商業省統計の第1四半期輸出額 前年同期比で1・0%減
商業省が四月二八日に発表した三月のタイの物品輸出額は199億4020万ドルで、前年同月比3・12%減となった。一方、三月の物品輸入額は188億4060万ドルで、前年同月比14・19%減となっている。この結果、三月の貿易収支は14億5960万ドルの黒字となった。物品輸出は二月に前年同月比プラス成長に転じたものの、三月は再び収縮しており、一~三月では前年同期比1・00%減となっている。世界経済は米国が牽引する形で回復基調にあり、タイの物品輸出は米欧日向けが上向いているものの、ASEAN諸国、中国、オーストラリア向けの輸出が収縮している。タイ経済は、国内需要が停滞する中で物品輸出が景気牽引役として期待されているものの回復は遅れている。
シーラット・ラサタパナ商業省次官によれば、リアルセクターの輸出が依然として収縮している。鉱物・燃料、金地金などの特定商品を除くリアルセクターの輸出は今年三月と一~三月に輸出全体の93・29%、92・67%を占めているが、前年比でそれぞれ3・02%、1・74%収縮している。鉱物・燃料・金地金の輸出額は三月に前年同月比4・47%減、一~三月に前年同期比9・41%増だった。
輸出額が増え、伸び率も高い物品は、自動車・同部品、コンピュータ・同部品、合成樹脂などで、輸出額全体の20・2%を占めている。一方、精製油、化学薬品、ゴム製品、天然ゴムなどは輸出額こそ増えているものの、伸び率は鈍化している。
三月の工業製品の輸出額は前年同月比で1・9%増えている。鉱物・燃料・金地金の輸出は伸びが鈍化する兆しを見せている一方、電化製品、自動車・同部品、合成樹脂の輸出はそれぞれ順に0・7%増、4・2%増、7・0%増を記録している。しかしエレクトロニクス製品、繊維製品、建材、ゴム製品、印刷物の輸出はそれぞれ順に2・2%減、2・7%減、19・6%減、12・0%減、6・5%減となっている。農産物・アグロインダストリー製品の輸出は前年同月比8・2%減。天然ゴム、冷凍水産品・缶詰、冷凍エビ・同加工品、砂糖の輸出はそれぞれ21・0%減、8・8%減、25・0%減、21・0%減となった。一~三月の工業製品の輸出額は前年同期比2・8%増。ただし建材、ゴム製品、繊維製品の輸出はそれぞれ順に34・8%減、5・1%減、1・2%減となった。農産物・アグロインダストリー製品の一~三月の輸出額は7・2%減だった。
コメの輸出は三月に6・2%増となった。タイ米の輸出価格が下落し、競合国との価格差が縮まったことで価格競争力が回復し、マレーシア、カメルーン向けの輸出が伸びた。天然ゴムは21・0%減。中国、日本からの引き合いが細った。各国の在庫が高水準にあることに加え、世界のゴム需要も依然回復していない。タピオカ製品の輸出は6・3%増。エタノール生産のための需要が続いている中国向け輸出が引き続き伸びている。
エビを除く冷凍水産品・同缶詰の輸出は8・8%減。冷凍エビ・同加工品は25・0%減だった。EMS(早期死亡症候群)流行問題で原料不足が続いている上、日本の需要が低迷した。冷凍鶏肉・同調製品の輸出は1・7%増。EU、日本によるタイ産冷凍鶏肉の輸入が増えた。砂糖の輸出は21・0%減で、大口輸入国のインドネシアの粗糖生産が増える見通しにあり、輸入量を減らしたことが響いている。
三月の輸出額を仕向け地別に見ると、主力市場向けは2・7%増となっている。米国、EU(15)、日本向けがそれぞれ順に3・6%増、2・9%増、1・6%増となった。有望市場向けの輸出は全体で8・5%減となった。ASEAN(9)、中国向けがそれぞれ10・9%減、11・2%減となった。香港、インド向けはそれぞれ0・1%増、6・7%増だった。準有望市場向け輸出は全体で5・3%減。オセアニア、ラテンアメリカ向けが23・3%減、6・3%減となった一方、アフリカ、EU(12)、中東向けはそれぞれ順に6・7%増、3・8%増、1・3%増だった。
一~三月では、主力市場向け輸出は2・4%増となり、2・四半期連続でプラス成長となった。しかし有望市場向けと準有望市場向け輸出はそれぞれ4・7%減、3・4%減となった。
