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1~3月のBOI投資申請 件数で48%減、金額で10%減

 投資委員会(BOI)事務局が四月一一日に発表したところによれば、今年一~三月の投資申請は291件、合計投資予定額は2340億バーツにとどまり、件数で前年同期比48%減、金額で同10%減となった。ウドム・ウォンウィワットチャイ事務局長によれば、昨年の同期には564件、合計投資予定額にして2610億バーツの投資奨励の申請があった。ウドム事務局長は、第1四半期の申請額が前年を下回ったものの、通年で9000億バーツの目標達成は可能としている。

 ウドム事務局長は、海外からの直接投資では2020億バーツ近い申請があり、前年同期を28%上回っていることを強調している。申請件数は197件で、前年同期比41%減だった。外資による投資申請額の増加は、エコカー2プロジェクトの申請があったためで、三月三一日に申請が締め切られたエコカー2プロジェクトには日系6社含む10社の自動車メーカーが投資申請している。10社合計の投資予定額は1388億8900万バーツに達する。BOI事務局の発表によれば、第1次のエコカー・プロジェクトに加わった日産、三菱、ホンダ、スズキ、トヨタの5社が第2次プロジェクトにも加わるほか、新規に自動車メーカー5社が申請している。ウドム事務局長によれば、エコカー2プロジェクト以外では電化製品、発電、石油化学、金属製品などで数百億バーツ規模の投資申請があった。

 ウドム事務局長は、潜在的な投資家との話し合いからは、投資申請予備軍の多くのプロジェクトがあることが示されており、これが9000億バーツに設定した通年目標の達成が可能と信じる根拠になっていると説明している。

 海外からの投資申請では日本からの投資が引き続きトップで、今年最初の3か月間に96件、610億バーツの申請があった。ただし前年同期と比べると、件数で45%減、金額で30%減となっている。米国、中国、韓国からの投資申請額はそれぞれ順に410億バーツ、94億バーツ、93億7000万バーツで、前年同期を上回っている。

 BOIの業種分類別に見ると、輸送機械・同部品の投資額が1570億バーツで最も多くなっている。インフラ/サービスは314億バーツ、石油化学・プラスチック・紙は232億バーツ、電機・電子は119億バーツだった。

 BOIは昨年一〇月に委員の任期が満了しており、下院解散により新たな委員を任命できない状態が続いたことで本会議が開けなくなっている。BOIは首相が統括し、経済省庁の大臣、次官、タイ商業会議所、タイ工業連盟、タイ銀行協会のトップと4人の専門家で構成され、通常、毎月1回の本会議を開き大規模な投資案件を審議認可する。一〇月以来、BOI本会議による承認待ちの投資案件は400件以上、投資予定額にして6000億バーツに達している。

 BOI委員の任命は、人事権の行使にあたるため、下院解散後の選挙管理内閣は原則できない。ただし選挙委員会が許可する場合にはその限りではなく、政府は新たに任命する委員の合法性について選挙委員会と内閣法制委員会事務局に助言を求め、選挙委の承認を得ることによって問題を解決したと発表している。ウドム事務局長は、委員の任命はソンクラーン明けの定例閣議で決定される見通しとなっていることを明らかにしている。

 プラサート・ブンチャイスック工業相は、BOIの新委員が任命されれば、3~4か月以内に審議待ちのすべての投資案件の投資奨励の可否の決断を下すとしている。


日付 : 2014年04月21日

By : 週刊タイ経済

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