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タイ米の輸出価格が下落 ベトナム米を下回る水準に

 タイ・コメ輸出業者協会によれば、タイ米の輸出価格は最近6年間で最安値に落ち込んでいる。五月中旬時点での輸出価格は1トンあたり375~389ドルで、〇八年四月に記録した最高値の1020ドルに比べて60%安となっている。ベトナム米の価格は1トンあたり395ドル程度となっており、タイ米の価格がベトナム米よりも値崩れしたのは歴史上初めて。

 同協会のチューキアット・オパートウォン会長は、タイ米の生産コストが上昇するなかで価格が値崩れしているのは、籾米担保代金の支払い原資確保のために国が保管米の換価作業を急いでいることが理由。同会長は、品質に優るタイ米がベトナム米よりも安い値段になることは考えられないと憤っている。チューキアット氏によれば、タイの籾米の価格は1トンあたり7000~7500バーツで、ベトナム産籾米の8000バーツを下回っている。

 普通米の籾米で、1トンあたり1万5000バーツの担保価格を設定した籾米担保貸付政策は、事実上、国が籾米を稲作農家から買い上げることになり、国の保管米は急増した。このため世界市場では、需給は引き締まるはずだったが、ベトナムやインドの供給能力が向上した結果、世界市場はむしろ需給が緩み、国際米価は下落傾向が続いた。このため国は、農家からの買い上げ価格を大幅に下回る価格でしか、保管米を放出することができず、保管米の換価作業は遅れた。昨年一〇月に始まり、今年二月末で終了した最新のプログラムでは資金不足から担保代金の支払いも困難になり、国による資金借り入れも頓挫したことで、国は保管米の安値での放出に踏み切っており、これが米価を急落させた主因となっている。

 タイ米の価格が暴落していることで、海外からの引き合いは増えており、コメの輸出数量は増加しているが、価格が下落しているため、数量の伸びほどにはコメの輸出額は伸びていない。チューキアット氏は、軍政が担保代金の支払いを開始したこと受け、米価のこれ以上の下落を防ぐため、商業省が換価作業を遅らせるよう求めている。


日付 : 2014年06月09日

By : 週刊タイ経済

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