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11月の工業生産指数 前年同月比減も前月比増

 工業省工業経済事務局が発表した二〇一四年一一月の工業生産指数は前年同月比3・5%減となり、引き続き収縮している。減少率は前月の3・0%減を上回った。ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、自動車の生産減が響いている。ただし工業生産指数は季節調整済みの前月比では1・2%増加している。前月比での指数の上昇は2か月連続となった。食品・飲料、石油、自動車など主に国内販売のための生産が伸びている。

 輸出比率が30%以下の国内市場向け製造業の生産指数は、前年同月比で0・3%減となった。石油製品の生産が前年同月比で減少したことによるものだが、これは前年の同月に石油備蓄増の政策を受け、在庫投資が拡大したハイベース効果によるもの。また石油価格の下落が続いているため、生産者は生産レベルを引き下げている。国内市場向け製造業の生産は前月比では上向いている。食品・飲料の生産が家計消費の拡大にともない上向いたほか、石油製品も一一月初めにはメンテナンスにより休止していた製油所が再稼動したことで前月比で生産が増えている。合成樹脂の生産も関連工業での需要増から拡大した。

 輸出比率が30%超60%以下の製造業の生産は、前年同月比で8・7%減少した。主に自動車の生産減が響いている。特に国内販売のための生産は、景気がまだ完全には回復していないこと、農産物価格の下落による農業所得の減少、金融機関の与信審査の厳格化、政府投資の遅れによる影響を受けている。自動車の輸出向け生産は拡大しているものの、国内向け生産の減少を穴埋めするには至っていない。ただし自動車の生産は前月比では増加している。一一月末からのモーターエキスポでの需要を見越した生産増が寄与している。

 輸出比率が60%超の製造業の生産は前年同月比で3・6%減。HDDの生産減が響いている。


日付 : 2015年01月05日

By : 週刊タイ経済

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