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運輸セクター向けLPG価格 引き上げで家計向けと同一に

 エネルギー政策管理委員会は一〇月二〇日、運輸セクター向け液化石油ガス(LPG)の小売価格を1㎏あたり0・63バーツ引き上げることを決定した。この結果、小売価格は1㎏あたり22・63バーツとなり、家計向けの価格と等しいものになった。家計のLPGユーザーが、値段が安い運輸セクター向けのLPGを利用することを防止することが狙い。ナロンチャイ・アカラセラニー・エネルギー相は、時間枠を明確にすることはなかったが、運輸、家計両セクター向けのLPGの価格は生産コストを反映させるため、今後も引き上げていく考えを示している。低所得層向けは補助金を出すことで1㎏あたり18・13バーツにとどめる。

 LPGはPTT社のガス分離プラントでの生産コストが1㎏あたり17・68バーツ、国内の製油所での生産コストが同21・16バーツ、輸入コストが同27・16バーツとなっている。LPGの価格自由化は政府のエネルギー改革の一環。タイはかつてLPGの輸出国だったが、政策的に小売価格を低く抑えてきた結果、運輸部門での需要が急増し、現在は輸入国に転じている。

 エネルギー政策管理委は軽油に対する石油基金拠出金を1リットルあたり0・7バーツ引き上げることを決定した。世界市場の石油価格が下落しているため、小売価格は1リットルあたり29・39バーツで変わらない。世界市場の原油価格(ドバイ原油)は、一〇月一七日現在、1バレルあたり85・05ドルまで低下している。軽油の拠出金の引き上げで石油基金の収入は月あたり51億2000万バーツから62億2000万バーツに増えることになり、基金の収支改善につながる。石油基金は一〇月一九日現在19億8000万バーツの赤字となっているが、今後10日以内に黒字転換すると予測されている。軽油の拠出金のみを引き上げたのはガソリンと軽油の小売価格のギャップを狭めることが狙い。ガソリンの石油基金拠出金は据え置くため、ガソリンの小売価格は世界相場に連動して0・5バーツ値下がりする。

 ナロンチャイ・エネルギー相は、石油基金の財務強化は石油価格の不安定による影響の緩和や、エタノール、バイオディーゼルなどの農産物由来の代替エネルギーを通じた農業セクターの支援にも役立つと説明している。


日付 : 2014年10月27日

By : 週刊タイ経済

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