリが222台だった。四輪、二輪車に中古車やアクセサリーも含めたエキスポの総売上は460億バーツ超となった。



日付 : 2013年12月16日

By : 週刊タイ経済

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