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丸善製茶とシンハ・グループ チェンライで緑茶生産を開始

 緑茶などを製造・販売する丸善製茶は、「シンハ」ビールのブンロード・ブリュワリー社と組んで、タイで緑茶の生産を開始する。両社は二〇一四年五月末に合弁会社の設立に関する契約を締結済み。合弁会社の丸善フード(タイランド)社が、煎茶、深蒸し茶など日本製法の緑茶をチェンライ県で生産し、タイのほかASEAN各国市場に供給する。

 丸善フード(タイランド)社の登録資本金は5000万バーツで、シンハ・グループのブンロード・ファームと丸善製茶が折半出資した。新会社がチェンライに設ける製茶工場はすでに竣工し、一二月末にも稼動予定。丸善製茶が日本で展開する煎茶、深蒸し茶、玄米茶、水出し煎茶、冷水用緑茶ティーバッグ、抹茶などを生産する。

 ブンロード・ファームはチェンライ県に約8000ライの茶畑を有しており、製茶工場は茶畑に隣接して建設した。工場建屋は、荒茶の工場と製品加工施設の2棟から成る。ブンロート・ファームが生産する茶葉を使用し、蒸して茶葉の発酵を止める日本式の緑茶に加工する。丸善製茶によれば、中国式の釜炒りで発酵を止める緑茶生産が一般的なタイで、本格的な日本式緑茶の生産は初めて。

 生産する緑茶は、シンハの販売チャンネルを利用してタイ国内のレストランなどに業務用商品を供給するほか、将来的に茶飲料メーカー向け供給も計画している。タイでは業務用の製品は現在、主に中国やベトナム、インド、スリランカなどから輸入されているが、競争力のある価格帯で高品質な緑茶をアピールすれば、業務用の販売が伸びる可能性は高いと見ている。

 タイの茶系飲料市場は、砂糖入りの甘い商品が主流だが、丸善では健康志向の高まりから無糖の本格的な緑茶を好む人は今後増えると見ている。一方、タイは緑茶の輸入に高い関税を課しているため、現地生産により販売価格は輸入品よりも安く抑えることができる。丸善の緑茶は、ザ・モール・グループやセントラル・グループが日本からの輸入品を系列スーパーで取り扱っているが、タイ製に切り替えることで小売価格を大幅に下げることができる。またタイ国内販売のほかASEAN諸国や日本からの緑茶輸入が盛んな台湾、香港向けの輸出も始める方向で検討している。

 新工場の年産能力は90~100トンで、品目別の生産比率は粉末が50%、茶葉が25%、ティーバッグが25%を予定している。


日付 : 2014年12月15日

By : 週刊タイ経済

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