三月の輸入額は前年同月比14・2%減となり、8か月連続で収縮した。消費財が3・6%増となった以外は全てのカテゴリーで減少している。特に原材料・中間財の輸入は前年同月比19・3%減となった。鉄鋼、電機・エレクトロニクス部品の輸入が減少した。輸送機械は18・8%減。資本財は14・8%減で機械、電機、コンピュータの輸入が減少した。また燃料の輸入額は9・7%減となった。一~三月の輸入額は前年同期比15・41%減だった。
自由貿易協定(FTA)締結8か国・地域(ASEAN、日本、インド、中国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、ペルー)向けの三月の輸出額は106億6040万ドルとなり、前年同月を9・5%下回った。FTAの特典を利用した輸出は42億570万ドルで、前年同月比0・7%減だった。AFTAでの特典利用による輸出額は14億7640万ドルで、前年同月比3・4%減、輸送機械、エアコン、ポリエチレン、ポートランドセメントなどの輸出が多い。中国向けの特典利用による輸出額は11億9300万ドルで、前年同月比1・9%減。パラキシレン、コンパウンドゴム、タピオカ澱粉、その他エチレン化合物、ポリカーボネートなどの輸出が多かった。日本向けの特典利用による輸出額は5億8490万ドルで、前年同月比8・2%増。鶏肉、PET、エビ加工品、プラスチック袋、モディファイド・スターチ、その他エチレン化合物、銅管などの輸出が多かった。
一~三月のFTA締結国・地域向け輸出額は310億9080万ドルで、前年同期比5・0%減、特典利用による輸出額は126億4000万ドルで、同1・2%増だった。AFTA、中国、オーストラリアの順で輸出額が多かった。
三月のFTA締結8か国・地域からのタイの輸入額は108億3740万ドルで、前年同月比10・8%減。FTAの特典を利用した輸入額は22億7740万ドルで、4・7%減となっている。AFTAでの特典利用による輸入額は8億850万ドルで、前年同月比5・8%減、自動車、石炭、制御機器、キャッサバ、ニンジンなどが多い。中国からの特典利用による輸入額は6億7980万ドルで、前年同月比9・1%増、圧延鋼板、リンゴ、ミカン、アミノ酸、鋼管・棒鋼、銅線などが多い。日本からの特典利用による輸入額は4億9540万ドルで、前年同月比22・0%減、圧延鋼板、ステンレス鋼板などが多かった。
一~三月のFTA締結国・地域からの輸入額は316億7070万ドルで、前年同期比13・3%減、特典利用による輸入額は69億1770万ドルで、同3・7%減だった。AFTA、中国、日本の順で輸入額が多かった。
隣国(マレーシア、ミャンマー、ラオス、カンボジア)との国境貿易は三月に836億8240万バーツとなり、前年同月比3・6%増となった。マレーシアとの貿易額が444億4140万バーツで最も多かった。タイの輸出額は全体で517億6510万バーツ、前年同月比0・12%増だった。天然ゴム、自動車・同部品、軽油、コンピュータ・同機器、その他ゴム製品の輸出が多い。タイの輸入額は全体で319億1730万バーツで、前年同月比9・9%増だった。その結果、タイは国境貿易で198億4780万バーツの黒字となっている。
タイの国境貿易額は一~三月に2418億2130万バーツとなり、前年同期を2・7%上回った。マレーシアとの国境貿易額が1300億1770万バーツで最も多い。国境貿易でのタイの輸出額は1510億2130万バーツで、前年同期比4・68%増となった。国境貿易でのタイの輸入額は908億バーツで、前年同期比0・5%減。この結果、国境貿易でタイは602億2120万バーツの黒字を記録した。
国境横断(陸路)貿易は三月に112億310万バーツで、前年同月比28・2%増となった。シンガポール向けが最も多く、51億3230万バーツを数えた。国境横断貿易でのタイの輸出額は43億6730万バーツで、前年同期比11・22%減、コンピュータ・同機器、非アルコール飲料、内燃機関などの輸出が多い。タイの輸入額は68億3580万バーツで、同78・93%増だった。
