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乾季の水不足を警戒 乾季作の水供給停止で農民支援措置

 プラユット政府は、水不足から来年四月末までのチャオプラヤ水系とメークロン水系での水田耕作を自重するよう呼びかけている。今年の雨期の降雨量が例年平均を下回っていることが理由。すでに灌漑局は上流部のダムの放水量を減らすことを決定している。一四日に開いた閣議では、チャオプラヤ水系、メークロン水系の26県の水田で乾季作米用の水の供給を停止することを承認するとともに、旱魃による影響を受ける農民援助プログラムを承認した。
 プラユット政府は、稲作農家に最大1万5000バーツの現金を給付する政策を打ち出しているが、多くの農家は旱魃問題に対する支援措置を求めていた。政府発表によれば、チャオプラヤ水系、メークロン水系の灌漑区域で、政府の自粛要請を無視して乾季作を行なう農民は、旱魃被害での政府補償を受けることができない。一方で、両水系の灌漑区域とそうでない区域の農民は同等の援助措置を得ることができるとしている。基幹支援措置は灌漑局が実施するもので、乾季の運河の補修などで1日あたり754万人の雇用を創出する。これとは別に補助的な措置を二〇一五年度予算を使って実施する計画で、中央予算の緊急予備費の配分を求める。補助的措置として、漁業分野の職業振興のための訓練と生産要素支援を3574人に対して行なう。経費は2702人に1人あたり2250バーツ、872人に1人あたり2900バーツ。畜産分野の職業振興のための訓練と生産要素支援を1万3389人に対して行なう。経費はアヒル飼養の4407人が1人あたり4000バーツ、鶏飼養の8982人が1人あたり4000バーツ。農業セクターの職業訓練を農業振興局が1万7804人に対して行なう。費用は有機肥料が1人あたり800バーツ、土壌改良が1人あたり800バーツ、もやし栽培が1人あたり500バーツ、きのこ栽培が1人あたり800バーツ、果物の種子が500バーツ、養蜂が1人あたり2950バーツ、経済昆虫が1人あたり1200バーツ、機械修理が1人あたり3000バーツ、食品加工が1人あたり1000バーツ。また農業振興局は大豆、緑豆、落花生などの豆類の種子支援を2水系の15万ライで実施する。制度外教育・自主学習振興事務局は1358人を対象に非農業分野の職業訓練を実施する。土地開発局は15万ライの休止水田の十分な湿度を保つため肥料作物栽培を支援する。
 乾季作を見送る農民は任意で援助措置を選ぶことができる。基幹措置の支援を受けた後、補助的措置を選択することができるほか、基幹措置を選ばなかった場合でも補助措置の選択権は付与される。補助的措置は1つのみ選択することができる。
 気象局は一〇月一四日、北部や東北部などの地域について雨季明けと乾季入りを宣言している。一方で各地のダムの貯水量は低い水準にとどまっており、水利は生活用水、上水生産と生態系の保持を優先せざるを得ない状況となっている。農業用水の供給は、十分な水量が確保されている一部の地域に限定され、チャオプラヤ、メークロン水系では農業用水を確保することが不可能になっている。
 農業・協同組合省灌漑局の発表によれば、一〇月一六日現在の大規模ダム/貯水池の水量は445億4300万立米。貯水能力の63%にとどまっている。使用可能な水量は210億4000万立米。北部地方の貯水池では、チェンマイ県のメーガットソムブンチョン・ダムの水量は1億7000万立米で貯水能力の64%、ラムパーン県のギウロム・ダムは3300万立米、同31%。ターク県のプミポン・ダムは57億8800万立米で同43%、ウタラディット県のシリキット・ダムは57億2900万立米で同60%、ピッサヌローク県のクウェーノーイ・バムルンデーン・ダムは7億4300万立米で同79%となっている。
 東北地方ではウドンタニ県のフアイルアン・ダムの水量は7900万立米、貯水能力の59%、サコンナコン県のナムウン・ダムは4億100万立米で同77%、カラシン県のラムパオ・ダムは12億6900万立米で同64%、ナコンラチャシマ県のラムタコン・ダムは1億6600万立米で同53%、ブリラム県のラムナーンローン・ダムは7500万立米で同62%となっている。
 中部および東部地方では、ロッブリ県のパーサック・チョラシット・ダムの水量は8億100万立米で、貯水能力の83%、ウタイタニ県のタップサラオ・ダムは5200万立米で同33%、ナコンナヨック県のクンダーンプラカンチョン・ダムは2億1800万立米で同97%、チャチュンサオ県のクロンシーヤット・ダムは2億4600万立米で同59%、チョンブリ県のバンプラ・ダムは5000万立米で同43%。



日付 : 2014年10月20日

By : 週刊タイ経済

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