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三菱東京UFJ銀バンコック支店 アユタヤ銀との統合を完了

 三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のアユタヤ銀行(BAY)は一月五日、三菱東京UFJ銀行バンコック支店との統合を完了したと発表した。三菱東京UFJ銀行バンコック支店(サートン通りハリントン・ビル)は五日よりアユタヤ銀行バンコク・サートン支店として営業を開始した。BAYの後藤謙明CEOは、二〇一五年はアユタヤ銀の歴史の新たな一頁を祝う年になると述べている。アユタヤ銀は今年で創業70周年を迎える。

 三菱東京UFJ銀行バンコック支店は二〇一四年九月末時点で4790億バーツの資産規模を誇っており、統合によりBAYの資産合計は1兆7160億バーツとなり、タイの地場商銀大手4行(バンコク、クルンタイ、カシコン、サイアム商業)に匹敵する規模になる。貸出残高の内訳は大企業向けと中小企業向けが60%、リテール向けが40%。

 バンコック支店の統合は、二〇一三年九月一八日付けのアユタヤ銀行との支店統合契約に沿ったもので、タイ中央銀行が同一資本の預金引受け金融機関は一者に限るとした「ワン・プレゼンス政策」に従うもの。アユタヤ銀行との広範な戦略的協業関係の最大化にもつながる。統合は、三菱東京UFJ銀行が旧バンコック支店の事業をアユタヤ銀行に対して現物出資する形でなされており、三菱東京UFJ銀はその対価として、アユタヤ銀の普通株式12億8161万8026株を取得価格1株につき40・49バーツで取得した。この結果、統合後の三菱東京UFJ銀によるアユタヤ銀の株式所有割合は76・88%に増えている。

 三菱東京UFJ銀の旧バンコック支店の窓口業務、預金、タイ国内決済業務に関しては、アユタヤ銀行バンコック・サトーン支店が引き継ぎ担当するが、既存顧客の口座店呼称は同支店名に変更となる。旧バンコック支店の法人営業業務に関しては、日系企業取引、グローバル企業取引および大手グローバル金融機関取引は、アユタヤ銀バンコック・サトーン支店に新設される「Japanese Corporate / Multinational Corporate Banking Group」が継承、原則として引き続き従来の営業担当者が業務を担当する体制をとっている。またタイ系企業との取引も、一部を除き同バンコック・サトーン支店に新設される「Corporate Banking Group」に継承され、引き続き従来の営業担当者が業務を担当する。旧バンコック支店の日本人行員は、五日よりアユタヤ銀行への出向となり、また現地採用スタッフは同行に転籍し、業務に従事している。

 統合後のアユタヤ銀は三菱UFJフィナンシャル・グループのタイにおける唯一の商業銀行プラットフォームになる。後藤CEOは、アユタヤ銀行のタイ国内における営業基盤、ローカル・ネットワークと、三菱UFJフィナンシャル・グループが有するグローバル・ネットワークを併せ持つ新たな銀行として、付加価値を提供していくとしている。日系顧客に対しては、タイ国内ネットワークの拡充による決済事業およびビジネスマッチングの拡充、タイ地場の取引先に対しては、三菱UFJフィナンシャル・グループのネットワークを活用したトレード・ファイナンスや海外進出支援を提供するとしている。同CEOは、アユタヤ銀行のタイにおけるリテール・中小企業の顧客基盤と三菱東京UFJ銀行のグローバル・コーポレートバンキング業務における金融商品・サービスのノウハウを融合し、幅広い顧客に対し、高付加価値の金融サービスをワンストップで提供できる体制を構築すると述べている。

 なお三石基タイ総支配人兼バンコック支店長は五日、アユタヤ銀行の日系企業・多国籍企業バンキング・グループの統括責任者に就任した。


日付 : 2015年01月12日

By : 週刊タイ経済

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