一~三月の国境横断貿易額は342億9530万バーツで、前年同期比38・24%増となった。シンガポールとの貿易額が163億1810万バーツで最も多い。タイの輸出額は154億1280万バーツで、前年同期比22・6%増、タイの輸入額は188億8250万バーツで、同54・29%増だった。この結果、タイは国境横断貿易で34億6960万バーツの赤字だった。
日付 : 2014年05月05日
By : 週刊タイ経済
シーラット・ラサタパナ商業省次官によれば、リアルセクターの輸出が依然として収縮している。鉱物・燃料、金地金などの特定商品を除くリアルセクターの輸出は今年三月と一~三月に輸出全体の93・29%、92・67%を占めているが、前年比でそれぞれ3・02%、1・74%収縮している。鉱物・燃料・金地金の輸出額は三月に前年同月比4・47%減、一~三月に前年同期比9・41%増だった。
輸出額が増え、伸び率も高い物品は、自動車・同部品、コンピュータ・同部品、合成樹脂などで、輸出額全体の20・2%を占めている。一方、精製油、化学薬品、ゴム製品、天然ゴムなどは輸出額こそ増えているものの、伸び率は鈍化している。
三月の工業製品の輸出額は前年同月比で1・9%増えている。鉱物・燃料・金地金の輸出は伸びが鈍化する兆しを見せている一方、電化製品、自動車・同部品、合成樹脂の輸出はそれぞれ順に0・7%増、4・2%増、7・0%増を記録している。しかしエレクトロニクス製品、繊維製品、建材、ゴム製品、印刷物の輸出はそれぞれ順に2・2%減、2・7%減、19・6%減、12・0%減、6・5%減となっている。農産物・アグロインダストリー製品の輸出は前年同月比8・2%減。天然ゴム、冷凍水産品・缶詰、冷凍エビ・同加工品、砂糖の輸出はそれぞれ21・0%減、8・8%減、25・0%減、21・0%減となった。一~三月の工業製品の輸出額は前年同期比2・8%増。ただし建材、ゴム製品、繊維製品の輸出はそれぞれ順に34・8%減、5・1%減、1・2%減となった。農産物・アグロインダストリー製品の一~三月の輸出額は7・2%減だった。
コメの輸出は三月に6・2%増となった。タイ米の輸出価格が下落し、競合国との価格差が縮まったことで価格競争力が回復し、マレーシア、カメルーン向けの輸出が伸びた。天然ゴムは21・0%減。中国、日本からの引き合いが細った。各国の在庫が高水準にあることに加え、世界のゴム需要も依然回復していない。タピオカ製品の輸出は6・3%増。エタノール生産のための需要が続いている中国向け輸出が引き続き伸びている。
エビを除く冷凍水産品・同缶詰の輸出は8・8%減。冷凍エビ・同加工品は25・0%減だった。EMS(早期死亡症候群)流行問題で原料不足が続いている上、日本の需要が低迷した。冷凍鶏肉・同調製品の輸出は1・7%増。EU、日本によるタイ産冷凍鶏肉の輸入が増えた。砂糖の輸出は21・0%減で、大口輸入国のインドネシアの粗糖生産が増える見通しにあり、輸入量を減らしたことが響いている。
三月の輸出額を仕向け地別に見ると、主力市場向けは2・7%増となっている。米国、EU(15)、日本向けがそれぞれ順に3・6%増、2・9%増、1・6%増となった。有望市場向けの輸出は全体で8・5%減となった。ASEAN(9)、中国向けがそれぞれ10・9%減、11・2%減となった。香港、インド向けはそれぞれ0・1%増、6・7%増だった。準有望市場向け輸出は全体で5・3%減。オセアニア、ラテンアメリカ向けが23・3%減、6・3%減となった一方、アフリカ、EU(12)、中東向けはそれぞれ順に6・7%増、3・8%増、1・3%増だった。
一~三月では、主力市場向け輸出は2・4%増となり、2・四半期連続でプラス成長となった。しかし有望市場向けと準有望市場向け輸出はそれぞれ4・7%減、3・4%減となった。
三月の輸入額は前年同月比14・2%減となり、8か月連続で収縮した。消費財が3・6%増となった以外は全てのカテゴリーで減少している。特に原材料・中間財の輸入は前年同月比19・3%減となった。鉄鋼、電機・エレクトロニクス部品の輸入が減少した。輸送機械は18・8%減。資本財は14・8%減で機械、電機、コンピュータの輸入が減少した。また燃料の輸入額は9・7%減となった。一~三月の輸入額は前年同期比15・41%減だった。
