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BOIの新投資奨励戦略 見直し、税制優遇は削減の方向

 投資委員会(BOI)は八月に開く定例本会議で、期間7年の新投資戦略を発表する方針だ。投資奨励の対象分野を絞り込むとともに、財政状況が厳しさを増す中、税制優遇を減らすことが新戦略の基本的な考え方になるもよう。八月の会議で骨子がまとまれば、民間企業部門の意見を聴く機会を設けた上で、最終案を決定する流れになる。BOIは前政権時の一三年一月に期間5年で新戦略の骨子をまとめ、一五年一月からの適用方針を打ち出していたが、軍政は同案の大幅な書き直しを求めたもようだ。

 BOI事務局は、投資優遇策の内容、投資区域制度の見直しや、奨励業種の見直しについて検討してきたが、二〇一一年の大洪水で一旦棚上げしていた。しかし洪水後も、被害を受けた既存進出企業の大部分がタイから撤退しておらず、日本企業の新規の進出も続いていることで、投資奨励の抜本的見直しに再度着手し、昨年一月には、同年半ばの実施を想定した新投資奨励戦略の骨子を発表していた。しかし同年二月に合計5回開いた公聴会で民間企業部門から数多くの異論が出たことを受け、投資家に準備期間を与えた上で導入することに方針転換。一三年中に戦略案の中身を最終確定した上で、一五年初めから実施する方針でいた。

 ウドム・ウォンウィワットチャイBOI事務局長によれば、プラユット・チャンオーチャー陸軍大将は、作業部会のまとめた期間5年の新投資戦略原案を却下している。背景には、投資奨励による税免除の乱発が財政規律の悪化を招いているとの財務省の不満があるようで、同事務局長は税制優遇について見直すよう指示を受けたことを明らかにしている。BOIによる税制優遇は、年間500~600億バーツの税収機会の逸失を招いている。同事務局長は、新投資奨励戦略では税収の機会逸失を半減させ、投資奨励の対象業種も現在の240から180~190に減らすことを目指すと述べている。

 なおこの日の軍政下第2回目のBOI本会議では15件、515億2650万バーツが認可を受けている。旭化成スパンボンド(タイランド)社は不織布生産で認可を受けた。投資額は17億5800万バーツ、年産能力は1万7200トンで、国内のおむつメーカー向けに供給する。オートアライアンス(タイランド)社の第2次国際標準省エネ自動車(エコカー2)生産プロジェクトも認可を受けた。投資額は97億2750万バーツで、生産能力は年間15万8000台。このほかに部品を年間20万個生産する。事業地はラヨン県のイースタンシーボード工業団地。エコカー2プロジェクトでは最初の認可案件となった。


日付 : 2014年07月21日

By : 週刊タイ経済

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