タイのスマートフォン市場 政治不安と景気低迷で減速
3G移動通信サービスの普及を受け急成長を続けてきた、タイ国内のスマートフォン市場も、最近の景気低迷により成長率が鈍化している。タイ最大級の携帯電話展示会、タイ・モバイル・エキスポの主催者のMビジョン社は、4日間のイベントの販売目標を下方修正している。政治不安のため消費者の信頼感が低下しているためで、また商品面でも技術や機能に目新しさはなく、端末の買い替えサイクルは長期化する傾向にある。
IT市場調査会社のIDCタイランドは、今年のタイのスマートフォン市場の成長率を35~40%増から25~30%増に下方修正し、市場規模を1400万台と予測した。チャリット・シトゥ上級アナリストは、スマホ市場の成長鈍化は、政治不安と消費者信頼感の悪化に起因していると述べている。同社調べによると、スマートフォンの販売台数は今年第1四半期に前年同期比23%増となったものの、価格が2万バーツ以上のハイエンドセグメントの販売台数は減少している。ハイエンドモデルは、第1四半期にスマートフォンの販売台数全体の20%を占めるにとどまり、前年同期の30%から低下している。チャリット氏は、スマートフォンの上位機種の販売減は初めての現象だと述べている。
Mビジョン社のオパート・チャードパン社長は、政治不安によるIT市場の減速のため、大型チェーン店のいくつかの店舗は今年末までに閉鎖されるとの見通しを示している。スマートフォンの単価も昨年の平均5000~7000バーツから4000~5000バーツに低下し、消費者は、機能や性能に劣っても、より安価な商品を求めるようになっている。
マイクロソフト・デバイシズ・タイランドの営業部長は、バンコクでの端末需要は減少しているが、地方の需要は伸びていると指摘している。地方県では3Gのネットワークが充実してきたこともあり、3000~1万バーツのスマートフォンの売行きがよくなっている。スーステック(タイランド)のカントリー・マネージャーは、3G移動通信キャリアが、スマートフォンのメーカーとタイアップして、通信料のパッケージとセットにして割安な価格でスマートフォンを提供していることが、スマートフォン市場を下支えすると見ている。
日付 : 2014年05月19日
By : 週刊タイ経済
IT市場調査会社のIDCタイランドは、今年のタイのスマートフォン市場の成長率を35~40%増から25~30%増に下方修正し、市場規模を1400万台と予測した。チャリット・シトゥ上級アナリストは、スマホ市場の成長鈍化は、政治不安と消費者信頼感の悪化に起因していると述べている。同社調べによると、スマートフォンの販売台数は今年第1四半期に前年同期比23%増となったものの、価格が2万バーツ以上のハイエンドセグメントの販売台数は減少している。ハイエンドモデルは、第1四半期にスマートフォンの販売台数全体の20%を占めるにとどまり、前年同期の30%から低下している。チャリット氏は、スマートフォンの上位機種の販売減は初めての現象だと述べている。
Mビジョン社のオパート・チャードパン社長は、政治不安によるIT市場の減速のため、大型チェーン店のいくつかの店舗は今年末までに閉鎖されるとの見通しを示している。スマートフォンの単価も昨年の平均5000~7000バーツから4000~5000バーツに低下し、消費者は、機能や性能に劣っても、より安価な商品を求めるようになっている。
マイクロソフト・デバイシズ・タイランドの営業部長は、バンコクでの端末需要は減少しているが、地方の需要は伸びていると指摘している。地方県では3Gのネットワークが充実してきたこともあり、3000~1万バーツのスマートフォンの売行きがよくなっている。スーステック(タイランド)のカントリー・マネージャーは、3G移動通信キャリアが、スマートフォンのメーカーとタイアップして、通信料のパッケージとセットにして割安な価格でスマートフォンを提供していることが、スマートフォン市場を下支えすると見ている。
日付 : 2014年05月19日
By : 週刊タイ経済