自由貿易協定(FTA)締結8か国・地域(ASEAN、日本、インド、中国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、ペルー)向けの三月の輸出額は106億6040万ドルとなり、前年同月を9・5%下回った。FTAの特典を利用した輸出は42億570万ドルで、前年同月比0・7%減だった。AFTAでの特典利用による輸出額は14億7640万ドルで、前年同月比3・4%減、輸送機械、エアコン、ポリエチレン、ポートランドセメントなどの輸出が多い。中国向けの特典利用による輸出額は11億9300万ドルで、前年同月比1・9%減。パラキシレン、コンパウンドゴム、タピオカ澱粉、その他エチレン化合物、ポリカーボネートなどの輸出が多かった。日本向けの特典利用による輸出額は5億8490万ドルで、前年同月比8・2%増。鶏肉、PET、エビ加工品、プラスチック袋、モディファイド・スターチ、その他エチレン化合物、銅管などの輸出が多かった。
一~三月のFTA締結国・地域向け輸出額は310億9080万ドルで、前年同期比5・0%減、特典利用による輸出額は126億4000万ドルで、同1・2%増だった。AFTA、中国、オーストラリアの順で輸出額が多かった。
三月のFTA締結8か国・地域からのタイの輸入額は108億3740万ドルで、前年同月比10・8%減。FTAの特典を利用した輸入額は22億7740万ドルで、4・7%減となっている。AFTAでの特典利用による輸入額は8億850万ドルで、前年同月比5・8%減、自動車、石炭、制御機器、キャッサバ、ニンジンなどが多い。中国からの特典利用による輸入額は6億7980万ドルで、前年同月比9・1%増、圧延鋼板、リンゴ、ミカン、アミノ酸、鋼管・棒鋼、銅線などが多い。日本からの特典利用による輸入額は4億9540万ドルで、前年同月比22・0%減、圧延鋼板、ステンレス鋼板などが多かった。
一~三月のFTA締結国・地域からの輸入額は316億7070万ドルで、前年同期比13・3%減、特典利用による輸入額は69億1770万ドルで、同3・7%減だった。AFTA、中国、日本の順で輸入額が多かった。
隣国(マレーシア、ミャンマー、ラオス、カンボジア)との国境貿易は三月に836億8240万バーツとなり、前年同月比3・6%増となった。マレーシアとの貿易額が444億4140万バーツで最も多かった。タイの輸出額は全体で517億6510万バーツ、前年同月比0・12%増だった。天然ゴム、自動車・同部品、軽油、コンピュータ・同機器、その他ゴム製品の輸出が多い。タイの輸入額は全体で319億1730万バーツで、前年同月比9・9%増だった。その結果、タイは国境貿易で198億4780万バーツの黒字となっている。
タイの国境貿易額は一~三月に2418億2130万バーツとなり、前年同期を2・7%上回った。マレーシアとの国境貿易額が1300億1770万バーツで最も多い。国境貿易でのタイの輸出額は1510億2130万バーツで、前年同期比4・68%増となった。国境貿易でのタイの輸入額は908億バーツで、前年同期比0・5%減。この結果、国境貿易でタイは602億2120万バーツの黒字を記録した。
国境横断(陸路)貿易は三月に112億310万バーツで、前年同月比28・2%増となった。シンガポール向けが最も多く、51億3230万バーツを数えた。国境横断貿易でのタイの輸出額は43億6730万バーツで、前年同期比11・22%減、コンピュータ・同機器、非アルコール飲料、内燃機関などの輸出が多い。タイの輸入額は68億3580万バーツで、同78・93%増だった。
一~三月の国境横断貿易額は342億9530万バーツで、前年同期比38・24%増となった。シンガポールとの貿易額が163億1810万バーツで最も多い。タイの輸出額は154億1280万バーツで、前年同期比22・6%増、タイの輸入額は188億8250万バーツで、同54・29%増だった。この結果、タイは国境横断貿易で34億6960万バーツの赤字だった。
日付 : 2014年05月05日
By : 週刊タイ経済