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カシコン銀行(KBank) 東京都中小企業振興公社と提携

 カシコン銀行(KBank)は、日本の中小企業のタイおよびASEAN進出を支援するため、公益財団法人東京都中小企業振興公社と合意覚書を締結したと発表した。日本政府が中小企業政策の柱として、新たに1万社の海外展開の実現を目指すという目標を掲げたのを受け、初期目標として東京都内の中小企業50~70社のタイ及びASEAN進出を支援する。同公社は東京都における中小企業の総合的、中核的な支援機関。登録企業数が3万社を超え、その数は現在も増加し続けている。東京都内に主たる事業所がある中小企業は約44万社ある。

 カシコン銀行は、東京都内の中小企業に対し、セミナーなどを開催し、タイおよびASEAN地域の経済・投資情報を提供するほか、タイやその他の国におけるビジネスマッチングの開催を通じて、海外ビジネス・ネットワークの構築を支援する。また、日タイ両国間取引の増加を支援するため視察旅行なども実施し、タイに進出後に利用できるカシコン銀行のサービスについても紹介する。

 カシコン銀は、この提携がタイ国内の中小企業にも恩恵をもたらすとしている。日系企業との取引を通じて、日本企業の技術管理システムや組織運営システムを学ぶ機会が生じる。

 タイの大手商銀であるカシコン銀行はかねてより日系企業の顧客を重視し、自行のサービスを快適に利用してもらうため、日本語および日本文化を理解する人材を用意し、タイ進出日系企業の支援を続けてきた。日本語スタッフが常駐するジャパニーズ・フレンドリー支店の設置をはじめ、日本語対応可能なコールセンター、ATM機、各種資料を用意している。また、中小企業を主要顧客とする日本国内の有力地銀各行と直接業務提携を締結している。

 現在、カシコン銀は3000社以上の日系企業と取引を行なっており、国内市場シェアは13%となっている。日系企業に最も選ばれるタイの地場銀行になることが目標で、シェアを2年後に16%引き上げる。

 東京都中小企業振興公社の伊澤勇治会長は、日本の事業者の中で大規模企業は1%にも満たない割合で、残りの99%以上を中小企業が占めていることを指摘。世界有数の工業国である日本の経済システムを支えているのは圧倒的な数の中小企業だと説明している。日本では少子高齢化が進み、子どもや労働力人口が減少しているため、国内の購買力が低下しており、中小企業は輸出で新市場を開拓する必要に迫られている。また製造コスト削減のため外国で原材料を調達する努力もしている。今後も顧客や原材料調達先を海外に求める傾向は続く見通し。

 タイは、地理的にASEANの中心に位置し、域内諸国と比較して各種インフラが整備されていることから、日本政府が中小企業の海外展開において進出先の国の一つとなっている。カシコン銀との業務提携により、タイ進出を考える日系中小企業はメリットを得ると期待している。


日付 : 2014年09月15日

By : 週刊タイ経済

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