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トヨタがインドシナ市場強化 18年までに12・5万台を目標

 タイ国トヨタ自動車の棚田京一社長は、トヨタ本社がインドシナ地域での販売を強化するため、タイに新たなビジネス・ユニット「メコン・リージョン・バーチャル・カンパニー」を設置する計画を明らかにしている。昨年のトヨタのインドシナ地域での販売台数は5万4900台。二〇一八年までに12万5000台に増やすことを目標としている。棚田社長は、現状ではインドシナ市場は非常に小さいかもしれないが、トヨタ本社はタイを含めて2億4000万人の人口を有するこの地域の可能性を評価していると指摘。特にASEAN経済共同体(AEC)の発足はこの地域での自動車販売の牽引役になるとしている。

 トヨタによると、最近5年間平均のこの地域の年間新車販売台数は、タイが105万台、ベトナムが15万台、ラオスが2万台、カンボジアが3000台、ミャンマーが2000台となっている。タイ国トヨタはベトナムとカンボジアで販売事務所とディーラーシップ事務所を構えている。ラオスとミャンマーにも新しいオフィスを今年中に構える予定。棚田社長によれば、トヨタは現在、ベトナムで33%、ラオスで50%、カンボジアで33%の市場シェアを持つ。ミャンマーでのシェアは約10%。タイでは昨年32万7027台を売り、市場シェアは37・1%となっている。昨年のトヨタの販売台数のうち53・6%は商用車で、残りは乗用車。

 タイ国トヨタは、今年、タイの新車市場で33万台の販売を目標としている。一四年実績比では0・9%増で、市場シェアは35・9%を見込む。内訳は商用車が18万1300台、乗用車が14万8700台。一四年実績比ではそれぞれ3・4%増、2・0%減で、市場シェアはそれぞれ34・7%、37・4%。商用車のうち主力の1トン・ピックアップ・トラック(PPVを含む)は17万1700台、前年実績比4・1%増、市場シェアは40・1%を見込んでいる。

 棚田社長は、タイの市場について、バンコク首都圏は2人に1台の割合で自動車が普及しているため、成長の余地があるのは10人に1台の水準にとどまっている地方部だと指摘している。一方で、インドシナ地域では一度も自動車を保有したことのない人が多いため、ポテンシャルは高いとしている。インドシナで販売される自動車は一部がインドネシア工場からの出荷となるものの、大半はタイ国内の工場から出荷される。現在、タイ3工場の合計年産能力は77万台台だが、新たなインドシナ戦略が奏功すれば、年産能力は90~100万台に達すると期待している。

 トヨタは二〇一五年に完成車の輸出で39万台を期待している。輸出額は1837億バーツ。OEM部品の輸出は680億バーツを見込んでおり、完成車と合わせた合計輸出額は2517億バーツを見込んでいる。

 なお、トヨタの昨年のタイでの新車販売台数は32万7027台で、前年比26・6%減、市場シェアは37・1%だった。乗用車の販売台数は15万1763台で、前年比20・2%減、市場シェアは41・0%だった。商用車の販売台数は17万5264台で、31・4%減、シェアは34・2%だった。商用車のうち1トン・ピックアップ・トラック(PPVを含む)は16万4849台で、30・4%減、シェア39・2%だった。PPVを除く1トン・ピックアップ車は14万4693台で、30・1%減、シェアは38・9%だった。

 昨年のトヨタの完成車輸出台数は42万5730台で、輸出額は1961億3900万バーツ。OEM部品の輸出額は695億6507万バーツで、完成車と合わせた輸出額は2657億407万バーツだった。


日付 : 2015年01月26日

By : 週刊タイ経済

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