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日産のタイ第2工場が前倒し稼動 新型ピックアップトラックを生産

 日産はタイ第2工場の稼動時期を前倒しする。新工場では1トン・ピックアップ・トラックの新モデル「日産NP300・ナヴァラ」を組み立てる。日産自動車タイランドの吉本浩之社長は、タイの政治情勢の悪化にもかかわらず第2工場の操業開始を延期することはなく、実のところ、オペレーションは予定よりも1か月早く始まると述べている。

 日産は二〇一二年終わりに、110億バーツを投資する計画を発表し、第2工場に100億バーツを投じた。残りは日産テクニカル・センター東南アジア(NTCSEA)の開設費用で、日本以外では3番目のテストセンター。昨年八月に開所し、ASEAN地域における研究開発(R&D)ハブとして機能している。

 日産は第2工場建設のため、サムットプラカン県のバンナー・トラート通り沿いにある既存工場隣の150ライの土地を取得していた。第2工場の第1フェーズ時点での年産能力は7万5000台。新工場は七月三日の稼動を予定している。数年後には年産能力を15万台に引き上げる。

 日産の既存工場は22万台。新工場がフル稼働すれば、年産能力は37万台に増える。日産は、タイの乗用車市場でいち早くエコカーの生産と販売に踏み切り、エコカー分野では高いシェアを持つ。エコカーの需要増で、生産ラインを増設した結果、1トン・ピックアップ・トラックの「ナバラ」は三菱自動車タイランドのレムチャバン工場に生産委託している。

 吉本社長は、三菱自動車タイへの生産委託は当面の間、続ける方針を明らかにしている。生産委託するのは輸出向けのピックアップのみとする。新型「NP300ナヴァラ」は七月三日にお披露目し、予約販売を開始する。小売価格と輸出計画についても同時発表し、タイ国内では八月より納車を開始する計画。タイ市場では月間3000台の販売を見込んでいる。日産自動車タイのアンディ・パーマー企画室長は、新型ピックアップはタイで誕生するが、そのインパクトはグローバルなものになるとしている。パーマー氏は、タイおよび東南アジア諸国は、日産にとって重要な地域であり、ピックアップ車の重要な市場だと述べている。タイは人口レベルで見ると、世界で最もピックアップ・トラックが売れる国で、人口比では米国も上回っている。

 今年三月末に期末を迎えた二〇一三会計年度の日産のタイでの販売台数は約7万4000台。今年度は10万台を目標としている。二〇一四年(暦年)のタイの新車市場は昨年の133万台を下回る90~100万台にとどまる見通し。吉本社長は、タイ国内市場の収縮を心配しているが、新型車の投入が市場を刺激し、市場シェアの上昇につながると期待していることを明らかにしている。昨年の日産のタイの新車市場におけるシェアは6・5%だった。日産本社は中期経営計画で、二〇一六年までに東南アジアでシェア15%の獲得を目標に定めている。


日付 : 2014年06月16日

By : 週刊タイ経済

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