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原油の国際市況が高騰も 軽油の国内小売価格は据置き

 エネルギー政策管理委員会(EPMC)を統轄する国家平和秩序維持団(NCPO)のプラチン・チャントーン副団長(空軍司令官)は六月二三日、エネルギー価格構造の調整案を10日以内に取りまとめることを約束した。同委員会はこの日、軽油の小売価格を向こう10日間は、1リットルあたり29・85バーツの現行水準に維持する方針を決定している。

 EPMCはこれより前、小売マージンの圧縮などで、軽油の小売価格を1リットルあたり0・14バーツ引き下げる措置を導入していた。プラチン空軍大将が議長を務めた同委の初会合で決定したもので、小売マージンの引き下げで石油小売事業者と合意した結果、値下げが実現した。1リットルあたりの小売マージンは2・21バーツになっているが、これを1・50バーツに下げることで合意した。0・71バーツの引き下げになるが、0・57バーツ分は石油基金拠出金として徴収するため、小売価格の下げ幅は0・14バーツにとどめていた。しかし世界市場では、イラク情勢の悪化で原油相場が上昇し、タイの燃油小売価格のベンチマークとなる原油価格は1バレルあたり110ドルまで上昇している。このためEPMCは二三日の会合で、1リットルあたり0・81バーツの石油基金拠出金を放棄することで、小売価格の値上がりを阻止することを決めている。この直前には、PTT社とバンチャーク石油の国営石油会社を除く元売が、軽油小売価格を1リットルあたり30バーツ超に引き上げていた。

 エネルギー省は短期的に消費者の生活費の上昇を抑制するため、元売各社に価格の維持での協力を求めている。その上で、小売事業者の負担を軽減するため軽油の小売マージンを1リットルあたり1・14バーツから1・26バーツに引き上げることに合意している。

 産業界は、軽油の国内小売価格を1リットルあたり30バーツ未満に抑制する政策を少なくとも1年は継続するよう求めている。運送費が商品の総費用の3~5%を占めているためで、軽油価格が1リットルあたり1バーツ上昇すれば、コストは0・4%上昇するとしている。

 二二日のエネルギー改革についての第2回目の会合に出席したロサナー・トーシトラクン元上院議員は、21番目の石油ガス探査・採掘での事業権の付与を延期し、利益分配制度に転換すべきだと提案している。ロサナー女史は利益分配契約または生産共有契約が、もっとも国益にかなうもので、伝統的な事業権を与える契約を止めて採用すべきだと主張している。インドネシアやマレーシアなどのASEANの産油国は分配モデルを使用している。


日付 : 2014年06月30日

By : 週刊タイ経済

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