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海運貨物ハンドリング料大幅値上げ タイ荷主評議会が善処を求める

 タイ荷主評議会(TNSC)は、コンテナ・ターミナルのハンドリング手数料の大幅値上げの計画がタイの輸出競争力を低下させるとして再考を求めている。約20社の主要船会社のうち少なくとも7社がコンテナのハンドリング手数料を二〇一五年初めより62~74%値上げするとしている。TNSCの9ノッポーン・テープシター会長は、コスト増が年間で100億バーツに達すると指摘。このようなドラスチックな値上げはタイの荷主には負担が大きすぎるとしている。TNSCは二〇一五年のタイの物品輸出について前年比4%増成長を予測しているが、目標達成は難しくなるとしている。

 ノッポーン会長は、グローバルな燃料価格が低下しているこの時期の大幅な値上げが、実際の経営コスト増を反映した公正なものかどうかを調査するよう商業省内国取引局などの政府機関に要求している。ターミナル・ハンドリング・チャージの値上げを発表している船会社はSITC、韓進(Hanjin)、陽明海運(Yang Ming)、オリエント・オーバーシー・コンテナ・ライン(OOCL)、エバーグリーン、チャイナ・シッピング、ワンハイなど。いずれもアジアの海運会社だが、ノッポーン会長は追って、米欧の海運会社も追随する可能性が高いとしている。20フィート・コンテナ1本あたり2600バーツから4400バーツに、40フィート・コンテナ1本あたり3900バーツから6800バーツに値上がりする。低温コンテナの料金も62~64%値上がりする。TNSCは、ハンドリング料金の値上げだけで年間70億5000万バーツのコスト増になるほか、他の文書、管理料金などの値上がり分も加算すれば、荷主の追加費用負担は99億2000万バーツに達するとしている。ノッポーン会長は、タイ港湾公団(PAT)が船会社に請求する料金が値上がりしているわけではないことを理由に、この時期にハンドリング料金を値上げする理由はないはずだと批評している。

 ワロップ・ウィタナコーン副会長は、より高いロジスティック・コストは、出荷コストの安いインドネシア、マレーシア、ベトナムなどのライバルに対するタイの輸出競争力を低下させるとしている。タイの輸出業者の85%はFOB価格建てで取引を行なっているため、ハンドリング料金の値上がり分は輸出業者の負担に直結する。その結果、タイの輸出業者の利益は7~12%減少することになるとしている。

 ワロップ副会長は、EUが二〇一五年一月よりタイに対する特恵関税(GSP)を打ち切ることを指摘。ロジスティック・コストが急上昇する一方で、関税特権がなくなれば、タイの輸出業者の被る影響は欧州向け輸出でさらに大きくなるとしている。


日付 : 2014年12月22日

By : 週刊タイ経済

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