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三菱地所とAPタイランド 15年も3、4件のコンド開発

 三菱地所グループは、タイの政治情勢の安定と景気の回復を受け、AP(タイランド)社との合弁による住宅プロジェクトを来年も3、4件実施する計画だ。三菱地所は昨年、シンガポール現地法人の三菱地所アジアと分譲住宅事業を手がける三菱地所レジデンス社が、タイの住宅デベロッパーのAP(タイランド)社とプロジェクト会社を設立してコンドミニアム開発を行なっている。三菱地所グループにとってタイで初の事業で、最初に実施した3件のコンドミニアム・プロジェクトが販売好調だったことから二三日には4番目のプロジェクトを開始した。

 三菱地所がタイで最初に実施した3プロジェクトは、今年五月に販売を開始したもので、総戸数は2074戸。バンコクのクルンテープ・ノンタブリ通りの「アスパイア・ラチャダー・ウォンサワン」、アソーク通りの「リズム・アソーク2」、スクムウィット通りの「リズム・スクムウィット36~38」で、いずれも都心へのアクセスを重視し、コンパクトタイプを中心とした実需要を主な顧客ターゲットとしたコンドミニアム。

 三菱地所グループにとって、タイは成長著しい東南アジアでは、ベトナム、シンガポールに続く新たな事業拠点。バンコクでは安定した経済成長、首都への人口の流入、核家族化の進展、公共交通機関の拡張を背景に、分譲住宅へのニーズが高まっており、住宅事業の魅力的な市場となっている。

 三菱地所アジア小島正二郎社長は、長期の経済見通しや所得など、タイのファンダメンタルズは健全だと指摘。自社の投資が長期的視野に立ったものであることを示している。最初の3件のプロジェクトの合計価値は72億5000万バーツ。この3件が好調だったことから二三日には4番目のプロジェクトとして「アスパイア・タープラ」の販売を開始した。30階建てで、総戸数は1219戸。ザモール・タープラに近い5・3ライの土地に開発するもので、分譲価格は1戸198万バーツからとなっている。最初の3件のプロジェクトに三菱地所は25億バーツを投資しているが、4番目のプロジェクトでは新たに15億バーツを投じた。すべてのプロジェクトは三菱地所設計社がデザインの監修を行なっている。

 AP社はタイ証券取引所(SET)に上場する大手住宅デベロッパーで、住宅の仲介業務や管理業務を担う関連会社を含めた企業グループを形成している。三菱地所グループ側は、ベトナムやシンガポールでの事業実績のある三菱地所アジアと日本国内での分譲住宅事業のノウハウが蓄積された三菱地所レジデンスが連携しており、日本で蓄積した商品企画・設計・販売・施工管理などのノウハウを活用し、東南アジアでの事業ノウハウのさらなる蓄積を行なうべく、AP社とは長期的なパートナーシップを構築して、継続的に共同事業を実施することにしている。


日付 : 2014年09月29日

By : 週刊タイ経済

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